日本から、知り合いが来るとき、
「どこか美味しいレストラン...」
と言われると、
結局、行ってしまう、トラットリアがある。
さほど気取った感じでもないあたりが、
親しみやすくていい。
勝手知ったるがゆえに、
安心感もあるし、
何しろ、安い。
メルカートから、程近い、
このトラットリアは、
今となっては、
お馴染みの場所である。
どこかで見たことのあるような顔のカメリエーレ(ウェイター)が、
オーダーを取りに来る。
覚えたての日本語を駆使して、
「こんにちは」とか「美味しい」とかはいいけれど、
ニコニコしながら、
「ニンジャ」と言う。
でもきっと、
「ニンジャ」でも「サムライ」でも、
その違いは、きっと分からないに違いない。
動きもテキパキしていて、
よく頑張っているけれど、
こっちの聞いたことは、
案外あっさりと忘れてしまう。
「水は、ガス入りをお願いね!」
「Arrivo subito!(アリーヴォ スービト = ハイ、スグに!)」
で、
持ってくるは、
ガスなしのミネラルウォーター。
「メニューにはないけど、Frittata(フリッタータ = オムレツ)って出来る?」
「Ci penso io!(チ ペンソ イオ=俺に任せて!)」
で、出てくるは、
野菜のフリット也。
あ~、それでも、
なぜか、気分は暖かい。
ついつい、飲みすぎたその夜に、
思い出した。
あ、
あのウェイター...
「あずさ2号 」の狩人だよ。
狩人の弟にそっくりな、
そのウェイターは、
きっと、今日も元気に働いている...
時々思うが、
日本人によく似た、イタリア人ってのも、
たま~に居たりするもんです。