片頭痛とミトコンドリア その5 マグネシウムの役割 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

「ミトコンドリアの働きの悪さ」に、マグネシウム不足が加わると・・


 片頭痛の方は生まれつきミトコンドリアの機能低下が存在します。ここにマグネシウムが不足すればどのようになるのでしょうか?


 マグネシウムイオンは細胞内小器官(ミトコンドリア)の膜構造ならびに細胞膜構造において膜の安定性を保つ役割をしています。
 細胞膜にはミネラルイオンが通過できる小さな「穴」があり、これを使って必要なミネラルを自在に出入りさせることで細胞内のミネラルイオン濃度の調整しています。ミトコンドリアには、細胞内のカルシウムイオン濃度を適正に調整する作用があります。
 マグネシウムイオンが不足すると細胞内小器官(ミトコンドリア)の”膜構造ならびに細胞膜構造”のイオンポンプの力が弱くなり、細胞内小器官であるミトコンドリア膜の透過性も亢進し、ミトコンドリア内に入り込んだカルシウムイオンは、ミトコンドリア外へ出ていけません。このために、カルシウムはミトコンドリア内に少しずつ蓄積してきます。ミトコンドリア内カルシウムイオンの増加が起こります。このようにして、ミトコンドリア内カルシウムイオン濃度を薄めるために細胞浮腫、つまり水ぶとりの状態になります。
  細胞内のカルシウムイオン濃度が異常に高くなり過ぎますと、ミトコンドリアの調整機能は破壊されてしまいます。その結果、調整機能が壊れたミトコンドリアは死滅してしまいます。
  ミトコンドリアのエネルギー産生やミトコンドリア自体の生死には、ミトコンドリア内のカルシウムイオン濃度が強く関係していて、カルシウムイオン濃度は片頭痛の発症にも非常に大きな原因となります。
  このようになった細胞に、適量のマグネシウムが供給されると、溜まっていたカルシウムイオンなどが排出され、それにつづき、水分も排出されますが、この水ぶとり状態も限度がありカルシウムイオンがある量を超えると、その細胞は不必要となり見捨てられます。そして、後にはカルシウムイオンなどで一杯になった固まりだけが残されます。これが石灰化した細胞のことです。結果的に、この細胞は死滅してしまいます。
 細胞内のマグネシウムが著しく不足すると、カルシウムイオンを細胞外に排出するカルシウムポンプの調整機能が働かなくなり、筋肉は収縮状態(緊張した状態)が続くことになります。片頭痛の前兆や、発症の引き金となる脳血管の収縮は、脳血管細胞内のカルシウム濃度の高まりによっても生じます。それはつまり、マグネシウム不足がもたらす結果でもあるのです。
 このようにして、マグネシウムイオンの低下はミトコンドリア内カルシウムイオンとナトリウムイオンの増加およびカリウムの喪失による細胞内でのカリウムイオンの低下を招きます。このようにして、細胞は興奮しやすくなります。 これが「脳過敏」を引き起こしてきます。このようにしてマグネシウムイオンの減少はミトコンドリアの代謝異常をきたして、神経細胞を興奮しやすくすることになります。これが『皮質拡延性抑制』を発生させることになります。
 これらは片頭痛の根本的原因として考えられているものです。


 片頭痛では、ミトコンドリア機能低下が生まれつき存在するために、ミトコンドリアはマグネシウムイオンの減少による影響をさらに受けやすくなることになります。マグネシウムイオンの低下は片頭痛発作の結果でなく発作の始まる前から存在しているのです。
 神経細胞の”興奮性の亢進”はマグネシウムイオンの減少の結果あるいはミトコンドリアの機能低下の結果として生じているものです。このようにして、「脳過敏」が形成されることになります。
 片頭痛とてんかんは密接な関係にあって,「片頭痛は本質的にてんかんの一種である」ことが強調されていますが、”脳の興奮性の亢進”は、上記のことを示すものです。
  そして、マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。

 


 マグネシウムと生活習慣病・・日本人の食生活はマグネシウム不足

 

 日本人の生活では、食生活の“半欧米化”によって、マグネシウムの摂取不足が慢性化しています。マグネシウムの不足は、2型糖尿病やメタボリックシンドロームなど生活習慣病の発症と密接な関係があります。
 東京慈恵会医科大学教授の横田邦信先生は、マグネシウムと生活習慣病の密接な関係について以下のように述べています。


