社会の縮図
何かを指して、社会の縮図と言う場合がありますね。
先日、新聞で見たのですが、サッカースタジアムで「JAPANESE ONLY」というプラカードを持ったサポーターのニュースがあり、問題となっていました。
そのサポーターがいるチームの監督は「差別や偏見があってはサッカーは成り立たない。」とコメントし、さらに「スタジアムは社会の縮図である。」とも述べました。
応援しているチームにも外国人選手がいるのに、まったく意味分からないのですが、そのような人がいるというのはニュースの通りです。
これが社会の縮図であるならば、世界には相当数の差別や偏見があるということです。
正確に測ることはできませんが、おそらく当てはまると思います。
これを「この世界の相似性」と呼びます。
中学校の数学で習った相似です。大きさは変わってもカタチは同じということです。
私にはこの感覚はずっと以前からありました。
地球1個と人間1個を比べ、アトピー性皮膚炎は地球に起こっている問題を映し出しているという感覚です。
そこからさらに発展し、人間が生命体であるように、地球も生命体であるという考えです。
サッカースタジアムも生命体です。
ある組織が複雑化し、進化することで生命体のように機能するのです。
これをガイアといいます。
「ガイアの夜明け」というテレビ番組がありますよね。たぶんそのガイアと同じ意味です。
私は今このガイア論というものにとても興味があります。
ビジネスと生命
システムとは制御するものという考えがあります。機械を操縦するように、ビジネスやマーケットもコントロールするものと普通は考えますね。
しかし、ビジネスやマーケットが成熟し、複雑化するとまるで生命のような特徴を示すようになります。
例えば、カオス、エージェント、創発、自己組織性、人工生命、遺伝的アルゴリズム、恒常性(ホメオスタシス)・・・・
「複雑なものには心が宿る。心とは生きていることの証である。」
文化人類学者 グレゴリー・ベートソン
創発とは、個々の要素が自由に活動しているだけで、自然に全体に新しい秩序が形成されることなどをいいます。
また、自己組織性とは、外から働きかけなくても自然に構造や秩序が生まれることなどをいいます。
これは、成熟したビジネスに当てはめて言うことができます。
このような生命観をガイアの思想と呼び、最先端の科学なのです。
しかしながら、日本人にはもともとこのような生命観はあるはずです。
仏教の言葉にこのようなものがあります。
『山川草木悉皆成仏』 さんせんそうもくしっかいじょうぶつ
意味:
眼に見えないすべてのものを含め、この世に存在するすべてのものが、私たちを本来の姿に立ち返らせようとして、間断なく働き変えているという意味。
存在するすべての原始物質は、同じであり、すべてに仏性が宿るという考え方。
原点回帰であり、かつ最先端の科学。
それが「ガイア」です。