魂のチャレンジャー・2 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

<魂のチャレンジャー・1>の続編。

「ついに、このときが来てしまったか」
私は観念したように思いました。

私の恐れていたこと。
いつかは遭遇するだろうと危惧していたこと。
L子さんと彼女の結婚相手の組み合わせがまさにそれでした。

私はいつも人の運勢を鑑定するときに西洋占星術のホロスコープと、四柱推命表の両方を使います。
もちろん!
あくまでも重点は、自分が専門にやってきた西洋占星術です。
しかし、これらの占術にはそれぞれ一長一短があります。

どういうことなのか、なぜ私がそれを併用しているのか、記事を読み進めてもらったら分かります。
ただ、この西洋と東洋で完成を見た二つの占いは、一人の人間を対象に解読した場合、だいたいにおいて同じ結論を打ち出してきます。
当然ですよね。
同じ人間の運勢を二つの占いで解読して、ちぐはぐな結論が出るのだったら、どちらかが間違っているか、両方間違っているはずです。

たとえばその人間の婚期がいつか、とか。
私が見る限り、西洋占星術と四柱推命はほとんど同時期を打ち出してきます。

両占術の思想的背景は大きく異なります。
占星術は基本、星の動きの観測が背景にあります。
それに対して、四柱推命は陰陽五行、その表現たる十二支十干の組み合わせと、その相関関係が問題とされ、これは基本、周期です。
子丑寅卯……の十二支と、甲乙丙丁……の十干。
このサイクルがすべてです。

リアルな星の運行を解読する占いと、周期説。
これは非常に大きな違いです。
しかし、結論が一致して来るというのは、方法論こそ違え、この二つの占術が人間の生命、その根幹に関わる洞察の上に成り立っていることは間違いないように思えるのです。

そうした理解の上で、私はやや長い沈黙の後、口を開きました。

「では、お二人の相性を見て行きましょう」

私の沈黙の長さに、L子さんは緊張を強めていました。
私はホロスコープがいかなるものなのか一通り説明した上で、解読に入りました。

私 「L子さん、あなたは牡牛座の生まれですね」

L子 「はい」

私 「そして、彼のホロスコープでは出生時に月は牡牛座に入っています。これです」

パソコンのディスプレイの星の表示で指し示しながら続けます。

私 「じつは月は、男性のホロスコープでは『配偶者』の表示星です。つまり単純に考えて、彼は牡牛座的な女性を配偶者にしやすいのです。もちろん、これは生まれ星座のことだけを指しません。他の月とか、影響力の大きなポイントが牡牛座にあれば、それでこの条件は満たされます。が、あなたは、たまたま牡牛座でした。でも、実際にはたまたまというのはこの世には一つもないんですが」

L子 「ということは、どういうことなんでしょうか」

私 「チャート上、あなたはまさに彼の配偶者になりそうな女性だということです」

L子さん、緊張を強めながら頷いている。
たぶん、私の口調や表情から、何事かあるのを感じ取って。

私 「お二人の相性は、じつは悪くありません。それぞれに地のエレメントと風のエレメントを太陽と月に持っていて、分かり合えます。決定的に悪く働く要因(たとえば土星の相互の位置関係や角度など)も見あたりません」

L子さん、若干、安堵した様子。
でも、まだ表情は硬い。披露宴の日取りまで決めてきたという二人。

うん。
やはり、本当のことを率直に言おう。

私はそう思いました。
気休めのようなことを言っても、それを役立ててもらうことはできない。
少々のことを言っても、この人なら自分の考えを変えたりはしない。
不安に襲われて、逆にそっちへ引っ張られることもないだろう。

私 「しかし、単に相性云々以前に問題としなければならないことがあります。それはL子さん、あなたの離婚相の強さです」

L子 「離婚相……」

私 「7ハウスに天王星があります(しかも金星などとのハードアスペクトが強い)。この配置と星の関係だと、かなりの高確率で離婚が起きます。天王星は変革の星、離別の星です。これが7ハウスにあり、凶角が強いと、相性がどうのこうの言う以前に、あなた自身が運気として離婚する確率が非常に高くなります」

L子 「そんな運勢なんですか……」

私 「そして、それだけではないんです。あなたが結婚されようとしている方、その方とあなたは互換空亡なんです」

L子 「互換空亡(ごかんくうぼう)?」

私 「これがあると、夫婦関係でも非常に別れる確率が高くなります」

L子さんは離婚相が強く出ている人。
まして、別れる可能性が高い相手を選択しようとしている。
私が二人の鑑定に入った瞬間に気づいたのが、この事実でした。


私はこの二人に、良きアドバイスを贈ることができるのでしょうか?

そして、互換空亡とはなんなのか?

次回、互換空亡について明かされます。


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