専門医の論理的な矛盾・・片頭痛医療の”七不思議” | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 前回は、大手の出版社は、体制を批判するような、すなわち、学会を批判し、製薬メーカーのあり方・現実を指摘するようなことは禁句・タブーとされていると述べました。
 それでは、専門家の申されることがすべて「正当論」であり、私の主張は、”まやかし”であり、”公序良俗に反する”ということになります。
 現実に、果たして私の考え方は、”社会的に問題がある”のでしょうか。これを検証しないことには話にならないことであり、この判断は皆さんに委ねることにします。


 片頭痛医療の世界には、”七不思議”が存在します。


 片頭痛医療の”七不思議”


 これまで竹島多賀夫・中島健二先生らは「片頭痛の分子生物学」日本内科学会雑誌第90巻第4 号の中で以下のように述べておられます。


 これまで、片頭痛が”遺伝性疾患”であるという考えは古くからありました。症状が多様であること,確実な診断マーカーが無いため,あくまで症候学的な臨床診断に頼らざるを得ないこと,また,完全な動物モデルが無いことなどにより,片頭痛は科学的な解明が困難な疾患の ひとつとされてきました。


 片頭痛は一次性頭痛の代表的な頭痛とされ、すなわち「脳の中には異常のない」頭痛と定められてきました。

 これは、CTやMRIなどの脳の画像検査では、何も異常が見られないことを意味しています。
 にも関わらず、脳神経外科関係の頭痛研究者の方々は、脳の中に異常のある”脳腫瘍、クモ膜下出血、慢性硬膜下血腫”といった二次性頭痛のような頭痛のように”頭痛が起きる原因”が脳のどの部位から引き起こされるのかという観点から、慢性頭痛、とくに片頭痛という病気の”頭痛の原因”をひたすら探ろうとする姿勢(考え方)を崩されようとはされません。
 その典型例は、片頭痛のときに起こる脳の変化(閃輝暗点)が、PET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、脳の病気が画像として確認され、群発頭痛の発作時には、視床下部が異常に活性化する事がPET、MRIなどの新しい測定法で発見されたことから、頭痛持ちの頭痛といわれるもののなかに「頭痛そのものが”脳の病気”」であることがわかってきたとされています。
 このように本来、脳のなかに異常のないものと定義されたものでありながら、「頭痛そのものが”脳の病気”」といった奇妙奇天烈な説明をされます。
 このことは、慢性頭痛は「脳の中には異常がない」という、原点を見失っていると言わざるを得ません。


  片頭痛は、これまで長い間、脳を取りまく血管の病気、つまり「血管性頭痛」であると考えられてきました。
 しかし、片頭痛前兆の研究や片頭痛特効薬トリプタンの作用メカニ ズムなどから、現在では血管の疾患ではなく、大脳の深い部分にある間脳あるいは脳幹と呼ばれる器官の付近に「片頭痛発生器」があると考えられるようになってきています。
 つまり片頭痛は「中枢神経疾患」であると考えられています。
 そして、片頭痛は進行性疾患と、おまけがついてきました。
 また、将来、脳梗塞を引き起こす可能性も指摘される研究者もあります。

 

 そして、このような”思考過程の変遷”を「頭痛研究の最大の進歩」と専門家が考えていることを忘れてはならない点です。


 もし、これが、仮に正しいとした場合、「大脳の深い部分にある間脳あるいは脳幹」とい った生命維持に不可欠な部位に責任病巣がある「進行性の中枢性疾患」で、将来、脳梗塞まで 併発してくるとすれば、当然、片頭痛は”死に至る”病気であり、極めて危険な頭痛であると考えなくてはならなくなることになってしまいます。
  こうしたことから、一部の生命保険会社は、片頭痛の方々を保険に加入させないといった考えも生まれてきたことは、皆さんもご存じかと思います。
  しかし、これまで、片頭痛が原因で亡くなられた方々はおられるのでしょうか?
  百歩譲っても、片頭痛で亡くなられた方々が、いらっしゃれば、当然、死後、病理解剖がなされ、「神経病理学的所見」を基にして、病因の解明が進んでいき、片頭痛のすべてが 解明されているはずです。(これは、一般の病気で明らかにされていることです)
  現実に、「片頭痛の神経病理学的所見」は解明されたのでしょうか?