 2型糖尿病の有病率は戦後激増し、現在もその傾向は衰えていません。なぜでしょう?
 それは、穀物(特にマグネシウムが豊富な大麦・雑穀など)の摂取量が激減した時点と、糖尿病が増え始めた時点が一致することが注目されます。糖尿病の発症要因は脂肪摂取量の増加と運動不足による肥満が定説となっています。
 多くの生活習慣病の病態の根底に、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い状態)という共通因子があります。何らかの原因で生じたインスリン抵抗性に対して、日本人はもともと農耕民族でインスリン分泌能が欧米人に比べて弱く、インスリン分泌の代償不全を起こし、容易に糖尿病を発症すると考えられます。


 日本人は慢性的なマグネシウムの摂取不足をきたしており、長期にわたるマグネシウムの不足が、2型糖尿病などの生活習慣病のリスクを上昇させているのでしょうか?


 インスリン抵抗性の共通因子の成因のひとつに、腹部肥満とは独立してマグネシウムの慢性的な摂取不足が大きく関わっていることが近年明らかにになっています。また、マグネシウム摂取不足は糖尿病発症とも深く関連していると考えられます。
 マグネシウム摂取量が少ない群からの糖尿病発症が有意に多いという報告や、マグネシウム摂取量が多いと糖尿病発症リスクが10~20%減るという報告があります。さらに、マグネシウム摂取量が多いと炎症性マーカ濃度(IL-6、高感度CRP)が低いことが報告され、動脈硬化との関連でも注目されています。


 原因としては、腹部肥満に基づくインスリン抵抗性の他に、慢性的なマグネシウム摂取不足によるインスリン抵抗性がありますが、特に、戦後、マグネシウムの慢性的摂取不足に陥っていることが大きく関わっているとみられます。これが日本人はあまり太っていなくても糖尿病になりやすいことを説明できる“マグネシウム仮説”なのです。


  マグネシウムは神経、筋肉の伝達にも関与しており、不足すると“こむら返り”が起きやすくなります。こむら返りは痛みを伴う筋肉の痙攣のことで、運動時に起こるほか、糖尿病や肥満の患者さんでみられます。血行障害や十分な栄養を補給できなていないことが原因である場合には、マグネシウムを補充すると有効なことが知られています。

 
マグネシウムは糖尿病などの生活習慣病を予防する


 マグネシウムは、体内の善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増加させます。
 日常的にマグネシウムの摂取量が不足すると脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンの分泌量が低下します。
 アディポネクチンの不足は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)を招きます。
 また、インスリンの機能が低下し、糖質と脂質の代謝が悪くなるため血糖値が上昇することで2型糖尿病や動脈硬化や虚血性心疾患などの生活習慣病の発症リスクを上昇させることが研究により解明されています。


インスリンの作用を応援する必須主要ミネラル「マグネシウムMg」


 マグネシウムMgは、体中のインスリンの作用を応援する役割を持っています。
 つまりインスリンの感受性を正常に保つように働きます。
 ここで、糖の代謝について少し説明します。
 人が食物を摂取すると腸からエネルギー源であるブドウ糖が吸収され、ブドウ糖は血液中に入ります。インスリンが細胞に働きかけてブドウ糖が細胞に取り込まれると、血液中のブドウ糖濃度が低くなります。
 マグネシウムMgは、細胞がブドウ糖を取り込む際の酵素チロシンキナーゼの働きをよくします。インスリンが細胞に働きかけ、ブドウ糖が細胞に入りやすくなります。その結果、血糖値が下がります。


 また、細胞は常にカリウムやカルシウム、ナトリウムを出し入れしていますが、マグネシウムMgは、出し入れするポンプの働きをなめらかにする作用があります。このポンプが活発になるとエネルギーが消費されるので、ブドウ糖の消費にもつながります。


 マグネシウムMgは細胞レベルの運動を活発にしてくれるのです。


 マグネシウムMgは血管の働きにも作用しています。
 マグネシウムMgが不足すると血管が収縮してしまい、血圧が上がるのです。マグネシウムMg不足は交感神経の緊張状態を作るので、神経という面からも高血圧につながってしまいます。
 また血液成分の柔軟性にも影響します。サラサラな血液の大切さは皆さん知っているとおりです。
 糖尿病予備群の人にもマグネシウムMgは効果があります。
 むしろ予備群とされる人のほうがマグネシウムMgのメリットが出やすい傾向があります。今から積極的に摂ってもらいたいものです。

