■パンチドランク・ラヴ | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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映画 [新作・旧作・TRAILER] を中心に、ツボにはまり、ボヤキもチラホラの果てしない
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■Punch-drunk Love パンチドランク・ラヴ

●フリップ・シーモア・ホフマンの「カポーティ」 をアップしたら、急にシーモアが脇に出ていた旧作をアップしておこう。「あの頃、ペニーレインと」は既にnikidasuさんがアップしておられるのが嬉しいので、以前、「スパングリッシュ」 アップしたまま、未だ公開にならないのでアダム・サンドラー主演の旧作を一本。





これは、ロスのサン・フェルナンドバレーを舞台にした一人の独身男の物語。主人公は、弱小企業の代表者でありながら、今ひとつ冴えない日々を送るバリー・リーガン。
内にある願望と苛立ちのせめぎ合いを、一人悶々と耐え忍ぶ。だからといって恐ろしく根暗なわけではない。ある人から見れば、変わっているし、また、ある人から見れば、ユニークなのだものネ。





バリーは、相棒のランス(ルイス・ガズマン)と業務用の清掃器具を販売している。鮮やかなブルーのスーツ姿のバリー。何がこれから始まるのか、全く予測もつかないまま、どこか、妙に引っかかる男の仕草、挙動にじっと目を見据えていると、朝は思いもよらない落し物を残して、さらに彼に頼みごとをする女。



さあ、この物語、いったいどうなるんでしょうね。
これもほとんど何もいわないまま、未見の方はご覧いただきたい。Trailerに場面が入っているから申しますがネ、バリーがいったい、何を男に告白しているのか。スーパーマーケットでルンルンしてながら、何でこんなにプリンを買い占めているのか。なんで女性がこう多いんだ?暴力沙汰?、デート?、長い廊下を駆け込んでキスするには、はいはい、わけがありそーだ。





アダム・サンドラーの良さは既に「スパングリッシュ」をアップしているので、あれこれ言っても重複。「サタデー・ナイト・ライブ」出身の役者の一人。今やアメリカの映画界にとっては大切な存在。コメディ畑の人材は間口が広くって、奥が深い。ますます楽しみなサンドラー。
相手役に、なんとエミリー・ワトソンだった。目の前のバリーの向こう側、つまり彼女は彼の魂を読めるのか、という重要な役どころ。こんな女性は、なかなかお目にかかれない、ぞ。で、ワトソンは、監督の期待通りに応える女優だった。やっぱりね。巧いッ!。
テレフォン・セックス産業の背後に控えたのは、フィリップ・シーモア・ホフマン。創意工夫がなんとも溢れた実に蓮っ葉な小悪党デス。バリーの仕事仲間には、「トラフィック」でも好演だったルイス・ガズマンが、癖のあるマスクで、癖のない坦々とした役どころを好演。そこにただただいるのが巧いんだ。



で、監督は「ブギーナイツ」「マグノリア」等で注目を浴びたポール・トーマス・アンダーソン。これ、実話なんだと見た後で知った。ヘルシー・チョイスのプリンを12,000個以上買って、125万マイルを獲得した人物がいたんだと。人には会ってみるもの、たまには添ってみるものかもしれんデスね。それをポール・トーマス・アンダーソンが見事にメリハリの利いたストーリーに仕上げている。人一人の中に眠ったラブリーな感情が、ある日突然目覚めれば、突っ走るんだ。必死になって、夢に見たことがあるよーな僕の虹を掴もうとするんだ。そのためには何だってするサ。健気で型破りで一途で愛らしく、体中に力はみなぎるぞぉ。そーゆー恋があるのだ、ココにネ。バリーの心象風景の如くラズベリーやブルーベリー・カラーに染まるタイトル映像は、ジェレミー・ブレイクが制作している。

ある男がある女に、まるで脳がすっ飛びそうな程に一途に惚れちまった出来事。バリーの一生に一度の恋は、さてどーなるかな。ああ~、ロバート・アルトマンの映画「ポパイ」でシェリー・デュバルが歌った「ヒー・ニーズ・ミー」がいい。ニルソンが作った名曲のひとつは、余韻を残す。劇中でも存分に引っ張られますデスよ。2002年の第55回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞作。(2002年/製作国アメリカ/アメリカ公開2002年/日本公開2003年)






▲Trailer


▲Trailer & Clips


▲圧倒的なファンサイト


●Directer & Screenwriter:Paul Thomas Anderson
●Cast:Adam Sandler アダム・サンドラー Emily Watson エミリー・ワトソン Luis Guzman ルイス・ガズマン Philip Seymour Hoffman フィリップ・シーモア・ホフマン Mary Lynn Rajskub メアリー・リン・ライスカブ


▲カンヌ映画祭時のインタビュー

~Movie World~
コラム「プリンで世界を飛んだ男」より抜粋

カリフォルニア州立大学に勤務する土木技師デヴィッド・フィリップス。彼は、1999年5月にヘルシー・チョイス社が行ったキャンペーン-同年12月31日までに対象商品のバーコードを10枚集めて送ると500マイルのマイレージが貰え、さらに早期応募特典として5月31日までに送ればマイレージがダブルになる、すなわちバーコード10枚で1,000マイルのマイレージが貰える!―に目をつけ、3,000ドルを超える金をつぎ込んで1,250,000マイルのマイレージをGETした伝説の男、プリン男<The Pudding Guy>なのだ。

フィリップスは告知を見てすぐさま考えた。夏休みに家族をヨーロッパ旅行へ連れて行くには?彼は早期締切りになんとか間に合わせようと躍起になった。スープ、シリアル、ポップコーン、パスタソース…と、ついに宝の山を見つける。それはディスカウント・スーパーで1つ25セントで売られていたチョコレート・プリンだった。彼は町じゅうのスーパーを駆け回り、大量のプリンを購入する。買ったプリンはなんと総計12,000個以上!
当初、フィリップスと妻シンディは自分たちでバーコードを剥がしていたが、到底締切りに間に合わない。そこで彼らはプリンを救世軍に寄付し、そのお返しとしてバーコードを剥がしてもらった。さらに良いことには、食料を寄付したことで多額の税額控除を受けられることになったことだ。ちなみに1,250,000マイルのマイレージで、アメリカ国内なら50往復、オーストラリアへ21往復、ヨーロッパへは31往復できる。これは単純に計算すれば合計150,000ドル相当で、おまけに彼はアメリカン航空のAAdvantage Gold Clubの終身会員となり、予約時の便宜、優先搭乗などの特権も得ることになった。
この件でフィリップスはタイム、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、USAトゥディ、ロンドン・タイムズ他のメディアで取り上げられ、一躍有名人となった。以来、友人や仕事仲間は、何か新しいキャンペーンが出るたびに彼にアドバイスを求めに来ると言う。



ポニーキャニオン
パンチドランク・ラブ DTSコレクターズ・エディション
Jon Brion, Andy Cummings, Harry Nilsson, Johnny / Moke, M.K. Noble, Ben / Wise, Fred Weisman, Greg Leisz, Conway Twitty, Shelly Duvall
Punch-Drunk Love [Original Motion Picture Soundtrack]
Paramount Studio
Popeye