2010年8月14・15日 木曽駒ケ岳 その1 | ハーピン・ジョーの山フォト日記

ハーピン・ジョーの山フォト日記

HARPIN’JOEの山登り写真です。
photo by tiny

みなさん、おひさしぶりです!

さぼっちゃってすいません。久々の更新でございます。


サボってる間にも、いろんな山に登りましたが

とりあえずはじめてのアルプス登山「木曽駒ケ岳」に行ってまいりましたので

アップいたします~


ロープウエイであっという間に2600m。

お手軽アルプスです。

とはいえ、そこは高山。あなどってはイケナイのです・・・



初めて長野のアルプスに訪れた昨年6月。それから山の魅力にハマり、近畿の山を幾つか登り、1年2ヶ月振りにアルプスに行って参りました。

場所はアルプス入門と言える、中央アルプス最高峰の駒ケ岳(木曽駒ケ岳/標高2956m)。
日本百名山に数えられ、標高2612m地点の千畳敷カールはロープウェイで行けるので観光地としても有名。
山頂までの距離も短く(千畳敷から標高差は僅か344m/約5km)、天候が良ければビギナー登山者や軽装な観光客も山頂まで登ろうと思えば登れてしまうため、遭難事故も多い。
特に駒ケ岳途中にある宝剣岳(2931m)は岩場だらけの険しい岩稜、かなり危険な鎖場もあり、毎年事故が絶えず、最も滑落事故の多いところとしても知られている。
標高200mの里山でも高山でも、何であれナメてかかってはいけないのです。
増してや駒ケ岳は標高差も距離も僅かとは言え3千メートル級の山ですから、ニュースなどでご存知のように何かあった時は桁違いに大変な事になります。

という訳でビギナーなりに出来る限り万全の装備で臨みました。


△△△
装備一覧
※どんな山行でも常備しているモノ。
相方もほぼ同じ装備です。


※ザック(今回は約50Lの容量のミレーのザック使用)

@パックライナー50L用
(防水袋。ザックの中にこれを入れてその中に荷物を入れる)
因みに濡れてはいけない荷物は予めこまめにジップロックなどのビニールに入れています。

※救急セット
(鎮痛剤,胃薬,下痢止め,眼薬,絆創膏,包帯,三角巾,テープ,ピンセット,ホッカイロ,虫刺され他皮膚炎用軟膏)

@ポイズンリムーバー
蜂や蚊などに刺された時に毒を吸い取る器具。

※エマージェンシー・シート

※ビクトリノクスの十徳ナイフ

※ライペンのツェルト(簡易テント)
※ツェルト用ペグ6本
※細引き
(4ミリのロープ10m)

※靴紐予備

※ダクトテープ,ガムテープ

※モンベルのゴアテックス・レインウェア

@日焼け止めクリーム,リップクリーム(メンタム)


@歯ブラシと歯磨き粉
(今回は前泊したホテルから拝借)
因みに山小屋では洗剤や歯磨き粉などは環境保全の為、使用禁止。山小屋一泊くらいならもう歯磨きしません。下山してから歯磨きします。

※おやつ
(ドライフルーツとナッツを混ぜて一袋,アミノバイタル粉末1袋)

※非常食(おやつ又は食事も兼ねている)
(アミノバイタル,ソーセージ各2個,飴数個,クッキー数枚)

@昼食食材
(味付・具材付パスタ2袋)

※水2L+ペットボトル1本
(プラティパスのハイドレーション,500mlのポカリ)

@プリムスのシングル・バーナーとガスカートリッジ1個
(相方共用)

@コッヘル1個と組み立て式お箸

※ティッシュ,ウェットティッシュ

@お尻拭き用ウェットティッシュ(トイレットペーパーは相方所持)

※タバコ数箱と携帯灰皿

※ライター,マッチ
(電子式1個,石2個,金属マッチケースにマッチ)

※国土地理院発行
2万5千分の1地形図

@山と高原地図

※シルバのコンパス

※カシオのプロトレック
(登山用ソーラー時計)

※防水メモ帳とボールペン
(山行記録と緊急時用)