 


私達の生活環境は、マグネシウムが不足しやすい状況にあります。
 
 
 日本人には慢性的にマグネシウムが不足しています。その原因は、昔と比べ欧米化した食生活にあります。
 厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査」によると、マグネシウムの平均摂取量は20歳以上の男性では264mg、20歳以上女性では234mgです。
 食品からの摂取量だけで男性では100mg前後、女性では50mg前後のマグネシウムが毎日不足していると推定されます。


 日本人のマグネシウム不足の原因として「食生活の“欧米化”」と「精製塩の過剰摂取」を挙げられています。粗塩にはマグネシウムをはじめとするミネラルが多く含まれます。
 また、塩分の過剰摂取により、体内からのマグネシウムの排泄が増えると、マグネシウムは不足気味になります。その他、マグネシウムはストレスが加わると尿中にたくさん排泄され、さらに不足傾向になります。ストレスにさらされる現代人は、マグネシウムが不足しやすい生活になっているのです。


それでは、これ以外の、マグネシウム不足の原因は何でしょうか? 


 次のような身の回りの生活環境は、容易にマグネシウム不足を起こしてきます。


・ストレス


 ストレス対応ホルモンがマグネシウムの排泄を促してしまいます。


・アルコールの飲み過ぎ

 

 アルコールの多飲により 尿中にマグネシウムを排泄する量が増加します


・毎日の牛乳摂取


 カルシウムばかりが多い牛乳を いつも飲むことで 2:1が望ましいカルシウム:マグネシウムのバランスが狂い、マグネシウムの相対的欠乏を招いてしまいます。


・激しい運動や暑すぎる環境


 マグネシウムは 汗とともに大量に排泄されます。


・食材のマグネシウム含有量が低い


 日本の土壌は火山灰土でミネラルが少ないため その土壌で育った作物はあまりミネラルを含まないのです。
 さらに農薬の使用で土壌が枯れ 以前より含有率は低下していると言われています。


・白米小麦粉など精製食品の摂取


 精製過程でミネラル分がそぎ落とされてしまっています。


・白砂糖の摂取


 消化分解にマグネシウムが大量に消費されます。


・加工品や清涼飲料水の摂取


 これらに多く含まれるリンによりマグネシウムの吸収が妨げられます。


・食品添加物や農薬等の摂取


 有害物質を解毒するために肝臓でマグネシウムを消費します。


・エストロゲン過剰(環境ホルモン含む)


 本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下します。
 肉・牛乳・乳製品、これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
 例えば乳牛は、早くから、そして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があります。日本では規制も表示義務もないですが)
 アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害する、と裁判が起こり、区別してはいけないようになっています。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが、乳腺炎を起こしやすくなります。その乳腺炎防ぐために、抗生剤も投与されているのです。
 肉牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されているようです。(EUでは一切禁止されていますが・・)
 ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳・乳製品から取っているかもしれない、なんて、普通は気付きませんので注意が必要です。


・食の欧米化


 洋食より和食の方がマグネシウムを多く含む献立ですが、食の欧米化によりマグネシウムの摂取量は低下しています。


・生理時には・・


 特に更年期以前の女性は、月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理中は脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。


・ドカ喰い、早飯・・インスリン過剰分泌


  ドカ喰い、早飯はインスリンの過剰分泌を来します。
 インスリンはブドウ糖とともにリンを細胞内に移動させる作用がありますが、暴飲暴食などによってインスリンの過剰分泌を起こすと、必要以上に細胞内にリンが取り込まれて血液中のリン濃度が低下し、低リン血症を起こします。 低リン血症になるとマグネシウムは腎臓から尿とともに多く排泄されます。このように、インスリンの過剰分泌もマグネシウム不足を起こす原因となります。


