酸味料 | ギモンの科学(仮題)

酸味料

今日は、酸味料

その名のとおり、食品に酸味をつけます。
酸味があると、食品の味が引き締まり、飽きにくくなります。
また、微生物の増殖を抑制して食中毒を防ぐ、
保存料の効果を強めるなどの効果もあります。

増粘多糖類 とは逆に、ほとんどが化学合成添加物です。
(いや、だからと言って、体に悪いとはいえないんですが)
一括表示が認められているので、
これからだけでもそんなに危ないものではないと言えます。

しかし、やはりどんなものが使われているか分からないと
不安になる方もいるでしょう。
数はそんなに多くないので、列挙します。漏れはあるかもしれません。
アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、グルコノデルタラクトン、コハク酸、酢酸、酒石酸、二酸化炭素、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸になります。(ただし、ナトリウム塩やカリウム塩などのバリエーションについては省略しています)

クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸は、
クエン酸回路の一員なので、かなり安全です。
サプリメントとして売っているのもあるくらいです。
酢酸は、クエン酸回路の一員ではないですが、
一次産物(アセチルCoA)がクエン酸回路の一員になります。
酒石酸はぶどうやワインに、乳酸はヨーグルトに
大量に含まれていて、問題は起きていません。

二酸化炭素とリン酸は、
多く摂るとカルシウム不足になると言う指摘がされていますが、
酸味料としては効率や味、値段の面から、ほとんど使われていません。
また、使われたとしても、ほんの少量です。

名前に聞き覚えの少ない方が多いと思われる、
アジピン酸とグルコン酸、グルコノデルタラクトン
一番不安感をあおりそうですが、
これもまったくと言っていいほど問題がありません。
アジピン酸は脂肪酸として代謝されることが確認されていますし、
グルコン酸はブドウ糖と同じ経路で代謝されます。
グルコノデルタラクトンは、グルコン酸ラクトンとして、
ブドウ糖と乳糖と同じ経路で代謝されます。

やはり、酸味料もほぼ安全と言えます。
そもそもこんなことまで考えなくても、
酸味料は味で加えた量が分かるので、心配要らないんでしょうけど。
健康を害するほどの酸味料が食品に入れられていたら、
その食品はすっぱすぎて食べられませんよ。

2009.1.18追記--------
リン酸が酸味料として効率が悪いという記述を修正しました。
理由はこちら