(9)IT会社を辞めて、塩の会社を起業した理由 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

(9)IT会社を辞めて、塩の会社を起業した理由

私が、IT企業を辞めて、塩の会社を起業した理由をご紹介しています。


(1)  (2)  (3)  (4) は、父が肝硬変で入院し、その病院で、「病気にならない生き方」と「食品の裏側」を読み、娘の未来の子供達の健康は、娘たちの食事を作る私に責任があるのだと思った、という話。


(5)   (6) は、これらの本をくれた、今の会社の顧問・瀬川昌威と出会い、輪島の塩と出会い、ミネラルの重要さを知り、化学で作られたサプリメントの怖さを知り、輪島の塩のユーザになったという話。


(7)  (8) は、いろいろな産地の塩を使い、リンゴの変色実験をやったところ、茶色くなるもの、黄色くなるもの、変色しないもの、いろいろあり、それが、ナトリウムとマグネシウムの比率に関係しているということがわかり、輪島の塩は、人間の血液の比率によく似ていることがわかった、という話でした。続きです。


さて、そんな話を、瀬川は、ピチット時代からよくご存じの料理研究家の杵島直美先生に伝え、輪島の塩に特徴的な料理を考えていただいたところ、杵島先生は、「浅漬け」とおっしゃいました。杵島直美先生のお母様は、やはり家庭料理研究家の村上昭子さん。親子で一緒に梅干しを漬けたり、糠漬けをつけたり、漬物の本もいろいろ書いていらっしゃいます。


その杵島直美先生が、「旬の野菜の浅漬けが、塩だけで、乳酸菌発酵の漬物のような深い味わいになる、これは浅漬けの革命だ」とおっしゃったのです。


「調理用語辞典」の「浅漬け」の項には、「漬け込む期間が短いため、野菜に含まれる成分を失いにくいが、漬物特有のうま味に乏しい。そこで、風味を増すため、みりん、こうじ、コンブ、ショウガ、みそ、とうがらしなどを加える」と書かれています。


だから、浅漬けで、塩だけで、うま味が出ることを、「革命」とおっしゃったわけです。


塩だけで野菜が乳酸菌発酵するものか?と調べていくと、乳酸菌は空気中にも浮かんでいたり、野菜の表面についていたりするので塩だけで乳酸菌発酵するというのはあり得るということでした。


また、他にも、輪島の塩を糠漬けに使っていて、この塩でなきゃ美味しくならない、とおっしゃる先生もいました。


そこで、瀬川は、ピチット時代にお世話になった東北大学名誉教授の藤本先生にこの話をしました。先生は、野菜の浅漬けで、塩によって、乳酸菌の発育数にも違いがでるかどうか計測してくださいました。


予想通り、ゲランドのフルールドセルと輪島の塩は、精製塩や岩塩に比べ、乳酸菌がよく発育しました。逆に、マグネシウムの多すぎる塩では、乳酸菌が育ちにくいという結果も出ました。


発酵食品は美味しいとか、体にいいとか言われていますが、発酵というのは、乳酸菌や酵母やこうじなどの有用微生物を増やし、その力関係で有害な腐敗菌を抑えてしまい、長期間貯蔵ができ、さらに、味に深みが出るというもの。その発酵には、塩が重要な役目を果たしています。


そして、その乳酸菌の育成には、塩のマグネシウムとナトリウムのかなり微妙なミネラルバランスが大きく関与しているということがわかったのです。



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