東洋医学から見る不妊症とは 6 | てんゆうでござる! -鍼灸と易占と?-

東洋医学から見る不妊症とは 6

さて、最後に予防と注意事項です。

妊婦は懐妊後、元通り労働には普通に参加するべきである。
安逸に過ぎるとかえって気血の流通を失調させ、胎気(胎児が母体内で母気に頼って生活すること)不安を引き起こす。


”労働”って言葉が凄いですが、多分日常の家事程度のことを言っているのでしょう。
流産癖があると、ついつい安静にしがちですが、ある程度は動かないと血行も良くならないでしょうから、子宮内、つまり胎児にも十分エネルギーが回らないということなのでしょう。

但し、重労働は避ける必要があり、労働の保護にも注意し、高い所に登って物を取ったり、躓いて打ったり、ねじったり、挫くなどの外傷を防ぐ。

ははは。やはり重労働は避けた方がイイと出てきました。
”高い所に登って…”というのは、日本でも昔から聞きますね。
戒めるために”醜い子”が生まれるようなニュアンスだったような。
”トイレ掃除をすると、玉のような子”でしたっけ。
低い所で体を動かすと安全で、また、足腰が鍛えられてお産が楽ということなのでしょうね。
しかし、お腹が大分大きくなってから、四つん這いで床拭きばかりをしていたら、朝、手のひらがしびれて目が覚めるという”手根管(しゅこんかん)症候群”で、治療にいらした患者さんもおりましたが(;^_^A

更に性生活を免れることも必要で

子宮内や胎気にもへの影響あるでしょうから、色んな点を加減しましょう。

生や冷たい物と酸味、辛味の刺激のある食べ物は少食にする。

体内を冷やす作用もあるでしょうし、刺激物は胃腸の蠕動運動を盛んにするので、その様な動きが子宮へ強く影響することが良くないのでしょうね。

流産歴のあるものは、妊娠の過密は宜しくない。でないと、しばしば妊娠しても、しばしば流産し、さらに使うと衝脈・任脈を損なう。
故に流産後一定期間(少なくとも1年)妊娠を避けるべきである。


”衝脈・任脈”は以前出てきましたが、衝脈は子宮から始まり血を多く内蔵しているルートです。
任脈も同様に子宮から始まり、妊娠に関係の深いルートです。
体質的にこれらが弱いために、なかなか子供が出来ないこともあるでしょうが、妊娠・流産を繰り返すうちに衝脈・任脈とも弱ってパワーが無くなり、妊娠が難しくなることもあるということでしょう。
(多分このことを”気血損傷”と考えて良いのでしょう)
1年も回復を待っていられませんから、お灸などでケアをして早い回復を計りましょうv

妊娠後注意しなければならないことは、精神的要因が胎児に対して、極めて影響があり、習慣性流産の原因には、しばしば精神的負担があり、かえって胎気不安にさせる。

これはもう何も言うことがございません。
”精神的ストレス”ってやつですね。
旦那の言動、嫁姑問題、職場での人間関係 etc…
旦那よ共に縁の下の力持ちとして頑張ろう(爆) <(_ _)>

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では毎度のことながら煩雑になってしまっているので、最後に簡単にまとめておきたいと思います。

基本的に使うツボ:中極 (または関元

脾虚:食べても太れない、気力が萎え気味、食が細い
  (以上、胃下垂みたいな感じ)大便が結構軟便の傾向がある
   体が重く、浮腫みやすい

  足三里脾兪三陰交月完(ちゅうかん)

腎虚:疲れるとすぐ腰に症状が出る、頻尿、夜にトイレで何度も起きる
   足腰が冷える、白髪が多かったり、歯が弱い

  腎兪気海関元

陰虚火旺:口やノドが渇いたり、目や顔が赤くなる
    太谿三陰交湧泉

習慣性流産:中極足三里


以上でしょうか。
なお、懐妊が分かった場合はお腹への刺激は軽くするか、やめた方がよいでしょう。
また、5ヶ月を過ぎて安定期に入りましたら三陰交 へのお灸で安産が計れます。
長々とお付き合いありがとうございました<(_ _)>