2010年9月18日赤岳(八ヶ岳) その3 | ハーピン・ジョーの山フォト日記

ハーピン・ジョーの山フォト日記

HARPIN’JOEの山登り写真です。
photo by tiny

つづきです




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いよいよ最後の急斜面を登ります

こ、これ登んの・・・?


頂上小屋は、さらに奥のうっすら見えてるところです。


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この高度感は、写真じゃなかなかお伝えできないのが残念です。




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ハ氏はバランスよく片手をついて登ってますね。

怖がって岩肌にへばりつくと、かえって滑るので危険です。


わたし?


もちろん四つん這い状態ですよ。だって怖いもん・・・


途中、下ってくるお兄さんがいたんですが

もうホイホイ、すごいスピードで降りてくんです!

すごいなー・・・足さばきも一定で、安定してる。

わたしもいつか、あんな風になれるのかしら・・・


必死にへばりつきながら、そんなことを考えてました。


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頂上小屋が見えてきた!



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この斜面ですよ!

下りはもっとおそろしいんだろな・・・

っちゅーか、降りれるんだろうか・・・

必死に登ってるけど

ガスって、岩がツルツルして、降りれなくなったらどうしよう・・・?



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見えなくて、落ちたらおわりです


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ヒャー、コワいって!


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@15:10
赤岳山頂(2899m)

展望荘を過ぎて、ここ赤岳山頂に至るまでの登りがまた凄い。キツい急傾斜の岩稜、岩場。立ち上がると高度感も強烈。

足がすくんで動けなくなっている若い登山者やら震えながら四つん這いで登る人も。
山頂から下りてくる人の中には身動き出来なくなってたりする方もいるが大抵の登山者はスイスイ行ってます。


ロッククライミングや沢登りは特殊なので別として、実際、基本的に山登りに特別な技術は全く必要ない。
万全の装備としっかりした注意力、少々の体力、気力があれば誰だって登る事が出来る。
この軟弱極まりない僕ですら何とかかんとか登れているのだ。
一度で良いから、この何ものにも代え難い感動を体験して欲しい。

しかしまあこの景色!展望!ホンマね、なんちゅったらエエんやろね。素晴らしい!


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この石碑、木曽駒ヶ岳に行ったときにもありました。

どういういわれがあるんでしょうか。ググってウィキってみたけどわかりません。


山岳信仰で、なおかつ日本武尊信仰のひとつなんでしょうけども・・・

けっこうたくさんころがっているので、祈願も兼ねて持ってあがるのか。


大阪にあります、われらが生駒山は役行者(えんのぎょうじゃ)信仰が盛んで

役行者が訪れたところ、行場などには石碑やら祠やら、とにかく建っています。

それと同じなのかな。


誰かご存知の方教えてください~



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岩稜を登り終え、頂上山荘を横切り、痩せた岩稜尾根を少し行くと一等三角点のある頂上に。
赤岳の頂上は小屋前の北峰と、神社と一等三角点がある南峰の二つのピークがある。

山頂付近はガスっていたが幸運にも晴れ間が。

おお、よく来たな。初心者の癖に頑張りおったなあ。待ってたぞ。と歓迎してくれているようだ。

頂上の神社に手を合わせ、山荘へ。


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ここが、三角点!



@15:27
赤岳頂上山荘
300人近く泊まれる大きな山荘。入ってすぐ横にストーブ。暖かい。
木曽駒の頂上山荘はかなり寂れた雰囲気のシブい小さな山荘で、
まさしく山小屋といった趣きがありとても素敵だったが、ここも文句なしだ。食堂からの展望も抜群。

山小屋も様々で、下の赤岳展望荘にはお風呂もあるし個室もある。
北アルプスの白馬岳("はくば"ではなく、しろうま)にはレストランがあったりして旅館並みの設備の山荘もあるらしい。

しかし基本的に山小屋には最低限の設備(寝床、食事、トイレ)だけというのが山の常識だ。
それこそ無人の避難小屋など、建物以外何も無い。

山では原則全て自力。自活。

屋根のある雨風をしのげる、暖かい場所を提供して頂けるだけで、本当に有り難いものである。

山荘の中は三連休とあって満員。予約しておいて良かった。名前を呼ばれ部屋に案内される。二段になった寝床の上。
大部屋は人でいっぱい。二畳分で3人が寝る。左に相方、相方の隣は単独の女性、僕の隣は年配のご夫婦。

一先ず荷物や靴を片付け、更衣室でカラダをふき入り口そばにある喫煙ルームで一服。
窓の向こうには権現岳、編笠岳へと続く稜線、さらに向こうに南アルプス。


入り口を出て正面には北アルプス。
右手遥か向こうにはドーンと大きく裾野が広いドデカ過ぎる富士山が。
360度、山、山、山。そして山。
日も少しずつ傾いてきて、山肌を紅と金色に染めていく。
日の当たらない山肌が黒緑に陰ってゆく。
ガスが山を駆け上る。一段と冷たくなってきた風がカラダをすり抜ける…

もう、何も要りません。


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ちゃーんと、喫煙室があるのだ。

そして、喫煙室は大人の憩いの場所となっていた。


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今日の寝床はふとん1.5枚に2人。

話には聞いてたけど、これが混雑した山小屋なんですね~


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自分の陣地。

今日は靴を置く場所もないとのことで、袋に入れて、各自管理。


荷物を置く棚が設置されていました。助かります~!