※エマージェンシー・ホイッスル

※サングラス

※タオル2枚

@パイネのサブザック(10L)
@マウンテンエクィップメントのバッグ
(ホテルや山小屋内用)

※アウトドアリサーチのゴアテックス帽子

※手袋
(今回はパイネの夏用メッシュグローブとイスカの3シーズン用撥水グローブ,軍手の3つ)

※ヘッドランプ,手持ち用ミニランプ及び予備電池

@衣類,靴
行き帰り車中用:
綿パン,Tシャツ,パンツ(ホテル泊兼用),靴下,ジョギングシューズ

前泊ホテル用:
ジャージ(下),Tシャツ

登山用:
ローバーの登山靴
バーグハウスのロングシャツ
ミレーのTシャツ
マムートのズボン
ノースフェイスのメリノウール靴下
ワコールのスポーツタイツ(CW-X)
パンツ

予備・着替え兼用衣類:
ミレーのメリノウール・ロングシャツ
モンベルのフリース(ベスト)
メリノウール靴下
パンツ


ジャケット:
マムートのドライテック(防水透湿)ジャケット→レインウェアにもなります。
マムートの薄手撥水加工ウインドブレーカー

※携帯電話
@ケータイの充電器

@耳栓(山小屋泊用)
いびきなどで寝付きにくい時に備えて。

※ハンカチ
@クマ除け鈴
@盗難防止ワイヤーロック
(ザックを縛り付けます。最近は山でも盗難あります。)

※カラビナ(大小数個)
※ビニール袋数枚

確か装備は以上です。行き帰り車中及びホテル用の衣類と靴は車に置いておきます。それ以外のモノは、登山中に身に着けるモノ以外全てザックの中。およそ5~8kgになります。
テント泊だと日数によりますが10~30kgほどになるそうですが早くテント泊したくてたまりません。
あと、身内に山行場所などを事前連絡。登山届け書(山行計画や名前、連絡先、装備など記入)も予め作成。
さらに今後の登山の為にも何かと役立つのでロープの使い方を事前練習。基本的な、もやい結び、腰かけ結び、自在結び、テグス結びを繰り返し練習。
過去に建築現場の仕事をしていた時に覚えた自在結びや、釣りに夢中だった頃覚えたテグス結びはすぐに思い出しました。

△△△
装備といい、事前準備といい、大変大げさなように思われるかもですが、この『大げさ』~オーバースペックくらいが良いのです。
とは言え荷物は出来る限り軽い方が良い。もっと経験を積めば厳選されてゆくのでしょう。1gでも減らしたいですから。

△△△
さてさて山行記です。
8/13(金)=第1日目=
@3時起床
@4:11自宅出発

@4:43
名神高速吹田IC
(車中にて朝食)

@5:20
草津SAにて休憩,5:44再出発。

@6:40
岐阜県羽島市通過
@6:58
中央道(小牧)に乗る。

@7:10
虎渓山PAにて休憩,7:40再出発。

さっきからアルプスの山々が見えます。頂上付近には雲やガスが。駒ケ岳ピンポイント天気予報では今日は曇り一時霧か雨のち晴れ。明日、明後日は曇り一時霧か晴れ。微妙である。


@8:39
阿智PAにて給油,8:43再出発。

@8:45
長野県飯田市通過。

@9:08
駒ケ根市通過。

@9:09
駒ケ岳SAにて休憩,9:24再出発。
駒ケ岳に登るので、おお、これはもしや駒ケ岳が見えるところか、はたまた駒ケ岳に関連した何かがあるのかと思いましたが普通のSAでした。

@9:27
駒ヶ根インターを降りる。

@9:30
前泊するホテル、駒ヶ根リゾートリンクス駐車場に到着。
渋滞だろうから早くても昼過ぎ、最悪15時あたり到着かと考えていましたが、予想に反して殆ど渋滞もなく、早く着きすぎたくらいです。
ホテルのチェックインは午後3時。たっぷり時間があるのでホテル内のドリンクバーにて暫し休憩。フロントでこの近辺の情報を訊き、観光マップを頂き、明日の山行の準備運動を兼ねて周辺散策とする。

