2013年8月16日 常念山脈縦走・6 常念岳~蝶ヶ岳 | ハーピン・ジョーの山フォト日記

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HARPIN’JOEの山登り写真です。
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2013年8月16日 常念山脈縦走・6 常念岳~蝶ヶ岳




(16日)5:54常念小屋テン場―16:32蝶ヶ岳ヒュッテテン場(テン泊)




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今日はいよいよ、2日間見上げていた常念岳を登ります。

体調のすぐれない私は、なんだか気が重くて・・・




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あっという間に、テン場がもうあんな小さい。

けっこう岩いわしてますが、よじ登るようなところはないです。

ここでハ氏には先に行ってもらいました。

もう足を前に出すのもつらくてつらくて・・・カタツムリのようなペースでしか歩けません。


ここで道を譲ったお兄さんと、けっきょく山頂まで抜きつ抜かれつ。

話しかけてもらったり、元気づけて頂きました。どなかたわかりませんが、感謝です。

私もお兄さんもぽっちゃり体型。やはり、痩せなければいけませんね。

脂肪のぶんだけ、重りを背負ってるようなもんですからね。




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そんなこんなで、山頂到着。前常念。







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ここでミュージシャン・キタニヤスタカ氏にソックリなお兄さんと遭遇。

顔が似ているせいか声まで似ていて、なぜかしゃべり方もよく似ている。ドッペルゲンガーですね。


「信州のキタニくん」は家が近いのでササッと前常念から登りに来たそうです。いいなあ。

私はお会いできなかった(なにせ30分も遅れて到着)。むむ、残念。






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山頂はこの賑わい。







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狭い岩場を、ギュウギュウの人だかりをかき分け、記念写真。危ない。






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これを下らなければなりません。このあたりから、頭がズキンズキン痛くなってきました。







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ハ氏は疲れはあるものの、元気です。



このあと、私は頭痛と疲労感に悩まされ、鞍部まで下るのにものすごい時間がかかってしまいました。

軽い高山病になっていたと思います。


症状としてまず、

2900m近い大天井に2日間いて

・夜中の咳

・全身のむくみ

・軽い頭痛

・少量の鼻血

・倦怠感


常念乗越(2466m)では

・頭痛と咳はないものの、倦怠感とむくみがひどくなる

常念山頂にきてついに

・孫悟空がお経を唱えられたときのように、頭を締め付ける痛み

・ひどい倦怠感

・思考能力の低下

・足のフラつき

・ひどい尿意(岩稜地帯なので、どっからでも丸見えなのに、しゃがみこんでしようとするほど)

・胸のムカつき


=高山病について=


(1)山酔い(AMS:Acute Mountain Sickness)初期

○頭痛(頭が重い、鈍痛、頭を振ると痛い)
○睡眠不足(寝られない、よく目が覚める、熟睡しない)
○食欲がない(5,000m近くなると誰でも普通はなくなります。慣れれば回復します)
○吐き気がある
○放屁(気圧の低下で膨満感が強くなり、腸管内にガスが溜まる為)
○顔・手・足に「むくみ」がでる
○胸の圧迫感がある


(2)山酔い(AMS)・中期

○頭痛(孫悟空状態。鉄の輪をはめて締め付けられるような痛み、寝ていられなくなる)
○発熱・下痢(平時の体温を測っておくこと)
    
尿量減少(水分は十分でも体外へ出ない、むくみの発生となる)
足の浮腫(むくみの増加)
○嘔吐(食欲がなくなる、食べると吐いてしまう)
○咳(夜、横になると咳が止まらない)
○脈拍増加(脈拍の増加、平時の脈拍を測っておくこと)
○意欲減退(行動の意欲がなくなる)
    


この時の私は(1)と(2)の間ぐらいだったかもしれません。


むくみも激しくなってきていて、人相も変わってきておりました。

シリーズの冒頭に、この山行後4kg肥ったと書きましたが、1週間で元の体重に戻りました。

山行後2日間はとにかくトイレで小ばかりしており、むくみも治まりました。



(3)高地肺水腫(HAPE:High Altitude Pulmonary Edema)