   ところが、片頭痛が直接死因となっていない方が、病理解剖をされ、ここで偶然発見された病理学的所見を針小棒大に考え、考察を繰り返されてきました。ここに大きな問題を生むことになっていました。


  ここが、まず、第一点目の、専門医の論理的な矛盾・”七不思議”です。


 このことは、専門家には、脳のなかに異常のない頭痛と”定義”される慢性頭痛とは、一体、何なのかという基本的な概念がないことを意味しています。
 このため、偶発所見を重要視し、支離滅裂な論理を展開せざるを得なくなっています。

 そして、片時も忘れてはならないことは、片頭痛は周期的な・発作的な頭痛であり、器質的な病変が存在しないという根本原則です。

 

 そして、神経内科医関係の研究者の考え方であります。


 冒頭でも述べましたように、片頭痛はあくまでも、”症状”の上で診断されます。
 ということは、血液検査とかの検査から診断が不可能であり、あくまでも「患者さんの訴える”頭痛”」の内容から診断せざるを得ないということを意味しています。
 このような患者さんの「頭痛という主観的な訴え」から頭痛を診断する場合の基準が必要となってきます。
  こういったことから、頭痛専門医は、「国際頭痛分類第3β版」を使うことになります。
  この基準での最大の問題点は、頭痛と「首」との関連についての考え方が極めて曖昧な点で、頭痛と「首」との関連をほとんど考慮されない考え方が生まれて、重大な論点を見失いました。


 とくに、「ムチウチ」に関する”取り決め”です。

 

 ここでは、「ムチウチ」受傷7日以内に、頭痛その他の症状が出現した場合だけが、「ムチウチと関連」したものとされています。

 しかし、皆さんの経験から、ムチウチを受けてから7日以内でなく、さらにもっと後になってから、頭痛をはじめとするいろいろな「体の不調」が出現してくることを思い出されると思います。
 こういった、国際基準では、頭痛と「首(頸椎)」との取り決めが極めて曖昧模糊として いることを認識することなく、「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」を、エビデンス を確立させることなく、闇雲に頭からエビデンスなしと、拒否反応を示されます。
  ここが、第2の、専門家の論理的矛盾・”七不思議”です。


 少なくとも、これまでも述べてきましたように、「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛の基本骨格ともなるもので、さらに脳過敏の原因、慢性頭痛の慢性化の原因にもなっています。
 

 片頭痛には、”実験モデル”が存在しないと、こういった方々は申されます。
 果たして、そうなのでしょうか? これは、「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」を、エビデンスを確立させることなく闇雲に頭からエビデンスなしと、拒否反応を示されることに原因があります。
 私は、ムチウチに伴う頭痛こそ、「慢性頭痛、とくに片頭痛」の”実験モデル”と思っています。
  このような、日常茶飯事に起きてくるムチウチによる頭痛を、無視する考えの根底には、 「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」がエビデンスなしとすることにあります。
  ムチウチによって引き起こされる頭痛のタイプは、緊張型頭痛が多いのですが、片頭痛であったり群発頭痛のようなタイプも当然存在します。
 ということは、「慢性頭痛」のどのタイプの頭痛も起きる可能性があること意味しています。ここに、慢性頭痛、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛の発生機序を探る鍵が隠されているということです。


  これまで東京脳神経センターの松井孝嘉先生が、永年「ムチウチ」の臨床研究を積み重ねられ、ムチウチ受傷後ストレートネックを形成してくることを明らかにされて来られました。
  ムチウチの方々の最も苦痛とされることは、天気の変わり目、低気圧が近づくと、体の不調を著明に訴える点です。この点は、片頭痛の方々も全く同様です。そして片頭痛の方々・ムチウチの方々には、共通して、高率にストレートネックを認めるという事実です。
  こうした事実が存在するにも関わらず、「国際頭痛分類第3β版」では、ムチウチ受傷 後7日以内のものしか、ムチウチとの関連性を認めないように定めています。
  しかし、現実には、ムチウチの症状は、ムチウチ受傷後7日以降のかなり時間が経過して出現してくることは日常茶飯事のことであるはずです。しかし、こうした方々はムチウチと関係ないとされるために、このような事実そのものが覆い隠されてしまっています。
 そして「慢性頭痛」の”実験モデル”を自ら放棄して、”実験モデル”が存在しないと嘆いているありさまです。自分で自分のくびを締めている状況が全く認識できていないようです。
  こうしたことは、頭を打って医療機関を受診された場合を思い出して下さい。こうした場合、殆どの医療機関では、頭部CTの画像検査のみを行い、そのまま異常がなければ放置されます。こうした方々が、後々、ムチウチと全く同様の症状で苦しまれる方々が極めて多いのです。
  ということは、首に全く関心がなく、頭を打撲すれば、当然のこととして頸部の筋肉群にもダメージが及んでいるはずです。こうした方々は、「体の歪み(ストレートネック)」を後に形成してきます。
  こういったことが全く念頭にないがために、片頭痛の慢性化の要因として医療介入困難なものとして”頭部外傷、頸椎外傷”を挙げていることからも、容易に想像がつくはずです。
  このように、いろいろな点がありますが、頭痛専門医が、絶対的に信じて疑わない「国際頭痛分類第3β版」です。
 これに反するものは、どのような真実があろうとも否定されることが、第2の論理的矛盾・”七不思議”です。
 私は、この点が、片頭痛医療の進展を阻む根源と思っておりますが、この点に何ら、何一つ疑問を持たれないことです。ここが永遠の謎としか思えない点です。


