強いアメリカ、強い日本、強い中国・・・・・強い俺たち | クラスタ民主主義システム研究室

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☆学習とディベート☆ ☆ネットワークデモクラシーを夢みて☆ 
☆教育ディベートを推進しよう☆ ☆「complex system」で思考してみよう☆「ネットワークデモクラシー(Demoex)研究室」からタイトル改題しました。 

アメリカでトランプ候補が旋風を巻き起こしています。ヒスパニックを排斥するためにメキシコ国境に壁(万里の長城)をつくると訴えて支持を広げています。東京にシボレーが走っていますか?と訴え、メキシコ、日本、中国から白人に雇用を取り返すのだと訴え、聴衆を挑発し賛同者を増やしているのです。


バッシング…他者を叩くと仲間が増える。これは人間の集団で共通していますね。


トランプが日中墨を叩けば支持が拡がる…、これは教室で子供が友達を虐めて仲間を増やす仕組みと同じこと。そして、それは、民主が自民を叩いたり、自民が民主を叩いたり、右翼が左翼を叩いたり、左翼が右翼を叩いたり、韓国人が日本人を叩いたり、日本人が韓国人を叩くのと同じ次元なわけです。


でも、日中墨を叩き潰せば強いアメリカに戻るのでしょうか??


同様に、中韓を叩き潰せば強い日本が戻るのでしょうか??


或いは、朝日や民主を叩き潰せば美しい日本が戻るのでしょうか??



悪


私は、その辺りの感覚が理解できないのです。


悪魔を火炙りにすれば天使が舞い降りるのか??


でも、今では多くの人々がそんな疑問を持ちません。


トランプ旋風のように多くの現代人がバッシングに熱狂するのです。




もちろん、移民の中には悪人がいますから、悪を排除することは必要でしょう。しかし、移民の全てが悪人ではない…。それは北米や南米に移民した日本人が証明しましたし、日本に帰化してきた多くの外国人が証明してきました。


けれど、どうしても人間は、日中墨とか、中韓とか、中東とか、均一視してしまいます。というか、均一視して決めつけられた「悪」を叩き排除しようとするのです。。。


この「悪」の問題を別の角度から考えてみましょう。、もちろん、今の時代で南沙諸島に人工島を造り軍隊を配備する中国は間違っています。でも、これを中国側から考えてみると、どうなるでしょう?


中国は、ただ自尊自衛のために、東南アジアに軍を配備し、自国のシーレーンを防衛しようとしているに過ぎません。東アジアと東南アジアに八紘一宇を創り出そうとしているわけです。今の中国の論理は、フィリピンとマレーシアに進軍した日本と何ら変わりはありません。


これが私たち人間の思い込みであり、共同幻想なのでしょう。


強い国家、自尊自衛、国益死守、富国強兵、自国繁栄、鬼畜排斥、我ら正義…


そんな国家ばかりになってしまえば、そこに平和はありません。




いま、自称イスラム国は少年兵を教育して自爆テロを行う戦士に仕立て上げています。


これはとんでもないことであり「明らかに間違いだ」と私たち皆が考えます。


しかし、これと同じことを私たち日本人も行っていた…。


大東亜戦争末期、日本の軍事教練でも少年たちに対戦車地雷を持たせ塹壕から飛び出して自爆する訓練を行っていました。


日本の軍国少年たちは、本土決戦になれば自分たちが神風をおこすんだと意気込んでいたわけです。


私たち人間は同じことを繰り返しているに過ぎません。





いま、世界中の人々が強い国家、強い兵隊、君主(大統領や主席)を信仰(信奉)する民族を熱望しています。


世界中の人々が自国の平和のために必要だと強い国家を熱望しても、そんな強い国家だらけの世界に平和は訪れません。


どこで選択を間違ったのか?…


どこで別の道を選んでいれば良かったのか?…


その答えを私たち日本人は知っていましたが、その答えを知っていた人が、もう今の政治家にはいなくなってしまいました。


なぜこんなことになっているのか?


それは、私たち国民自らが忘れてしまい、その大切な答えが見えなくなっているからでしょう…


私たちがどんな共同幻想の中を生きているのか?


見失わず見極め続けていることが大切ですね。。。


そうしないと中国やトランプの支持者を諭すことはできないでしょう。


そして、トランプのように悪魔狩りする人々が増え続けてしまいます。


ウサギ