(NHKニュース 9月10日)
台風18号による大雨で10日には茨城県常総市で、そして11日には宮城県大崎市で河川が氾濫し、大規模な水害が発生している。状況は皆さんご存知の事だろう。
「50年に一度の想定外の大雨が…」
NHKをはじめとしたマスコミが、必死になって刷り込みを続けている。福島原発事故と同じ、「ソーテーガイ、ソーテーガイ」、責任者が逃げる常套句だ。首相官邸はいつも通り、救助活動を自衛隊のPVとして利用している。県警や消防、レスキューだって活動しているにもかかわらず、NHKは官邸の指示通り、自衛隊しか写さない。
しかし、この水害は人災である。
もちろん「全部が全部、人災だ!」とは言わないが、「ソーテーガイ」はまったくのデタラメ、政府の組織は壊死していて、そのツケは国民が受忍するという、これまた毎度のパターンだ。
■ 二つの現場
これから2つの話をしたい。ネットではやや周回遅れだが、ご存知ない方もまだいるだろう。話が混同しないよう、場所を確認したい。
■ ソーラーパネル
NHKで自衛隊ヘリによる救出劇が放送されている時、ネット上ではまったく別の話題が流れていた。
… 太陽光パネル・・?
自衛隊ヘリによる救出劇は、河川堤防が決壊した新石下地区、そしてこの「ソーラーパネル」は若宮戸地区、それぞれ別の場所での出来事だ。
「ところでソーラーパネルが一体どうしたの…?」
この辺りの堤防は自然堤防、つまり単なる土手だ。そこを事業者が精緻して、ソーラーパネルを設置してしまったのだ。
同省関東地方整備局河川事務所などによると、若宮戸地区では、通称「十一面山」と呼ばれる丘陵部が自然堤防の役割を果たしていた。しかし昨年3月下旬、民間事業者が太陽光発電事業を行うため、横150メートル、高さ2メートル部分を削ったという。 (スポーツ報知 9月12日)
この若宮戸地区は事実上、堤防のない「無堤地帯」だった。
■ 使用前・使用後
ソーラーパネルが設置されて、土手がなくなっている。そして…
(報道ステーション 9月10日)
■ 国交省は知っていた
近所の住民が知らせるまで、常総市役所はこの工事を知らなかった。ソーラーパネルは建築物ではないので、市役所への届出は必要ないという。
(報道ステーション 9月10日)
「『無堤地帯』で危ない所で困るので、国土交通省に堤防の築堤の要望を出した。」
現状を知った常総市役所は、堤防を建設するよう要望書を出していた。
つまり国交省は知っていたのだ。
ところが現場には土嚢が積んであっただけ。川幅は400mを超える、素人が考えたって、その水圧に耐えられるワケないだろう。
これは明らかな不作為だ。
鬼怒川は1級河川、その管理は国交省の管轄だ。そこには僕たちの多大な税金が使われている。その税金使って何やってたんだ!治水対策なんて、行政の基本じゃないか。
「無堤防」状態だったことが、今回の被害の拡大につながったかどうかについて、国交省関東地方整備局河川事務所は「因果関係は分からない」としている。 (スポーツ報知 9月12日)
国交省がこの事業者にどう対応していたのか…、
それを明らかにしなくてはいけない。
<②につづく>