昼の15時を過ぎる頃には、
ほとんどのお店が閉まりかかる、メルカート。
何をのんびりしているのか、
中央の入り口は、なかなか閉まらない。
こういう時間になると、
覗きたくなる、通りすがりの人々。
締め際を見極めるのは難しい。
思い思いに手に取るのを、放っておくわけにもいかずに、
挨拶をする。
「ぶぉん じょるの~~」
と、
顔を見た瞬間、
わし摑みした、スパイスを放り投げ、
「No No No Cinese... No~~!」
と、
のたまうイタリアおばはん約1名。
3人寄れば...というけれど、
知恵は出ずとも、
声は出る。
何人か一緒になると、
より一層デカくなる、
その態度。
ちょいと、お怒り気味のバカ殿...
とまではいかずとも、
こんな顔になっていたに違いない私。
勢いあまって、呼び止める。
「シニョーラ~~!」
振り返るシニョーラに、
「Sono gipponese(ソノ ジャッポネーゼ=私は、日本人だよ!)!」
と強く言う。
何もなかったふりをして、
行こうとするのを、
敢えて引き留めて、
「シニョーラ!そ~の じゃっぽね~ぜ~~!」
と繰り返す。
「あ~、ごめんなさいね~~!あんたの言う通りね。」
だなんて。
別に中国人に間違われてもいいけれど、
露骨にやられると、
ちょいとな...と思った、
今日の午後。
時々、こんなことがあるけれど、
聞き捨てならない、このセリフ。
外国に居ることの
洗礼だと思うべきか...
15年経った今でも、
困る時がある訳である。