  などなど。。。


細胞内のカルシウムイオン濃度の異常


 細胞の代謝には、細胞内外に存在するカルシウムやナトリウム、カリウムやマグネシウムといったミネラルイオンが大きくかかわっています。
 皆さんは高血圧の治療薬として用いられる「カルシウム拮抗薬」というのをご存知でしょうか? 細胞膜にはミネラルイオンが通過できる小さな「穴」があり、透過できるイオンの種類によって、「ナトリウムチャネル」とか「カルシウムチャネル」といった名がつけられています。これを使って必要なミネラルを自在に出入りさせることで細胞内のミネラルイオン濃度の調整をするのです。カルシウム措抗薬にはカルシウムチャネルをふさぐ働きがあり、カルシウムイオンが細胞内へ流入するのを防ぎます。
 ミトコンドリアには、細胞内のカルシウムイオン濃度を適正に調整する作用があります。
 ところが、細胞内のカルシウムイオン濃度が異常に高くなり過ぎると、ミトコンドリアの調整機能は破壊されてしまいます。調整機能が壊れたミトコンドリアは死滅してしまうのです。
 このように、ミトコンドリアのエネルギー産生やミトコンドリア自体の生死には細胞内のカルシウムイオン濃度が強くかかわっており、カルシウムイオン濃度は片頭痛の発症にも非常に大きな原因となります。


マグネシウムとカルシウムの関係


 カルシウムには筋肉を「収縮させる」作用があります。マグネシウムは筋肉細胞内のカルシウムをポンプで汲み出すように排出することから、収縮した筋肉を「緩める」作用があります。カルシウムとマグネシウムは、このように常に相反的に作用し、通常はカルシウムイオン濃度が適正に維持されています。
 しかし、細胞内のマグネシウムが著しく不足すると、カルシウムイオンを細胞外に排出するカルシウムポンプの調整機能が働かなくなり、筋肉は収縮状態(緊張した状態)が続くことになります。その結果、こむら返りを起こしたり、瞼がピクピクと痙學したりするなどの症状があらわれます。
 さらにマグネシウムの不足が進むと、筋肉細胞内のカルシウム濃度が高くなり過ぎて筋肉の伸縮ができなくなります。もしそれが心臓で起きれば、心臓の機能停止(死)といった重篤な状態に陥ることになるわけです。
 片頭痛の前兆や、発症の引き金となる脳血管の収縮は、脳血管細胞内のカルシウム濃度の高まりによっても生じます。それはつまり、マグネシウム不足がもたらす結果でもあるのです。


 マグネシウム不足の原因は先程も述べました。その原因としては、利尿剤などの薬剤の服薬、食事からのマグネシウム摂取量不足、胃腸の吸収障害(下痢など)があり、そのほかにも多くの生活習慣に原因があります。
 たとえば、インスリンはブドウ糖とともにリンを細胞内に移動させる作用がありますが、暴飲暴食などによってインスリンの過剰分泌を起こすと、必要以上に細胞内にリンが取り込まれて血液中のリン濃度が低下し、低リン血症を起こします。低リン血症になるとマグネシウムは腎臓から尿とともに多く排泄されます。このように、インスリンの過剰分泌もマグネシウム不足を起こす原因となります。
 また、マグネシウムは「抗ストレスミネラル」と呼ばれるように、ストレスが多いときほど多く消費されます。片頭痛の人は精神的ストレスを受けやすく、ほとんどの人がマグネシウム不足であるといっても過言ではないと思います。
 その他、激しい運動、過労、過食など、マグネシウムを消耗する要因は、現代の生活環境の中に満ちあふれているのです。