@10:56
ホテル,駒ヶ池~光前寺~大沼湖~ホテルをトレッキング
先ずは昼飯。地元名物となるソースかつ丼を食べに最も有名な『ガロ』というお店に行くがまだ開いておらず、しかも待ち行列。たまらず隣の『すが野』にてソースかつ丼を食す。
率直な話し、イマイチ。ガロで食べたら良かったかも知れんが似たり寄ったりかも知れません。
ホテル目前にある駒ヶ池は思ったより小さな池。畔でテントを貼っている人がいます。

光前寺には、霊犬早太郎の墓やヒカリ苔が。『霊犬早太郎』の昔話はドリンクバーで絵本を読んで相方も僕も思わず涙ぐんでおったところ。知らずにこのお寺に来て、早太郎の御守りが売っていたりお墓があったので手を合わせる。もちろん光前寺自体にもお参りしてきました。

そのあと少々迷いながら大沼湖へ。ここも小さな湖。周辺はリゾートとあって別荘や洒落たネイチュアーな店がちょこちょこあります。


@14:20
トレッキングよりホテルに戻る。車から荷物やザックを取り出し15時チェックイン。

@17:50
ホテル近辺から駒ケ岳や宝剣岳がガス(霧)で隠れたり、見えたり。いつも阿倍野から見ている我が生駒山や六甲山とは違い、その桁外れの大きさに圧倒。明日登るんだと思うとドキドキワクワク興奮して身震いします。

ひと息ついて天気確認。どうやら明日も明後日も曇り一時霧か雨!しかし行くしかない。せめてロープウェイで千畳敷に行き高山植物のお花畑周遊コースだけでも見なければ。
軽くシャワーで汗を流して今夜の晩飯と明日の朝食をコンビニまで買いに行く。

@19時
食事。装備最終チェック。明日の準備完了。
入浴。

@22:00
就寝。

第2日目。
いよいよです。

信州アルプスは4つありまして、
@槍ヶ岳や穂高連峰、上高地などが有名な北アルプス。

@八ケ岳(赤岳、権現岳、蓼科山など)。八ケ岳は荒々しい南八ケ岳と穏やかな北八ケ岳があります。近隣には霧ヶ峰(車山)や美ヶ原も。

@甲斐駒ヶ岳や北岳の南アルプス。

@そして、今回訪れたのは中央アルプス。駒ヶ岳、空木岳(うつぎ)、宝剣岳などがあります。

△△△
さてさて山行記です。
8/14(金)=第2日目=

@3:00起床
目覚ましをかけていたが気持ちが高ぶっていたせいか、3時前に目を覚ます。
真っ先に窓を開ける。う~ん小雨模様だ。分かってはいたがガックシ…。

木曽駒ヶ岳へは、麓から標高差2000mほどを登るという非常に興味のそそる幾つかのルートもあるが、
僕たちビギナーは無理せずバスで、しらび平(だいら)まで行き、そこからロープウェイに乗り換え標高2612mの千畳敷(せんじょうじき)まで一気に行きます。

ここのホテルは入り口の前にバス停があるのでとても便利。
むむ?確かフロントからモーニングコールがある筈だったが何もないぞ。
まぁ起きたから良かったものの、寝過ごしていたら観光客ラッシュに巻き込まれて大変だった。
山は早朝かなり早くから登るのが鉄則。午後から天候が悪くなる(急変する)可能性が高いからというのと、何かあった時の為に時間に余裕があるに越した事はないからなどの理由です。高山ともなればなおさらです。

※帰宅するとホテルより丁重な謝罪文面が記された手紙が来てました。
いずれにしても登山者は自身で目覚ましかけて起きますから、念の為のモーニングコールです。良いホテルでした。ありがとうございます。

ストレッチをして支度を済ませ出発、チェックアウト。

@4:36
中央アルプス観光バスに載る。ホテル前バス停には雨の中、もう登山者が10数人待っている!雨足も若干強くなってきました。
バスが着くと中には既に登山者でいっぱい!なんとか助手席シートに乗り込む。
満席状態で2つ目の駅からは乗車を断っておりました。
ぐんぐん山に入り標高を上げます。