 本来、患者さんがあって、ここに頭痛診療があるべきなのに、まず、診断基準が先にあって、これに合わない・そぐわないものはことごとく否定するあり方は「臨床医としての資格・資質」が問われて然るべきなはずです。


 「国際頭痛分類第3β版」がすべてなのでしょうか? 実際の患者さんは、どうすればよいのでしょうか? ここには患者不在の学問でしかないようです。
 

 第3の”七不思議”は、遺伝の問題です。


 現在でも、頭痛専門医および患者団体は、片頭痛は”遺伝的疾患”であるという考え方は、改められなく続いています。
 果たして、片頭痛が”遺伝的疾患”と仮定した場合、すべての片頭痛は、幼少時から片頭痛 を発症していなければおかしいことになります。
 しかし、片頭痛の発症年齢は、女性では13 歳前後、男性の場合は20 歳前後とされるのが一般的な考え方のようですが、この点をどのように説明されるのでしょうか?
 これよりももっと遅く発症される方々も多いのではな いでしょうか?
  30 歳以降、さらに40 歳以降になって、初めて発症される方も多いようですが、このような方々は、突然変異とでも申されるのでしょうか? この点も論理的矛盾・”七不思議”の一つです。

 
 片頭痛の場合、生まれつき「ミトコンドリア働きの悪さ」という遺伝素因が存在し、これにはミトコンドリアDNAが関与し、このミトコンドリアDNAによって先祖代々”母親”から受け継がれていきます。


 母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、このミトコンドリアDNAが関与しています。 遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、この”ミトコンドリアDNA”が片頭痛の遺伝に関係しています。
 ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。
 ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子供へと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。


  女性は健常男性より 約52%「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 そのため、母親のミトコンドリアの数が少なく活性が低くければ、その子供にはその性質が引き継がれ易くなります。
  このために、女性に片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があります。


 そして、ミトコンドリアDNAは、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わることによって変化・悪化してきます。

 
 このようにして、ミトコンドリアの機能が低下してきて片頭痛を発症させます。


 母親から受け継がれたミトコンドリアDNAの働きの悪さは千差万別であり、極端に悪ければ、子供の時期から発症し、それほどでもなければ、発症時期が後方へとずれ込んでくることになり、遅ければ30歳を超えることもあるということです。


 第4の論理的矛盾・七不思議は、片頭痛が根治不能とされます。


 ところが、これまで多数の方々が、 自分で片頭痛を改善されておられる事実があるのも、これも”七不思議”のひとつです。このことは、つい最近でも指摘したことです。
  そしてネット上では、多くの「片頭痛改善マニュアル」が販売され、これを購入され、 実行されて改善された方々の”喜び”の声が多数寄せられている事実をどう考えるべきなのでしょうか? この点は、医師でもない”分際で”という”蔑み”しかないようです。
 こうした マニュアルを作成された方々は血の滲む思いで作成されたはずです。
 こうした方々の苦悩が全く理解されないために、頭痛研究者の方々は、未だに片頭痛の本質を明らかにできず、ましてや改善策などは程遠いということで、それだけ片手間に研究をされておられるのではないでしょうか?
 本来、研究者としての立場がどうなのか、ここも七不思議とする点です。
 もっと真剣に取り組むべきです。片頭痛で自分で苦悩される研究者でも出て来ないと無理であり、患者さんの本当の苦悩が理解できていないということなのでしょう。ここは全く理解に苦しむ点でもあります。
 

 第5の論理的矛盾・七不思議は、片頭痛の原因は不明とされます。


 にもかかわらず、神経内科医の研究者は、生活習慣を見直すための「セルフケア(自己管理法)」の具体策を掲げ、これらを完璧に実行されれば9割は改善に導かれるとされます。

 これらの各項目は、これまでの先達の業績を一つづつ積み重ねてきたものです。
 そして、これらを組み合わせ・組み立て、”総括”しさえすれば、片頭痛の発症様式は既に明らかになっていることと思われますが、なぜ、このような考えを明らかにされないのでしょうか?

