不謹慎かもしれないが、「八ツ場ダム」問題が面白い。前原国交相から目が離せない。
民主党が政権を取ってから、ニュースが面白いのは気のせいだろうか。
でも、いつもはくだらないゴシップを追いかけているワイドショーが、「八ツ場ダム問題」を特集していたりするのを見ると、何かうれしくなる。
何かテレビの質が上がったような錯覚さえする。
ちゃんと勉強していないので何とも言えないが、この「八ツ場ダム」の問題はすごく興味深いし、色んな問題を内包していて単純ではないのは明らかだ。
それにしても、民主党にはやっかいな問題だろう。多少、風向きが悪いのは予測していたのだろうか。
政権を取ったからといって、民主党に投票した人がマニュフェストの全てに賛成しているわけではないことは明らかで、さも太鼓判をもらったかのように進めるのにもやや疑問が残るが、かといって今さら撤回もできないだろう。
それにしても、住民の人達は政治に振り回され、本当に気の毒だ。こんな経験はこれまで、日本中どこでもなかったわけで、そう言われても・・・というのが正直なところだろう。
でも、時間が経てば、やっぱりダムはいらないという結論が広まるのではないかという気もしている。
民主党も、きちんと住民と対話し、個別のケースに対応すると言ってるし、多分そこまでやって、でもやっぱり感情論を通り越して、ダムはいらないのではないかという結論になる気がする。
マキャベリが「君主論」で書いているらしいが、法律や制度が変わる場合、それまでの体制で利益を享受していた人々はすべて敵にまわり、新しい体制で利益を得るだろう人々はすぐには味方にならない。
人は慣れる生き物で、変化には抵抗するものだ。
新しい精度、体制によって、利益を得るであろう人ですら、実際に利益を手にするまでは中々味方にはならないというのは、なかなか面白いと思う。
「八ツ場ダム」の問題も、反対派の人達が今は目立つが、冷静な議論を重ねて、客観的に判断していけば、自ずと結論は出るのではないか。
そして、この問題を通して学ぶべきことは、これからの時代はそういうリスクが常にあるということだ。
少し前に決まった事が覆ることがあり得る時代、知らなかったと言う事が許されない時代。つまりは、政治、経済、社会に対して、自分で考え、自分で責任を取っていかないといけない時代なのだろう。
必要なのは”安心”ではなく”信頼”だ。信頼を担保するシステムを作らなければいけないのだと思う。
◇八ツ場ダム視察 前原国交相に地元住民“無言”の抗議
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2009/09/24/01.html
◇前原国交相、八ツ場ダム視察 住民ら意見交換会を拒否
http://www.asahi.com/politics/update/0923/TKY200909230166.html