限界などない。
あるのは限界を口にしている自分だけだ。
ありもしない限界にこだわるな。
私に言わせれば「限界」なんて言葉はこの世にはない。
「限界」というから限界が出来るのだ。
/ アントニオ猪木
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これまでのあらすじ。
「YOU、CG芸能事務所作っちゃいなよ」
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では意味が分からない人は、これまでの関連日記を。
CGクリエイターの未来
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10580165431.html
CGクリエイターの王国
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10585953895.html
CGクリエイターの利権
http://ameblo.jp/yokota6/entry-10590210367.html
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前回の日記以降、過去のCGアイドルの情報をいろいろいただきました。
伊達杏子 DK96(ホリプロに所属するバーチャルアイドルタレント)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%81%94%E6%9D%8F%E5%AD%90
テライユキ(Shade出身のバーチャルアイドル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A6%E3%82%AD
シモーヌ(CG女優の映画※実際は人間です)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%8C
あとはDの食卓のヒロインを飯野賢治が女優化しようとしたり、マックスがヘッドルームに居たりとか(古い)。
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CG界では「美少女CG」が流行った時代もありましたな。
まさに"この世のもの"とは思えない!!「CGアイドル」の魅力に迫る!
http://media.excite.co.jp/News/weekly/040713/topics.html
今でもコンテンツとして存続している場所もあるっぽいですが。
バーチャルラブリーモバイル
http://vlmobile.net/pc/index.php
えーと、まあ、これはおいとこう。
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ということで、CGアイドルはこれまでも「一時的には流行るんですが、その後が続かない」という状態を繰り返してきたわけです。
ツッコミをして下さった皆さん同様に、ちょっと手を出してみたホリプロも「こりゃダメだ」というキモチで。
と、CGアイドル界がそんなダウナーな気分になってる間に、アニメキャラがCG化されたり、アバター的な映画がバンバン出てきちゃったりして。
そうやって徐々にCGキャラが他のコンテンツに浸透していき、将来はCG俳優はもっとスタンダードな商品になります(断定)。その時に、生み出した栄誉は誰の手に入るのか?
このまま放っておけばTVや映画、アニメ、ゲームなんかの監督がCGスタジオ作って「はっはっはー俺の作った女優は(以下略)」みたいな話になるわけです。
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じゃあその名声をCGクリエイターが手にするにはどうすればいいのか?
新垣結衣可愛いなー(←今テレビでCMに出ていた)
失礼。で、何でしたっけ?
ああそうそう。CG俳優を作った名声をCG制作者が手に入れる方法。
まずですね、CGアイドルなんてすぐに消費されちゃうわけです。渾身のCGアイドルを生み出しても、飽きられたらポイ。
だから普通のアイドル事務所同様に新しいアイドルを次々にリリースさせる必要があります。
その為には何をすべきか。
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最初はCG会社さんが10社くらい集まって「基本人体モデル/モーション」のフォーマットを作ります。このデータには上位から下位まで相互に互換性を持たせておきます。
たとえば、表情までボーンで動かしているシェーダーが何枚も重なった最上位のモデルのダンスと、1000ポリゴンくらいのテクスチャーのみのローモデルのダンスがあったとして、そのモデルとダンスを相互に交換出来るようなフォーマットです。まあ、いろいろ課題はあるんですが出来るかと。
次にその「基本人体フォーマット」はサンプルデータと併せて一般公開します。
エディタは市販のものが使える訳ですし、モデルやモーションのレベルは上位から下位まで用意されているので素人さんもガンガン作る事が出来ます。
そしてこの「基本人体フォーマット」で作られたデータには「買い取りは不可能」という規約を盛り込みます。人間の俳優と同じで「お金を払えば一時的に使えるけど、買い取って永遠には使えない」とすると。
また、二次改変は可能ですが、三次改変は不可能なフォーマットにします。
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次にCG会社10社が頑張っていくつかのデータを提供します。改変可能で、流用しやすい、そんなデータを。ここで欲目を出して利益を得ようとしちゃダメー。
そうこうしているウチに同人界では相互に利用出来るモデルとモーションが増加していきます。何せ二次改変が可能ですから、3Dのキャラクターを作る時は「基本人体フォーマット」を使う、という事が常識になっていきます。
もちろん、ゼロから作るユーザーも出てくるでしょう。そういう「一次モデル」を作れる人は作家として認められ始めます。
音楽を作る人は「一次モデル」を利用して映像で踊らせたり、ラブプラスみたいなゲームを作るプログラマーや、エロ動画を作る作家さんが出てくる訳です。
作る側は使用料を得る事が出来ますし、使う側は苦手なモデルを作る手間を省く事が出来る。
一方で、TVや映画やゲームなんかの旧来のビジネスモデルに引っ張られているキャラクター達は外部にリリースする事が出来ません。買い取り方式の場合「基本人体フォーマット」は利用出来ませんから、各CG制作会社さんは毎回全部作る必要がある訳です。
しかも、そうしたコストをかけても人気キャラを生み出せるかどうか判らない。それだったら既にヒットしている「一次モデル」の使用料を払ってゲームやテレビに出て貰った方がマシ……そう考える業界人が出てくる事に。
ここまで来れば、あとは「モデルを作る大多数の作家」と「利用するメディア」の間で好循環が……
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というシナリオが成功するかどうかは判りません。
が、こんな風にCGクリエイター達が集まって「利用規約を折り込んだデータフォーマット」を作り、それを流行らせる事が出来ればCGクリエイターが作家として生きていける場になると思うんですが、どうでしょうか?
そのデータフォーマット自体が「CG俳優の芸能事務所」として機能する訳です。
上下互換のあるフォーマット、三次利用を禁止する方法、利益を一次モデル制作者に還元する方法など、課題はあるんですけど解決出来ない事は無い。
しかも肝心のフォーマット策定はCG会社10社が牛耳ってる訳ですから、自分達の望む方向に誘導し放題です。
「バーチャルCGアイドル?もうダメだよ」と皆が思っている今こそチャンス!
各CG会社の社長さん、是非ご検討の程を!
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という事でCGクリエイターの話はオシマイ。
なんか今回のシリーズは書いてて疲れました。
やっぱり慣れない他業界だからかなー。
ではまた。
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