 まさに、怠慢としか表現できません。
 といいますのは、平成25年に分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、こうした片頭痛の発症様式を明快に解き明かされました。

 ここには、何ら矛盾点はないはずです。
 私は、これまで神経内科医関係の重鎮とされる先生方にこれまで薫陶を受けて育って参りました。この中で”文献”を読み漁る重要性を徹底的に叩き込まれました。
 こうした作業を繰り返す中で、”あるものが見えてきました”が、その実態が掴めぬまま、悶々としていたところに、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考え方が突如として出現しました。
 こうした論点が存在する以上、これまで私を指導して頂いた先生方が、このような論点なく考えておられるとは毛頭考えさえできず、私に”教えなかった”と解釈しました。
 ということは、私を指導して頂いた先生方には、このような論点は当然のことと考えました。ということは、これまでの”業績”を組み立てることにより、当然の結論であったからでした。
 ただ、どうして、このような考え方を、公に示されないのかという疑問しかありませんでした。
  どうしてなのでしょうか? この点も、深い謎であり、七不思議とされる点です。
 

 片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」にあるとされます。


 現在、この「脳過敏」 の原因はただ一つ「片頭痛を適切な治療」を行わなかった結果が原因とされます。すなわち、片頭痛発作の都度、毎回、トリプタン製剤を服用しなかったためとされています。

 

 これ以外は、そのほとんどは、生まれつきのものとされます。

  
 これに対して、私は、以下のように述べてきました。

 

 ”片頭痛の素因のある方には(片頭 痛を発症する前の段階で)、生まれつき「ミトコンドリアの働きの悪さ」があります。
 ミトコンドリアの機能が低下した状態に、マグネシウム不足が加わることによって「脳過敏」が引き起こされてきます。
 さらに同時に引き起こされた、セロトニン神経系の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。これが「脳過敏」を起こしてくることになります。
 これら「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」、さらに、日常的な前屈みの生活を強いられることで、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてきます。そして、これを改善・是正させなければ、長期間これが持続することになり、これも「脳過敏」の原因になります。


  このように”3つ”が、「脳過敏」を形成してくることになります。


 これらは全て、ミトコンドリアの機能の低下に関連したものであり、”日常的に感じる極く軽度の頭痛を起こした要因”となったものが、改善・是正されぬままに継続・増悪して起きたものです。
 ということは、この”3つ”は、慢性頭痛とくに片頭痛発症に繋がっていく「柱」にもなっており、極めて重要な位置を占めています。


  これまで指摘される”不適切な治療”とされる、このような鎮痛薬の乱用による「脳過敏」は、この薬剤による「化学的ストレス」による「脳内セロトニン低下」と考えるべき病態です。しかし、「脳過敏」の原因はただ単一とされます。
 そして、この「脳過敏」を抑えるために抗てんかん薬であるデパケンの投与を行います。

 こうした抗てんかん薬で「脳過敏」が抑制されることは専門家でなくても単純に素人でも考えつくことです。しかし、 デパケンのミトコンドリアへの毒性を考慮すれば、このような単純なことで済まされないことは、さらに素人でも予測されることです。
 こうした「脳過敏症候群」の主張も、論理的矛盾・七不思議のひとつであります。これが6点めです。
 

 最後の7番目の七不思議は、「片頭痛の啓蒙活動」です。


 片頭痛を取り巻く関係諸団体は、いまだに「片頭痛の啓蒙」活動をされます。
 現代の日本人で、片頭痛を未だに知らない人間がいると思っておられるのでしょうか? 頭痛を訴えて来院される方々は、開口第一声 に申されることは、自分が片頭痛と自称されるほど有名な頭痛です。知らないひとを探すのに苦労するのではないでしょうか?
 こうした「片頭痛の啓蒙活動」される方々の本来の目的は「片頭痛には、”トリプタン製剤”を使いましょう」ということのようです。

 ”トリプタン製剤”の販売促進に協力される前に、なぜ、”トリプタン製剤”が売れなかったのかを反省すべきではないでしょうか?


 こうしたことを考える以前の問題として、一部の神経内科医の研究者には、片頭痛の本態を明らかにされておられるはずであり、こうした先生方にご教授願って、片頭痛をどのように発症しないようにするかという点に「片頭痛の啓蒙活動」の方針転換を図ってしかるべきはずです。

 どうしてこのような活動に変更されないのでしょうか?
 活動も、本末転倒しているのではないでしょうか? この点を認識しながらなぜ行わないのか、ここが最大の謎であり、七不思議のひとつです。


 

片頭痛医療の”七不思議”の真意はどこにあるのでしょうか?
 