肉・牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎの弊害


 私たちの健康にとって、カルシウムは非常に重要なミネラルです。しかし一方でカルシウムのとり過ぎが「マグネシウム不足を引き起こす」ということはあまり知られていません。特に食が細い(小食)にもかかわらず、肉類や乳・乳製品が好きという人は要注意です。
 牛乳は、カルシウムを多く含む食品としてよく知られています。でも、牛乳をとり過ぎると、カルシウムは腸から充分に吸収されることなく、そのほとんどが糞便とともに排泄されてしまいます。このとき、カルシウムだけではなく、体に必要なマグネシウムなどのミネラルや栄養素も一緒に引き連れて排泄されてしまうのです。
 では、もし牛乳に含まれるカルシウムを充分に吸収したとするとどうなるか? 血液中のカルシウム濃度が急激に高まります。これがまたよくないのです。
 体にはホメオスターシス(恒常性維持機能)という、バランスをとって正常値に近づけようとする働きがありますから、余分なカルシウムは尿としてただちに排泄されることになります。この排泄にともない、マグネシウムや亜鉛などのミネラル、他の栄養素がやはり失われることになるのです。
 このように、牛乳の吸収率がよいにしろ悪いにしろ、カルシウムを多く含む牛乳や乳製品をとり過ぎることは、結果的にマグネシウムをはじめとする必要なミネラルを失うことになります。実際、牛乳や乳製品など、カルシウム分か特に多い食品のとり過ぎによってマグネシウム不足になるケースは多いのです。
 ちなみに、カルシウムとマグネシウムの摂取比は「2一1」が適切と考えられていますが、牛乳そのもののカルシウムとマグネシウムの比は「10 一1」程度と、カルシウムの比率が高くてアンバランスです。それから代表的な乳製品であるチーズに含まれるカルシウムとマグネシウムの比は、ナチュラルチーズで「20 一1」程度、プロセスチーズ「30 一1」と、もっとバランスが悪くなっています。マグネシウム不足はミトコンドリアの働きを悪くさせますので、牛乳や乳製品のとり過ぎには充分に気をつけましょう。
 また、肉・牛乳・乳製品、これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性があり、本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下します。
 またタンパク質を多量に摂ると(肉食)、解毒の働きをする肝臓と、排泄を担う腎臓に、大きな負担をかけることになります。尿素が増えてくると、それを尿として流し出すために、体は多くの水分を必要とします。そして尿と一緒に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も排泄されてしまうことになります。こういったことから、マグネシウム不足を引き起こすことになり、マグネシウム不足はミトコンドリの働きを悪くさせます。
 高脂肪・高タンパク質食品に偏った食生活を続けると、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が増加することになり、ミトコンドリアの働きを悪化させます。
 肉類や乳・乳製品といっだ動物性タンパク質”たっぷりの食事は、腸内環境を悪くします。腸内の悪玉菌の大好物は、肉などたんぱく質や脂肪を多く含む食品です。
 悪玉菌はたんぱく質やアミノ酸を分解し、有害物質を作り出し、このためミトコンドリアの働きを悪化させることになります。
 牛乳の飲み過ぎは、過剰なカルシウムが排泄されるのと同時に、マグネシウム・亜鉛・鉄などのミネラルや、他の栄養素も失われてしまいます。その結果、さらにミネラル不足が進むことになります。
 砂糖のような「空のカロリー食品」の多い食事には必須栄養素が不足していますから、カロリーだけは満たされても必須栄養素は欠乏するという事態が生じます。結局エネルギー代謝が円滑に進まず、ミトコンドリアの働きを悪くさせます。
 ミトコンドリアは「生命のエネルギー工場」と呼ばれ、エネルギーを産生する重要な場所です。ミトコンドリアの働きの悪さは、新陳代謝やエネルギー代謝など代謝の低下を意味します。
 このエネルギー代謝を円滑に行うためには、食生活でとくに栄養素・ビタミン・ミネラルを過不足なくバランスよく摂取することが大切になります。
 偏った食事は、ミトコンドリアの働きを悪化させ、新陳代謝やエネルギー代謝が円滑に行われなくなります。
 こうしたことから、食生活が極めて重要な鍵を握っています。
 以上のように、食生活でとくに栄養素・ビタミン・ミネラルを過不足なくバランスよく摂取することが大切になります。


日頃からどのように配慮すればよいのでしょうか


  マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。
 そして、私達の生活環境は、マグネシウムが不足しやすい環境にあり、いろいろな要因で、マグネシウム不足が引き起こされるため、とくに片頭痛の遺伝素因がある場合は、マグネシウム不足に常に配慮しなくてはなりません。


