頑固な疲れの原因「物質F」 | 横山歯科医院

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[世紀の大発見!頑固な疲れの原因「物質F」]

(NHK  ためしてガッテン2009年11月4日放送)


過労死の申請は年間およそ300人。
6ヶ月以上続く長期的な疲労感を3,000万人が訴える“疲労大国”日本。

疲れた皆さんを救う方法はないのでしょうか。
と、思ったら、今年、国際的な学会で「疲労の原因物質」が発見されたという
衝撃の発表が!

そこで、最新の発表を元に、疲労の正体を徹底追求!
日頃あなたがやっている対策は効果が期待できるのかも大公開します!



<なぜか突然疲れが解消!のナゾ>
番組では、20~30代の被験者にとことん疲れてもらう実験を行いました。
課題は、疲労(ひろう)にかけて『クリを拾う(ひろう)』
AとBの2チームに分け、2時間クリ拾いを続けてもらいました。
両チームとも環境やペースなどの条件は同じ。

ところが・・・・あることをきっかけにAチームの人たちが、「疲れがなく
なった!」と言い始めました。

そのあることとは・・・終わってから食べられる「ステーキ」と「ビール」の
絵を見せたんです。
しかも、頑張れば量が増えると伝えました。

このように、「ごほうび」「周囲からの期待」「達成感」などによって、
疲れの度合いはいとも簡単に変化します。

「疲れ」ってあいまいでとらえどころがないものですよね。
そもそも「疲れ」って何なのでしょう



<ウイルスと疲労の意外な関係>
とらえどころのない疲労を数値化することは
できないのでしょうか。
主観的な感覚ではなく客観的な指標で測定しようという研究が進められて
います。

番組でご紹介したのは、HHV6というウイルス。
ヒトヘルペスウイルスの略で、赤ちゃんの突発性発疹を起こすウイルスです。

乳幼児期に感染した後は、私たちの体の中に潜伏していますが、疲労が蓄積
すると、このウイルスが、唾液の中に増えることが最新の研究でわかって
きました。
HHV6は、体にたまった疲労の原因物質を敏感に感知します。
寄生した人間の危機を察知し、他の人間に乗り移るために唾液に出てくると
いうわけです。

2~3年後には、唾液中のウイルスの量で、体に蓄積した疲労を簡単に測定
できるようになるということです。



<「FF」の発見でわかった超意外な事実>
今年、国際的な学会で「疲労の主な原因」が判明したという衝撃的な発表が
行われました。
疲労の原因と考えられる物質が見つかったというのです。
それはFFと名付けられたタンパク質。

HHV6が感知するのもこのFFです。

FFが作られると脳に疲労の信号が送られ、脳で疲れを感じます。
またFFは、大量に作られると細胞の機能自体も低下させてしまいます。
FFが作られることが疲労の正体だというわけです。
FFは、運動による肉体的な疲労とデスクワークなどの精神的な疲労の両方の
度合いを測定することができるので、疲労の研究の切り札になると期待が
高まっています。

そこで、先ほどのクリ拾い実験のAチームとBチームのFFの量を測定してみると・・・

「疲れがなくなった」と答えたAチームの人たちの方が、BチームよりもFFの
値が増えていたんです。
つまり、「疲れがなくなった」と言ったのは、「疲労感」がなくなった
だけで、「疲労」そのものは、なくなっていなかったのです。
このように「疲労」と「疲労感」には大きなギャップが生じることがあるの
です。

報酬や達成感によって、疲労感が少なくなる現象を専門用語で、「疲労感が
マスクされる」といいます。
疲労感をマスクし続けて働き続ければ、疲労はたまる一方。

「疲労」そのものを回復させなければ、本当の疲労回復とは言えないのです。



<疲労回復の効果は?>
皆さんが行っている疲労回復術の効果をFF測定によって検証しました。

体にたまった疲労を回復させるのに最も効果的なものは睡眠。
体を休めることでFFの量は下がります。
普段睡眠時間が取れない忙しい皆さんのために、番組では、まとめ寝の効果を
検証しました。

いつも短時間しか睡眠をとっていない被験者が、週末にいつもの倍以上
眠ると、FFの値が大きく下がり、体にたまった疲労を回復させることが
わかりました。

ただし、まとめ寝は体内時計を狂わせ、リズムを乱してしまうという悪影響も
あります。
普段十分な睡眠時間を確保できない方への緊急措置としてまとめ寝をご紹介
しました。


また、血行を良くするとFFは下がると考えられています。
体操をしたりお風呂に入ると血行が良くなります。
しかし、それ以上に運動による負荷や風呂の熱による刺激がかかるとFFの値は
増えてしまいます。

もっとも、お風呂に入るとその後よく眠れるということであれば、結果として
疲労回復につながります。
その後も仕事を続けなければならない状況では、逆効果になってしまうことが
あるのです。

ストレッチや入浴は、全身の疲労を増やしたとしても、血行をよくすることに
よって筋肉自体の疲労回復には効果があると考えられています。


また、専門家による9年にわたるプロジェクトによって、疲労回復効果のある
食品もわかってきました。
FFを下げる効果がわかっているのが「イミダゾールジペプチド」という成分。
とりのむね肉に多く含まれています。
1日50グラム、加熱調理もOKです。

クエン酸にも疲労回復効果があると言われていますが、FFを下げるかどうかに
ついては研究中です。