「片頭痛の正しい知識」 あとがき その2
これまで、「片頭痛の正しい知識」を身につけて頂くことを目的として、以下のようなシリーズを企画し、掲載してきました。
「片頭痛の正しい知識」とは
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12294609138.html
前回の「病気の90%は活性酸素が関与」の続きです。
これまで、このことについては下記の記事を掲載してきました。
病気の原因の90%が活性酸素
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12171631037.html
以上のように、今や病気の90%は活性酸素が原因だとされているのが常識です。
活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に作られてくるもののです。
現在では、ミトコンドリアを治すものが”病気を制する!”とされています。
この事実は、医学界では何十年もタブーとされてきました。
オットー・ウォーバーグが”ワールブルグ効果”を発表した時には、この事実がわかったのですが、製薬会社や医者の利益を守る為に封印されてきました。
医学界が、この封印を解いて、この事実を公表する可能性は極めて低いものと思われます。
これからも色々な病名をデッチ上げて、病気の根本原因をわかりにくくさせるものと思われます。
こういったことから、頭痛領域においても当然のように、同様にこのことは、製薬会社や医者の利益を守る為に封印されています。
前回も述べましたように、1990年代に鳥取大学医学部・神経内科の下村登規夫先生は、片頭痛患者においてミトコンドリア機能の低下,脳内マグネシウムの低下とマグネシウムの発作抑制作用,脳内セロトニン減少の可能性,血小板内ラジカルスカベンジャー(SOD)の低下などの臨床的根拠(エビデンス)があることから、頭痛に関してはdietary approach to stop chronic headache (DASCH)(別名、MBT療法)と呼ぶ,食生活を中心とする生活習慣を見直すことで片頭痛治療を提唱され、最低でも3ヶ月、なるべく半年以上続けることによって、およそ9割の片頭痛が改善するとされてきました。
ということは、片頭痛がミトコンドリアの機能低下による頭痛であるということです。
ところが日本にトリプタン製剤が導入されたことによって、学会が創設され、さらに片頭痛の治療指針とされる「慢性頭痛診療のガイドライン」が作成されたことによって、このような考え方は一切排除されてきました。
このことは具体的にどのようなことなのでしょうか。
2000年にやっと、日本に待ち焦がれたトリプタン製剤を導入すると間もなく、電光石火のごとく「慢性頭痛の診療ガイドライン」が作成されました。
専門家は、欧米崇拝主義の考えから背後に存在する問題点、日本人の特性などを考慮することなく、海外の文献的”エビデンス”にただ追随しているのが実情です。こうしたことから、鳥取大学神経内科グループの先生方、下村登規夫先生、松井孝嘉先生の偉大な業績がありながら、日本の業績よりも欧米の論文を無条件で評価する考え方から、それまでに欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していた「国際頭痛分類 第2版」を無条件に踏襲した形で「慢性頭痛の診療ガイドライン」が作成されることになりました。
このようにして、日本にトリプタン製剤を導入するに際して、専門家の方々は、国際頭痛学会が作成された「国際頭痛分類 第2版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準(教義・教典)とされました。専門家は「国際頭痛分類 第2版」は、世界で最も権威ある「国際頭痛学会」が作成されたものと私達に申されますが、その生い立ちを考えれば、1980年代はじめにイギリスで合成されたトリプタンを意識的に評価する目的で作成されたもので、とりもなおさず、欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していたものです。さらに問題は、このような「国際頭痛分類 第2版」を無条件に踏襲した形で「慢性頭痛の診療ガイドライン」が作成されたことです。
このため、片頭痛治療の世界はトリプタン製剤がすべて(一色)になってしまいました。
トリプタン製剤が導入される以前には、エルゴタミン製剤という主流の治療薬がありながら、片頭痛治療薬の第一選択薬として、トリプタン製剤が据えられ、マスコミでは片頭痛の”特効薬”と誇大宣伝が繰り拡げられました。
このように日本にトリプタン製剤が導入されたことによって、片頭痛は、本来、未病の段階にありながら、病気と祭り上げられることになったわけです。
「片頭痛は病気です。片頭痛は病気ですから、医療機関を受診して、トリプタン製剤を服用して、片頭痛(病気)を治しましょう」と啓蒙活動が展開されました。