 通常、食事で摂取されたマグネシウムの20~50%が小腸で吸収され、残りは便として排泄されてしまいます。マグネシウムは細胞の中に蓄えられ、血液中には微量です。
 一度にたくさんのマグネシウムをとっても、血中のマグネシウム濃度は上がりませんし、細胞内のマグネシウム不足が解消されることもありません。恒常的に充分な量をとる食生活をし、マグネシウム不足を徐々に改善していくことが必要です。
 マグネシウムを一度に多くとり過ぎると下痢の症状があらわれます。しかし、他のミネラル分と比較すると、食事ごとの摂取可能量の見極めは容易であり、片頭痛の人は下痢を起こさない範囲内で、できれば1日に200~400ミリグラムのマグネシウムを追加的にとるようにすることが勧められます。(マグネシウム液による)。
 ちなみに、マグネシウム不足になると瞼がピクピクする、足がつるといった症状が出ます。こんなときは200ミリグラム程度のマグネシウムをとると、翌日にはほとんど改善されます。


 こうしたことから、常日頃、マグネシウムの補充を考えなくてはなりません。 そのためには、基本的には食事から摂取することです。


マグネシウムの補充はどのように・・


 欧米化した食事では、マグネシウム不足が懸念され、基本的には和食が勧められ、食事から摂取するのが原則です。


●マグネシウムを多く含む食品


  玄米によるご飯  100g 48mg
  白米によるご飯  100g  40mg
  米、麦こうじ味噌 100g  80mg
  豆こうじ味噌   100g 130mg
  アーモンド    30g 87mg
  カシューナッツ  30g 72mg
  国産大豆        30g 66mg
  落花生          30g 60mg
  干しひじき   10g 54mg
  納豆1パック   100g 100mg
  かき       70g 50mg
  ほうれん草    70g 50mg
  いんげん豆   30g 45mg
  かつお     100g 40mg
  あおのり    3g 40mg
  あずき     30g 36mg
  とうもろこし  1本120g 35mg
  枝豆      50g 35mg
  バナナ     100g 34mg


 食品から摂取するのが一番ですが、より確実に補充していく場合は「マグネシウム原液」を作成され、これで必要量を補充する方法があります。


サプリメントを飲んでもマグネシウム不足は解消されません


 マグネシウム不足を解消するのが目的ならば、市販のサプリメントでマグネシムを補えばよいのでは??と思われる方が多いかと思うのですが、残念ながらサプリメントではマグネシウム不足を解消するのは難しいのです。
 なぜならばマグネシウムは大量の水で希釈しないと吸収されないからです。 サプリメントでマグネシウム不足を解消しようと思ったら2リットルくらいの水と一緒に飲まないと効果はありません。サプリメントを2リットルの水で飲むなんてとても現実的ではありません。そこで確実&簡単にマグネシウムを摂取する手段として、この「マグネシウム水溶液」が考案されました。多くの方々はサプリメントで代用されようとされますが、全く効果はありません。
 

 ここで、マグネシウムの役割をまとめておきます。


マグネシウムの役割  


1.緊張状態から解放してくれます


 筋肉の動きは、筋肉細胞内のカルシウム量の増減で決まります。カルシウムの量が増えると筋肉が緊張(収縮)し、カルシウムの量が減ると筋肉が弛緩します。
 じつは、カルシウムの量を減らすときにマグネシウムが使われています。イメージでいいますと、細胞にカルシウムを出し入れするポンプがあって、マグネシウムはこのポンプがカルシウムを汲み出すときに欠かせないのです。
 ですから、マグネシウムが不足すると筋肉が収縮した状態を解消できなくなります。神経も過敏になるために痛みも感じやすくなります。
 マグネシウムは「抗ストレスミネラル」と呼ばれ、ストレスによって激しく消費されてしまいますので、イライラ感が増したり、怒りつぽくなったりもします。こうした状況が長く続き、もしも心臓で激しい緊張状態が起こったら……心臓は麻痺を起こしてその動きを止めてしまうことになるわけです。これが突然死です。
 寝ているあいだに足がつる、まぶたがピクピクとけいれんするといった症状も、筋肉が緊張した状態が続くために起こります。こういう症状があらわれやすい人はマグネシウム不足です。
 また、片頭痛の前兆として「肩がこる」という人もたくさんいますがこれも同様です。心当たりのある方は、すくに「マグネシウム液」を水に溶かしたものを飲んでみてください。ちょつと多めに4~5ccほど。効果はバツグンです!
 マグネシウムの不足によって緊張型頭痛を起こすという研究報告もあり、不足したマグネシウムを補うことで頭痛を改善に導いてくれます。
 マグネシウムが役に立つのは、肩こりなど筋肉の緊張から来る緊張型頭痛です。マグネシウムは、筋肉の緊張を解いてくれます。また血管の筋肉をリラックスさせることで血流が増え、血行が良くなるからです。
 マグネシウムを大量摂取することで血液の循環がよくなり、また筋肉の収縮も抑えるので、緊張型頭痛にも効果があります。


2.こんなに大事なのに・・・ !?