@5:17
しらび平駅到着。標高1662m。
ロープウェイ乗り口となるバス・ターミナルは登山者と少々の観光客(観光客までこんなに早くから!!!)で沢山。
もし1時間か2時間あとだったら恐らくバスはもちろんロープウェイも2時間待ちとかだったに違いない。
始発に乗ってもこの有り様ですからね。やはり人気なんですね駒ヶ岳は。

列に並びロープウェイ乗り場へ。
おぉ!頂上木曽小屋の、あのご主人が誘導案内しているではないか!
昨年夏、登山家の田部井淳子さんとルー大柴氏が山セミナー番組で泊まった山小屋のご主人だ。

ご主人の山小屋に泊まるんです、今日は山小屋に居ますか?
なんて話しかけたかったがバタバタしていたので断念。

と、中央アルプスロープウェイ観光協会の方らしき人が、

皆様ありがとうございます。本日はご覧のように残念ながら非常に天気が良くありません。
え~千畳敷は霧(ガス)が発生、雨もやや降っておる状況です。
現在千畳敷の気温は12℃、風速は10mと強風(…ここで周囲からどよめきが…)ですので、千畳敷のお花畑を観光する方、登山の方、くれぐれも無理をせず、え~お気をつけ下さい。

という事だそうだ。参ったなぁ。
千畳敷で風速10mならそこより上の登山道や稜線は『最低でも10m』となり、倍近い風速やも知れぬと容易に想像出来る。山頂付近の稜線ともなれば、かなり強烈に違いない。

まわりの登山者や観光客。楽しそうにしている人や慎重な面持ちの人、ガックリな表情をしている人、そんな事知りませ~んとばかりにワァーキャーと騒いでいる人など様々。
う~む、何としても登ってやるぞ。ちょっと不安もあるがワクワク胸躍ります。

@5:30
ロープウェイ出発。
途中の景観はガスばかり。何にも見えません。

@5:39
千畳敷到着。標高2612m。

文明の力、恐るべし。あっという間にこんな所へ。

千畳敷ホテル真下の土産物屋や食堂のあるフロア内は登山者、観光客入り乱れ。
場所を確保して朝食を済ませ、レインウェアを着ていつでも出発が出来る状態で天候の様子を見ながら待機。


HARPIN' JOE'S MOUNTAINEERING PHOTO

このありさま(涙)

なんも見えねーよー!



HARPIN' JOE'S MOUNTAINEERING PHOTO

かわいいのにー!



外に出ると強風。時折台風直撃のような突風が吹き荒れる。
左手に登山口兼お花畑周遊の、鳥居がある入り口が見えるがその先はガスで見えない状態。雨はさほどでもないが時折ザーザー降りに。
気温も下界の猛暑など何処へやら。やはり寒い。
気温が14℃で、風速10mだとしたなら、風速1mで体感温度は1℃下がるワケだから、体感温度はなんと4℃という事になる。
山と下界の温度差が一体どのくらいになるかというと、温度は標高100m毎に0.6℃下がるので、例えば、標高931mの六甲山。
ぶっちゃけ、メジャーな一般ルートなら適当な服装で登れてしまう山だが、下界が30℃とすると、山頂はおよそ24℃。さらに風速5mの若干強めの風が吹くと5を引いて19℃となる。汗びっしょりのTシャツでいたら、その温度差に1時間もすれば肌寒く感じてくるだろう。
さらに、もし何かあって夜となり下界が22℃ならば山頂は16℃。さらに風速5mによる体感温度を引けば11℃となる。これはもう確実に寒いです。
つまり高山ともなれば、真夏でも低体温症になり最悪の事態に、というのがお分かりだろう。
しかし、しっかりした装備、服装であれば山は他では決して味わえない楽しさを満喫出来ます。

さてさて、しばらく外に出て様子を見たりしながら待機が続きます。
いつの間にかフロア出入り口に山岳指導員のオジサンがいて、
どうですかね~と訪ねる登山客や観光客に、
熟れた人ならまぁなんとか大丈夫ですが、霧も濃いし雨風も強いから、あまり経験のない人はやめておいた方が良いですよ。と話してます。

