前回まで、作詞・作曲・編曲をすることで発生する権利関係を整理して確認をし、そこからヴォーカルの歌や演奏者の演奏をレコーディングする過程で発生する権利というものを順次整理して確認をしました。

 

 

今回から少し閑話休題として、もう少し気楽に読めるようなものを少し書いてから、その次に原盤権のことを書いていこうかなと思いましたので、これまで確認及び整理をした権利が実務上、どのように取り扱われるのかということを確認する意味も含め、アーティストがプロダクションに所属する際に、プロダクションと交わす契約がどういうものなのか、ということを書いてみようと思います。

 

 

 


私はこうしたアーティスト等のいわゆる芸能人がプロダクションに所属する際に交わす契約書というものを業務として大変多く作成させて頂いており(専属マネジメント契約書の作成や雛形提供等についての当事務所ページ→専属マネジメント契約書 )、そうした実務上の経験等に基づき、色々と書いてみたいと思います。

 

 

 


尚、契約の詳細を一気に書いていくと非常に長くなりますので、今回はおよそ契約の概要のようなものを書いて、次回以降、いくつかのポイントに分けて個別に書いてみたいと思います。

 

 


 


 

 


【プロダクションに所属するにあたって交わす契約は専属マネジメント契約】


 

 

 

アーティストに限らず、タレント、アイドル、お笑い芸人、声優等のいわゆる芸能人と呼ばれる方は、芸能活動をしていくにあたって、いわゆるプロダクションに所属することが一般的です。このプロダクションとは、芸能プロダクション、声優プロダクション、お笑い事務所や音楽事務所等を指します。尚、スポーツ選手や文化人等が芸能活動をする際も、芸能人と同様にプロダクションに所属する形がよく見受けられます。

 

 

 


ヴォーカルやギタリスト等のアーティストがプロのミュージシャンとしてアーティスト活動をしていくことになる場合、芸能プロダクションや音楽事務所等に所属した上で、CDの制作及び発売についてはプロダクションとは別にレコード会社と契約をするというような形がわりと一般的であるように見受けられます。尚、アーティストによっては、レコード会社とだけ契約をして、そのレコード会社がアーティストのCDの制作及び販売のみならず、アーティスト活動に関するマネジメントも行っている、というようなケースもあります。

 

 

 


さて、こうしたアーティストがプロダクションに所属するにあたっては、プロダクションとの間で専属マネジメント契約、という契約を取り交わすことが一般的です。この契約の内容をすごく平たくいいますと、そのアーティストのアーティスト活動及びその他芸能活動全般についてのマネジメントを、プロダクションが専属的(独占的)に行いますよ、という契約です。

 

 


専属マネジメント契約、という言い方ではなく、所属契約、専属契約、登録契約、マネジメント業務委託契約といった呼び方をするときもありますが、契約の内容自体はいずれもおおよそ同じようなものです。

 

 

 

プロダクション側から、こうした契約書をアーティストに提示して、アーティストがそれにサインをすれば、契約締結、となります。アーティストの側が契約書を用意するのではなく、およそ通常はプロダクション側が契約書を用意して提示するものとなります。

 

 


 


 

 

 

 

 

 

ということで、まずはアーティストがプロダクションに所属する際にプロダクションと交わす契約が専属マネジメント契約、といったものであるということを書きました。次回は、この専属マネジメント契約の概要を書いていきたいと思います。

 

 

 

次回「アーティストやタレント等が交わす専属マネジメント契約の概要 」につづく

 

 

 

 

 

専属マネジメント契約書の作成、チェック、修正、ひな形提供その他のご相談については、当事務所(藤枝法務事務所)ウェブサイトの専属マネジメント契約書のページをご覧頂ければと思います。
 
 

 

 

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