○肺水腫(肺に水がたまった状態)
  ・咳、血痰、息切れ
  ・疲労、錯乱、精神状態の変化
  ・チアノーゼ(皮膚や粘膜が暗青色または暗藍色になる)
  ・呼吸時のゴロゴロあるいはゴボゴボという音
   ※平静時に息切れが治らない場合は下山


(4)高地脳浮腫(HACE:High Altitude Cerebral Edema)

○脳浮腫(脳に水がたまった状態)
  ・歩行障害・運動障害
  ・意識がなくなる、昏睡状態、極度の疲労感
  ・異常な行動(幻覚を見る、おかしな事を言ったり、したりする)
  ・千鳥足(直線上を踵と爪先を交互に接触させて真っ直ぐに歩くことが出来るか?)
  ・失禁

○眼底出血(眼底に血が滲み出ている状態、この場合は、脳血管にも出血が生じていると考えられる)
  ・見たい部分が見えず、その周辺だけが見える
  ・視野が狭くなる
  ・視野の中に暗転が現れる


=症状が出た時は=


1)症状が出た時は、それ以上高度を上げないで停滞します。

2)水分をたくさん摂り、トイレに行きましょう(予防で実行しましょう!)

3)暖かくして快適な睡眠をとりましょう

4)腹式深呼吸を意識して行う

5)鎮痛剤

6)予防薬(ダイアモックス。医師の処方が必要)

7)酸素吸入



以上 ネパールトレッキング情報

http://www.lirung.com/infofile2/file010hight/


さんから勝手にお借りしてきました。


・常念のテン場はトイレが現場作業用のトイレで汚く、扉も閉まらなかったため

トイレに行く回数も1日2回くらいになり、もしかしたら水分も減らしていたかもしれません。

好きだったコーヒーも、この山行では欲しくなくて飲まなかったし・・・


・常念から蝶ヶ岳までは山行距離も長く、調子が悪かったので荷物の重量を減らそうと

水を1Lしか持っていかなかったのもいけませんでした。


・常念では、2日目しんどくてゴロゴロしていたぐらいなので

本来ならそこで、下山すべきだったかもしれませんね。大変な事態にならなくてよかった。




さて、自分でもこれはヤバいかもしれない・・・と思うほどになってきました。

でも、高山病の特効薬はとにかく標高を下げること。

歯を食いしばってでも、がんばって下りないと・・・


けっこう急な岩場の下りを、足元がフラつく中できるだけ集中して下りていきます。

時々フラフラして、目を開けてられなくなるときもありましたが

その都度「とにかく鞍部まで行かなきゃ!集中集中!」と自分を鼓舞して歩きました。



途中、ハ氏に「とにかく、水分を取って。アミノバイタルも飲んで!」

と言われて、たっぷりの水で粉末アミノバイタルを飲んでからは、標高が下がってきたのもあって

体調が回復してきました。


鞍部を過ぎると、頭痛もピタッと無くなりました。不思議ですね・・・


その他、足元がフラ付いて集中できないところ、どこへ足を下ろせばいいか教えてくれたり

自分も大変なのに常に励ましてくれたハ氏には、本当に感謝しています。




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途中、こんなにも森林になります。蒸し暑いです。







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ハクサンフウロ。花びらが6枚もある・・・






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シナノオトギリ







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ギンリョウソウだ!






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ニッコウキスゲの群落。暑さの中、少し癒されます。







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マルバダケブキ






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池がありました。この水が飲めたらいいのに・・・ノドがかわいて仕方がありません。







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蝶槍。







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ステキな風景なのですが、ノドがカラカラで・・・







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横尾への分岐





疲労がピークで、持っていた水も底をつき、ケンカが絶えず最悪のムードのまま蝶ヶ岳へ。




つづく