かんすい | ギモンの科学(仮題)

かんすい

今日はかんすい

かんすいは、ラーメンの麺を作るときに加える、
水に溶かすとアルカリ性を示す塩(えん)です。
小麦粉のたんぱく質をアルカリ変性させることで、
うどんとは違った食感や風味を麺につけます。

じつは、このかんすい一括表示が適用されています。
つまりかんすいは、かんすいと言う1つの物質ではなく、
たんぱく質をアルカリ変性させるために使う塩(えん)の総称です。
具体的には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムのうち少なくとも1つを含む物質になります。
少なくとも1つを含むと言う表現で、
他に何が入っているか分からないと思われるかもしれませんが、
化学合成品ではほとんど不純物は入っていませんし、
天然のかんすいでも、不純物のほとんどは食塩です。

天然のかんすいが定義から外れないように
かなり大きな範囲で定義されていますが、
実際には炭酸ナトリウムが多く用いられています。
天然のかんすいは値段が高いのであまり用いられません。

さて、体に悪いかどうかですが、ほとんど心配は要らないでしょう。
麺を作るときに加えるかんすいは、天然でも麺の1%、
化学合成品ならさらに少ない量になります。
さらに、かんすいの実質的な成分である
炭酸、リン酸、ナトリウム、カリウムは、
天然の食材にも多く含まれる、かなりありふれた成分です。

もし問題が起きるとしたら、
化学合成品よりも、天然のかんすいのほうが可能性は高いです。
天然のかんすいは、不純物として、
ヒ素カドミウムクロムなどを多く含んでいる場合があります。
(天然のほうが危ないという1つの例になります)
今ではもう粗悪なかんすいはお目にかかることは少ないので、
あまり問題はないと思いますが、
天然のかんすいにこだわっている方は注意がいるかもしれません。

でも、麺に加えるかんすいからのナトリウムリン酸より、
実は、ラーメンのスープに入っているナトリウムや、
チャーシューのリン酸のほうがはるかに量が多いので、
かんすいについては考えるだけ無駄かも…ということは内緒です。