わたしのところは、ちょうど柱があるのでお隣と隙間がありました。よかった。


となりの単独行のお姉さんは、もうビール飲んじゃって、まったりしてます。

こういうとこでは、声を掛けていいものか迷います。


話しかけたほうがいいのかなぁ、でも一人になりたいかも・・・?


けっきょく、話しかけませんでした。


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@夕刻(時間不明)
むむ?なんだか外が騒がしい。
小屋の前や北峰に絶え間なく登山者がいるのだが突然わぁわぁとざわめきだした。

えっ!?…
まさか、ひょっとしてアレか?!!


急いで外に出ると、なんと『ブロッケン現象』が!!!
慌てて相方を呼びに戻る。

カメラ!カメラ!ブロッケン現象や!

えっ!うそ!


二人急いで外へ。

間に合った!
この現象に遭遇出来るとは。
僕もついに今日で一生の運を使い切ったか。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

~ブロッケン現象~

360度開けた山頂付近にガス(霧)があるが太陽が照っているという条件の時、
しかもそのガスに対して太陽の光が水平に近い角度で当たった時、人の影がガスの中に映り、その回りには光輪が出来るという現象。いわゆる御光(後光)の事。
英語でいうグローリー(groly)。

ブロッケンと呼ぶ由来は、ドイツのハルツ山脈にあるブロッケン山でこのグローリーがよく現れるからだそうだ。

以上、新辞林を参考にしました。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ぜんぜん写ってません。すみません。

元の写真には、多少ですが手なんかが写ってるんですけども・・・


だって、肉眼でもあんまりハッキリ見えてなかったのに

カメラにハッキリ写るわけないよー(いいわけ)

プロの人はどうやって撮ってるんだろ?



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@17:30
夕食。
待ってました。
豚生姜焼き、ワカメのお浸し、シュウマイ、付け合わせのスパゲティ、キャベツの千切り、味噌汁。
ドバイの石油王がどんな豪勢贅沢極めた料理を食べているか皆目分からんが、
山で食べるこのメシの美味さには絶対に適わない。


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食堂の風景。

たくさんいらっしゃるので、遠慮して写真とれませんでした。

小心者のわたし。クスッ。



@19:25
就寝
………しかし21時過ぎ、30名はいるだろう満員の部屋のこの暑さに起きてしまう。結構な人数が同じように起きていた。
寝苦しい。耐えられず喫煙所へ。山小屋で働く青年と23時頃まで会話をする。
北海道出身の彼は世界中バックパッカーを続けているうちに登山に興味を持ち、
八ヶ岳の魅力にハマり、山小屋で働いているのだそうだ。僕が来る少し前、ガスが切れて星空が見えたらしい。お喋りが好きな情熱いっぱいの青年。

ボク、今までに無いアウトドアのライターになりたいんです

と、熱く夢を語ってくれた。


部屋にこっそり戻り寝たり目覚めたり。そうこうするうちに朝が近づいてきた。

第三日目に続く…



△△△
9月19日(日)
最終日

@4:19
起床
連日寝不足。だが気分は爽快。
朝食の前にまずは御来光だ。
初めて見る御来光。
気温は冬並み。風に晒されていると手は悴み耳は痛くなる。
空は少々霞んではいるが好天。

ゆっくりと流れる雲海。現れる真紅の太陽。光が天空の海に広がり、山肌を徐々に照らす。
言葉なし。ただただ溜め息。

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夕焼けじゃなくって、朝です。



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キター!


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ありがたいこと、この上なし。ほんとに、拝みたくなっちゃうから不思議。

ちょっと、涙がポロリ。



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@5:50
朝食。
ワカメスープ、鰯の煮付け、のり、昆布の佃煮、梅干し、ほうれん草のお浸し

ハリウッドのセレブリティ女優が果たして如何ほどの贅沢な料理を召し上がっているかトンと分からぬが、
この、何とはないメニューの山食(やましょく)には是が非でも適うまい。


食後、一息ついて荷物をまとめる。

行かれますか。

入り口で昨夜の青年が声をかけてきた。

ありがとう。お世話になったね。頑張って下さい。


山小屋のご主人にも挨拶。
ありがとうございます。大変お世話になりました。
また、来ます。




つづく!