 ところで、マグネシウムつてあまり“健康ネタ”には登場しない成分だと思いませんか? というのも、マグネシウムは比較的簡単にとれるものだと思われてきたからです。
 しかし、実際はそう簡単ではありません。ストレスに弱い女性のほとんどが、じつはマグネシウム不足です。たぶんその原因の1つには、カルシウムが多くてマグネシウムが少ない「乳・乳製品」(ケーキ含む!)のとり過ぎがあると思います。女性はみんな大好きですから。
 乳・乳製品には、カルシウムが多く含まれています。あなたも小さい頃、「丈夫な骨や歯をつくるために牛乳を飲もう!」といわれたでしょう。でも実際のところ、カルシウムをたくさんとってもほとんどが吸収されずに排泄されてしまうし、それだけならまだしも、マグネシウムなどほかの大事なミネラルを道づれにしてしまいます。「小食だけど乳製品は死ぬほど好き!」という女性は、超ヤバイかも知れません!?
 カルシウムとマグネシウムの摂取バランスは、カルシウム「2」に対してマグネシウム「1」が理想的だといわれてます。それが牛乳だと《10: 1》、チーズにいたっては《20~30:1》というバランスの悪さです。
 サプリメント(錠剤)でとるから大丈夫と思っても、ほとんど吸収されないので無意味です。マグネシウムは”薄くして飲む”のがいちばんいい方法です。毎日コツコツつづけて、マグネシウム不足を起こさないようにするしかありません!
  マグネシウムは生命活動に必要な”代謝”の原動力となる、300種類の「酵素」のサポーターでもあります。


3.「むくみ」との関連


 マグネシウムが不足すると、筋肉などの細胞中のカルシウム濃度が高まり、細胞が“緊張状態”になります。この状態が続くと、血圧が上がったり、筋肉が動かなくなったり、細胞内のミトコンドリア(エネルギーをつくる)が死んでしまったりと、かなり“マズイ状況”になります。
 そのため、カラダを守ろうとする仕組みが働いて、細胞内に水分を取り込み、カルシウム濃度を下げようとするのです。これがいわゆる「水ふくれ(水太り)」の状態です。
 このとき、マグネシウムが適正に補給されれば、細胞から余分な水分が排出されて正常な状態に戻ります。
 健康ジュースやマグネシウム液による補充を始めると、一時的に尿の量が増えることがあるのですが、これは細胞内の余分な水分をとり除いてくれるからです。水分が減る分、体重も減少します。
 さらに、寝起きの顔がむくんでしまうのは、寝ているあいた、筋肉をほとんど使わないことが原因です。
 動脈の血液は、心臓のポンプにより全身に行き渡ります。反対に静脈の血液の“戻り”は(リンパの戻りも)、筋肉の働き、特にインナーマッスルの働きに左右されます。夜、寝ているあいだは筋肉が活動しないので、末端組織はもろにその影響を受けて戻りが悪くなるのです。ところが、朝起きて筋肉を使い始めると、末端組織にたまっている水分も抜けていき、まぶたのはれも次第に引いてくるというわけです。


4.生理との関連


 生理前になると子宮の筋肉が収縮し始めますが、その原因はカルシウムの濃度が増えることが挙げられます。カルシウムは筋肉を収縮させる性質がありますが、自律神経の乱れにより、細胞からカルシウムが流れ出し、子宮の筋肉を過剰に収縮させてしまいます。
 そこでその収縮を抑えてくれるのがマグネシウムです。マグネシウムは筋肉を緩和させてくれますが、生理前になると筋肉の収縮を和らげようとどんどんマグネシウムが使われ不足状態になってしまいます。


 このように、片頭痛治療上、マグネシウムは極めて重要になっています。

 これまでも、同様に、以下の記事で記載してきたことです。繰り返しです。


    食事の摂り方と健康 その10 マグネシウム
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12282792995.html

   

    マグネシウムの重要性・・認知症予防上
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12276297524.html