トニーさんが還らぬ人となった...
そんなメールを受け取った。
2013年の12月のことである。
何か、もっと出来たんじゃないか...
人はいつも、
後から考える。
何かしようと思っても、
過ぎてからでは遅いのだ。
ノリさんとは、
ちょくちょく、メールをやり取りするようになる。
日記のように、
その時あった出来事を綴った。
ノリさんには、一つの願いがあった。
それは、トニーさんの灰をフィレンツェにも少し分けることだ。
トニーさんが愛したイタリアは、
トニーさんの愛するノリさんの手によって、
その願いは、叶えられる。
安心したのだろうか、
この頃から、
今度は、
ノリさんに、病は襲う。
今年の5月。
「フィレンツェに行くから、よろしくね。」
のメッセージは、
「入院することになってね。でも、退院してから、フィレンツェに行くから、待っててね。」
に変わった。
6月の末、
「これから、抗がん剤治療に専念するから、10月には、病院から出れると思うよ。」
そのメッセージを最後に、
ノリさんとの交信は途絶えることとなる。
先月、
このノリさんが紹介してくれた、
お客さんより、
メッセージを頂く。
「ノリさんの近況をお伝えしたくて...」
メッセージを開けてみると、
この8月に、
ノリさんが、トニーさんの元に旅立ったことが記されていた。
いみじくも、
メルカートで最初にお会いして、
メルカートの仕事を終える頃、
二人は、旅立たれたのである。
14年近くの、
毎日のメルカートの仕事は、
彼らから始まって、
こうして、多くの人々に支えられて、
やってこられたわけである。
出会った人々との間に、
それぞれストーリーがあり、
それぞれの思い出がある。
今、こうして、
新たな道に進む自分に、
ここがあって、
今があることは、
否定できない、事実であると、
しみじみ思う私である。
お世話になりました皆様へ
メルカートにいる間、本当にお世話になりました。
このブログが、こうして今も続けていられるのも、皆さんのお力添えあってのことです。
今後につきましては、模索中ではありますが、食材を中心とした活動をしていくことには変わりなく、ブログも続けていきますので、どうぞよろしくお願い致します。