登っていく登山者、登っていったけどヤバいと感じたか、戻ってくる登山者。
登っていく観光客、登っていったけどすぐさま戻ってくる観光客。
どうやら行ったままの登山者、行ったままの観光客。
と、様々だが、ここに来ている半分以上が待機、又は花畑周遊コースを無理やりトレッキング程度にしている様子。

僕ももう待ちきれず、相方を待たせてちょっと様子を見に八丁坂手前まで行ってみる事に。


鳥居を右に折れ、強風とガスの中、登山道へ。山の斜面をトラバースするこの辺りは風は穏やか。雨も時折強く降ったり風で強く感じるが、パラパラといった程度だ。視界は7~10mといったところか。
山道沿いに咲く雨露に濡れて風に揺らぐ高山植物のなんと愛くるしいこと!思わず顔がほころぶ。

こんにちは
こんにちは
おはようございます
おはようございます
あいにくの天気ですね
そうですね
お気をつけて

登山者同士でご存知山のご挨拶。山に行けばいつもの事だが、なんだか、アルプスへようこそ、ついに来ましたか、あなたも今日からここの仲間入りですね
なんて言われている気がして馴染みの山の挨拶なのにちょっぴり高揚。

ん?今鳥の鳴き声がしたかと思ったが?こんな天候で?
おぉ!今目前でハトくらいの可愛い鳥が花畑スレスレに飛んでいった!何の鳥だ?

八丁坂手前まで来たところで、急いで戻る。相方に駆け寄るなり、
行こう行こう!行けるよ!素っ晴らしいで!


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とりあえず、道があるみたいです。




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@7:38
登頂開始。出発です。
登山道脇に咲く高山植物、ガスで視界は悪いとはいえこの景観!
うわぁ…。アルプス…。アルプスに来た!たまらんですなぁ!
相方もにっこり、早速カメラで撮り歩き。
=あの景色。山の匂い。ちょっときついけどあの風。流れる霧。…今こうして書いていても胸が高鳴ります=


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チングルマ




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視界5mぐらいでしょうか




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@8:04
八丁坂
ここで少々雨がキツくなってきました。
急勾配の坂をジグザグに、えっちらおっちらと登ります。両側に見える岩稜の美しさよ。
途中フラフラっとめまい(高山病の症状的?)がし、息が切れたが直ぐに治る。

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八丁坂。坂が八丁も続くから八丁坂。ちなみに、1丁は約109mです。




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シナノキンバイ



@8:40
八丁坂途中で休憩。8:50再出発。無理せず定期的に休憩、こまめに水分補給。時折おやつ(行動食)。これ、大事です。


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ガスって何にも見えなくても、アルプスはやっぱ最高。

ロボットじゃないです。わたしです。



@9:03
乗越浄土(のっこしじょうど)
(標高2860m)
宝剣岳・中岳・木曽駒ヶ岳の分岐となる場所。開けたところなので一気に風が強烈にキツくなる。
しばらく進むと宝剣山荘が。
天候が良ければ山頂まで観光客が沢山居るらしいがこの悪天候、先ほどの乗越浄土を境に居なくなった。



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なんも見えないけど、わかりやすいので道に迷うことはありません。

里山のほうが、道がいっぱいあって迷います。


でも、いったん迷ってしまったら致命傷ですよね。



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さぁ山頂までもう少し足を進めようと、宝剣山荘の左側の岩場の稜線上に出る。
うわぁ!こりゃ凄い!想像を絶する稜線上の風!知識として知っていたが実際体験するとちょっと恐怖すら感じる。さらに、時折襲いかかる強風に強風を上乗せしたような猛烈な突風は立っていられないほどで、吹き飛ばされそうになりかがみ込む。
まともに風を食らうと息もままならない。ガスも凄い。まるで生き物のように次から次へと流れ襲いかかって来る。
ちょっと面白かったりもするが、これはひとまず宝剣山荘で待機を兼ねて休憩だ。



