フィレンツェで、変わりゆくこと... | 私のイタリア時間

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イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。




少し前から、

フィレンツェのドゥオーモ近くに、

マクドナルドがオープンするとかしないとか、

そんな話が話題になっている。


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ここのところ、

フィレンツェの街のあちこちで、

いろんなお店がオープンしていて、

それこそ、

「世代交代か?」

な勢いである。


ずっと、閉まっていて、

ガラスには落書きがあり、

ゴミが溜まっているような場所が減っていくことは、

とてもイイことだ。


フィレンツェの街中は、

家賃が軒並み高くて、

年々、増えていく税金に、

とうとう店仕舞いをするお店ばかりだったから、

何がどう変わってるのかは知らないが、

閉まっていた店が、改装され、

開店していく、その様は、

暗闇に、

ポツン、ポツンと、

明かりが灯るようで、

なんだか、こちらも嬉しい気持ちになる。


さて、今回、

ドゥオーモの一角のある場所に、

マクドナルドをオープンさせたくないという、

市長の大きな意向があり、

論争を呼んでいる。


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マクドナルドといえば、

ちょくちょく見るのは、

あまりいい噂ばかりではない。


信じる信じないは、人による。


けれど、マクドナルドがダメで、

他は良し...なんてのは、

そっちの方が、信憑性がないと

私は思う。


まるで、

コカコーラはダメだけど、ペプシは?


誰も聞かないけど、

いつも、そんな話題を目にして思うのと同じだ。


どう選ぶのかは、人それぞれ。


それでも、

人生で、一回も口にしていない人の方が、

少ないんじゃないの?

と思ったりする。


フィレンツェ市長は、もっともらしいことを言っていて、

「観光客も大事だが、地元民も大切にしたい...」

と、マクドナルド誘致に反対している。


15年ほどいるフィレンツェだが、

この15年で大きく変わった。


レプブリカ広場にある、伝統的なBarは当時、

どこも全てが、

イタリア人によって経営されていた。

美味しいコーヒーが飲めると噂の、

某カフェでは、

夕方5時くらいになると、

コーヒーを出すカウンターには、

並びきれないほど、人が並び、

物凄い勢いで回転していく。

ものの5分、10分で、

何十杯ものカッフェを、

それぞれの要望に応えながら、

出していくその様は、

日本から来たばかりの私が見ても、

圧巻だったし、

美味しかった。

しかも、

今と比べれば、

遥かに安かった。


それが、いつしか、

すっかり変わってしまった。


経営者は、外国人になり、

外のテーブル席には、

イケメン兄ちゃんが勧誘してくる...

そんなBarに変わってしまった。

お店は、すっかりモダンになり、

綺麗になれど、

かつてのイタリアらしさには欠けている。


趣のない...というのは、

このことを言うのかもしれない。


よく通っていたBarだったが、

いつしか行かなくなった。


今、そんな店が増えている。


綺麗だけど、どこにもある。


マクドナルドが云々ではなく、

やるんだったら、ちゃんとやってほしいもんだと、

外の人間だが、

そう思う。


思えば、

私のいるメルカートも、

大きく変わった。


それぞれの店構えは、モダンになり、

すごく綺麗になった。

スーパーを合法化させる為に、

法律を変えたおかげで、

どんなお店でも、

なんでも置けるようになった。

どこのお店でも、

なんでも置いたら、

同じようなお店が広がる。


専門性がなくなった...

そんな気がする。


変わりゆく時代の中で、

何を選択していくのか...


それは、もしかしたら、

自分自身に対する問いかけなのかもしれない。


変わりゆくフィレンツェを目にして、

明日の自分を思ったりするのである。




⬇︎ 変わることと変わらないことと...

  


最後までお付き合い、どうもありがとうございます。