先程は以下のように、七不思議を挙げました。
 

 1.片頭痛は中枢性疾患で、さらに進行性疾患である
 2.「国際頭痛分類第2版」がすべてである。・・これに反するものは容認しない
 3.片頭痛は”遺伝的疾患”である
 4.片頭痛が根治不能・・市販のマニュアルは容認できない
 5.生活習慣を見直すための「セルフケア」の真偽は?
 6.脳過敏症候群が正しい
 7.「片頭痛の啓蒙活動」の真意はどこにあるのか

 

 結局のところ、「国際頭痛分類第3β版」にしがみついて、その問題点を全く認識することなく、平然として「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなしと主張し、片頭痛は”遺伝的疾患”であり、一生治らないものであり、片頭痛発作が起きなくなるまでの今後40年間は、発作の都度”適正な治療として、「トリプタン製剤」を服用することによって、今後、「脳過敏症候群」や「脳梗塞」を予防していきましょうということが、「片頭痛啓蒙活動」の本質と考えるべきなのでしょう。
  こうした考え方から、これまで述べて参りましたような、片頭痛医療における”七不思議”を生み出した根源と思われます。
  このような論理は、すべて「トリプタン製薬メーカー」の論理にすぎないことは、読者の皆さんは当然理解されていると思います。
  こうした現実を全く理解されずに、安閑と診療・研究に打ち込んでおられるのが実情ではないでしょうか。
 とくに患者団体の方々は、心外と申されるでしょう。私たちは、このようなことには関与していないというのが、世の中の常です。
  こうした「トリプタン製薬メーカー」の恩恵に浴される方々は、極めて限られた方々であるが故に、どなたも認識されないのが、頭痛医療の世界なのです。
 

 こういった核心を突いた指摘は、船瀬俊介さんしかないと思われます。
 また、名古屋の寺本純先生は、現在の日本頭痛学会が作成した「慢性頭痛診療ガイドライン」作成に参画された慶応系の先生方と国立系の先生方との対立の構図が、学会のあり方を如実に示していると指摘されます。
  これとは離れて、トリプタン製剤の販売が厚生労働省から認可された後、最も人気のあった「セデスG(塩野義製薬)」さらに「カフェルゴット(サンド)」の販売が中止となり、片頭痛治療薬が「トリプタン製剤」一つに集約されてしまいました。このことは、ただ単に「採算ラインが合わず、収益に乏しい」とか「発ガン性」の問題だけではなかったと思われます。こうした点は、これまでも再三指摘させてもらったところです。
 

 以上、最初の論理的矛盾で述べましたように、専門家の論理的矛盾の原点は、慢性頭痛を脳のなかに異常のない頭痛と定めておきながら、自分からこの定義を覆したことにあります。

 ということは、慢性頭痛とは一体、何なのかを明確にしていないことに根本的な原因があります。このような海図・羅針盤にも等しい基本概念もなく、広大な荒海を航海してきたために、波間をただ彷徨うことしかできず、欧米の学者の科学的エビデンスに無条件に踏襲するしかなかったということでしかありません。
 このことは、頭痛領域に限ったことでなく、全医学領域についてもいえることです。


 皆さんは、こうした事実をどのように考え、どのように判断されるでしょうか。

 
 結局、専門家のように「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛研究の絶対的な基準とすることなく、以下のように、「慢性頭痛」を東洋医学でいう”未病”と考えていくべきと考えております。皆さんは、どのように思われるでしょうか??
 これが、果たして、公序良俗に反する考え方なのでしょうか。


  片頭痛とは、どんな頭痛でしょうか?

      http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12257208466.html

 

 

 しかし、前回も述べましたように、専門家は「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な”教義・教典”とされる方々です。この基準はトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成されたものであることから、私のような考え方では、片頭痛が根本的に治ってしまい、また片頭痛まで移行される方々も激減してしまいます。こうしたことから、製薬メーカーにとっては、あってはならないことであり、死活問題になってきます。

 ということは、製薬メーカーにとっては、まさに”公序良俗”に反するものとレッテルを張られることになります。

 こうしたことから、製薬メーカーと皆さんが、ともにハッピイになる考え方は、決して、生まれないことになっています。

 なかなか、すべてが満たされ、ハッピイにはならないということが理解して頂けたでしょうか?