あたかも、トリプタン製剤を服用さえしておれば、片頭痛が治ってしまうような誇大宣伝があたかも真実であるかのごとく吹聴されてきました。
本来、片頭痛は”未病の段階”にあり、この未病は生活習慣の問題から起きるものです。
この生活習慣の問題を是正することが、片頭痛治療の最も大切な部分のはずです。ところが、医療機関を受診された片頭痛患者さんはトリプタン製剤を処方されるだけで、このような片頭痛治療の最も大切な部分のはずの「生活習慣の問題を是正する」生活指導は一切されることはありません。
さらに、「慢性頭痛の診療ガイドライン」にも、このようなことは一切記載されることはありませんでした。
このため、こうした「慢性頭痛の診療ガイドライン」を診療指針とする医師は、このような生活指導を一切されることはなくなってしまいました。
その結果が、どのようになったかは片頭痛患者さんが、最も知っていることです。
トリプタン製剤による「薬剤乱用頭痛」がなぜ増加したのでしょうか
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12264045857.html
日本の医療制度は、厚生労働省と製薬メーカーと専門家の話し合いで作られているようなものです。どの医学の領域でも、「慢性頭痛の診療ガイドライン」と同様の「ガイドライン」が作成されています。
そして、「慢性頭痛の診療ガイドライン」も、医療ジャーナリストの船瀬俊介さんには「クスリは飲んではいけない!」(徳間書店)で以下のように指摘されています。
「ガイドライン集」は、製薬メーカー、医学界・厚労省によって作成されるが、実質はメーカーが作っているようなもの。名を連ねた教授らには、億単位の多額“寄付金がメーカーから支払われる。
担当役人には、天下りなど“特典”が準備されている。
さらに、こうした「慢性頭痛の診療ガイドライン」を作成されたトップの方々には、およそ頭痛領域ではまったく知られていない人間が名を連ねていることにも驚かされます。
こうした裏事情は、医療ジャーナリストの船瀬俊介さんに明確にして戴ければ、私達一般人にはより理解されるはずですが、諸々の事情により明かされることはありません。
いずれにしても、トリプタン製薬メーカーが、学会を巻き込んだ形でガイドラインが作成された点を忘れてはならない点です。
いわばこの「慢性頭痛診療のガイドライン」はトリプタン製薬会社が作成したかのような印象がありました。
これが、今後の片頭痛治療・研究の方向性を決定的に左右した時点でした。
このように、専門家の方々は、日本にトリプタン製剤が導入される直前からトリプタン製薬メーカーと二人三脚で、手を携えあって、頭痛診療および研究、啓蒙活動を推進し、「国際頭痛分類第3版β版」を絶対的な基準とし、「慢性頭痛診療のガイドライン」まで作成して、片頭痛そのものが永続的に存在する基盤を作り上げ、製薬メーカーとの強固なスクラムを築いてきました。
このように専門家は製薬会社と”一心同体”になって癒着してきました。
そして、専門家はトリプタン製剤を、片頭痛の特効薬とまで誇大宣伝を行ってきました。
こういった状況におかれていたことから、片頭痛がミトコンドリアの機能の低下による頭痛であり、本来、片頭痛は”未病の段階”にあり、この未病は生活習慣の問題から起きるもので、この生活習慣の問題を是正することが、片頭痛治療の最も大切な部分のはずです。
ところが、医療機関を受診された片頭痛患者さんはトリプタン製剤を処方されるだけで、このような片頭痛治療の最も大切な部分のはずの「生活習慣の問題を是正する」指導は一切されることはありません。
それは、このような事実を明らかにすれば、片頭痛は治ってしまうことになります。
このため、片頭痛はいつまでも、原因不明の不思議な・神秘的な”遺伝的疾患”であり続けなくてはならないことになっています。
そして、こうした学会が容認しないような内容は、このようなブログという一般人でも目にする場では、公開してはならないとされる専門医も出現してくることになっています。
そして、一般の出版物でも、厚生労働省と製薬メーカーと専門家の考え方に反するものは許されないことになっています。
このようにして、真実は覆い隠されることになっています。
出版社の本質はどこにあるのでしょうか
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12266133566.html
専門医の論理的な矛盾・・片頭痛医療の”七不思議”
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12266453006.html
情報収集の難しさをどう克服するのか
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12266778073.html
このようにして、私達は、真実を覆い隠されていることを忘れてはなりません。
これまでの詳細は、以下で明らかにしてきました。
従来の「臨床頭痛学」とは
http://taku1902.jp/sub534.pdf