■恋に落ちる確率

■RECONSTRUCTION　恋に落ちる確率
●「パンチドランク・ラヴ」でバリーが僕の生涯に一度の恋、と思い込み突っ走る。それを運命の出会いとするなら、ココにも男と女の物語りは、ある。



この出会いは、ある男を変えていくが、ここでは主人公の様子が変化するよりも、さらに奥深く不可解な様子で男の周囲が変わっていく。主人公が押してしまった運命の行方を選ぶスイッチ。そこから主人公は、昨日までの過去を消失してしまった状況に翻弄されるのだが、それはそれ、といっておこうか。







物語の舞台は、デンマーク、コペンハーゲン。それだけ良いのだ。後は成り行き。この映画の監督であるクリストファー・ボーに暫く時間を預ければ良い、だけのお話。彼の物語に、暫し付き合ってみては如何だろう。ここでクリストファー・ボーは、これは映画だ、とぬけぬけと言いやがるんデス。それでも惹きこまれる要素は存分にある。





男と女の出会いと別れの道筋はたったひとつなのだろうか。疑えば消えてしまうのが愛、か。幻のように紡がれる物語は、折重なって滑り崩れる短編小説。どのページをめくるか、どこからでも男と女の物語は始まるのだ。何がどうなった、などこの物語に、身勝手な結末を手繰り寄せてもダメだ。そのようなものは端からない、のだからね。ただただ、心が痛い、のさ。はい、この監督の仕掛けに、はまったデス。





これ、2003年のカンヌ国際映画祭でカメラ・ドール受賞作。主演は「しあわせな孤独」のニコライ・リー・コスと、一人二役を演じたマリア・ボネヴィー。この二人に女の夫が傍観者の如く加わる。いいんだ、ワ。ニコライ・リー・コス。粗野で荒ぶったマスクの中に、所在無げな行き場のない男を見せてくれる。ラース・フォン・トリアー監督作「イディオッツ」、スザンネ・ビエール(スサンネ・ビア)監督作「しあわせな孤独」等に姿を見せている。ベルリン、デンマーク国内の映画祭等、受賞作も多い。原題「RECONSTRUCTION」が、どーして「恋に落ちる確率」なんて邦題がついたのか、知らないが、これで日本は、お客は集まるのだろうから仕方ないのか。ちょっと気恥ずかしい邦題、と思うのは我のみか、な。自意識過剰だって、か。苦笑やね。(2003年/製作国デンマーク/アメリカ公開2004年/日本公開2004年)


▲Trailer


▲Trailer:Japan


▲Official site:Japan
オフィシャルは映画の後にご覧頂きたいんだが

●Directer：Christoffer Boe クリストファー・ボー
●Screenwriter：Christoffer Boe　クリストファー・ボー
　 Mogens Rukov モーゲンス・ルーコフ
●Cast：Nikolaj Lie Kaas ニコライ・リー・コス　Maria Bonnevie マリア・ボネヴィー　　Krister Henriksson クリスター・ヘンリクソン　Nicolas Bro ニコラス・ブロ　レオ・サンド　Peter Steen ピーター・スティーン　Ida Dwinger イーダ・ドゥインガー　Malene Schwartz マレーン・シュワルツ　Helle Fagralid ヘレ・ファグラリッド　Isabella Miehe-Renard イザベラ・ミイヘ・レナード　Klaus Mulbjerg クラウス・ミュルブジャーグ