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@9:12
宝剣山荘食堂にて休憩。待機。
中には同じ思いで休憩しているらしき人達や山荘に泊まっている人達で沢山。軽装な観光客も若干居るではないか。何をしている、帰りなさい。
ストーブも炊いてくれていて暖かい。ホットミルクをすすり一息。随分長居した。外の様子を見に行き、体も暖まったし、もう行くことにする。10:26再出発。
猛烈極まる風雨の中、一歩一歩歩きます。ちょっと面白い。ちょっと怖い。



小1時間休憩。ホットミルクを飲みました。


雨はさほどひどくないものの、ガスが強風で吹き付けられて

全身くまなくズブ濡れです。


これが高山なんですねぇ・・・


ノースフェイスの普通のウインドブレーカーを着てたんですが

途中ゴアテックスのモンベル雨具にあわてて着替えました。



高山でその威力を発揮、ゴアテックス。


ムレないし、霧も入ってきません。強風にも負けない。


いままでは、そのすごさがイマイチわかってなかったかも。

スゴイゼ、ゴアテックス!







@10:47
中岳(標高2925m)
この天候の中、岩場の急登急坂もあり、ビギナーには厳しい山行が続く。
猛烈な強風雨が初アルプスの僕たちへの厳しい洗礼のように叩きつける。
ん?ちょっと面白い、から、だんだん面白い面白いに変わってきたぞ。少し馴れてきたみたいだ。
猛烈強烈風雨に変わりなし。この、過酷な登山の醍醐味!コワい、楽しい、コワ楽しい!
時折登山者とすれ違う。その度にちょっと安心だ。人が居る、という安心。そうか、悪天候だけどこのくらいなら歩けるんだ、歩いても良いんだという安心。

後に聞いたが、中岳を過ぎたあたりで相方は、もしこのまま天候が酷くなればヤバいのではと思い、かなり恐怖を感じたそうだ。
確かに。僕も頭の隅にはありました。逃げ場がないところでの遭難は、死を意味しますからね。
しかし、ちょっと馴れてきた僕たちは時折なんやかんや冗談混じりな話しをしながらゆっくりゆっくり歩いて行きます。あともう少しだ。

@11:20
木曽駒ヶ岳(標高2956m)
ようやく登頂。
ついに来ました。中央アルプス最高峰!
2、3人登山者が。取り急ぎ駒ヶ岳神社に挨拶をして、頂上木曽小屋へ向かう。猛風雨の稜線上を西へ歩き、少し下ると、ガスの向こうに赤い屋根。


白いペンキで屋根大きく頂上木曽小屋と描いている。
おお!これ、これ!写真やテレビで見たこの屋根!

@11:40
頂上木曽小屋に到着。
ちょうど泊まり客が出て行ったところ。残念ながら、ロープウェイ乗り場で見たあのご主人は来ていなかったが(そりゃそうだ)、味のある老いた小柄な主人がお出迎えしてくれた。シーンと静まり返った小屋内。
訊くと、
もう誰もおらん、あんたらだけじゃ。この天気ですしな。まぁよう来なさった、とりあえず雨具やら濡れたもんここに吊してから上がりなさい。

HARPIN' JOE'S MOUNTAINEERING PHOTO




HARPIN' JOE'S MOUNTAINEERING PHOTO

台風のような中を飛ばされそうになりながら

やっとこすっとこ山小屋にたどり着きました。


途中は腕を折り曲げて、ギュッと体に固定しつつ、なるべく体をコンパクトにして進みました。

ちょっとでも腕をぶら下げると、風で飛ばされて何度も足をとられそうになりました。


こ、こわい。

これが高山なんですね。



開けた山肌の道は岩陰もなく、ビバークなんて無理。

風は止みそうにない。



「ここで立ち止まったら死ぬ」


と何度も思いました。




そんなわけで、写真をとるなんてまったくできませんでしたので

いきなり山小屋なわけです。



着いたら我々しかいませんでした。


そりゃそうだ、こんな日に登ってくるヤツいないもの。




あったかいお茶とかりんとうを出していただきました。


ほんとうにありがたかったです。




つづく。