「過ぎる十七の春」/それは哀しき呪い | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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小野 不由美
過ぎる十七の春
講談社X文庫ホワイトハート


東亰異聞 』を読んで小野不由美さんの作品に興味が出てきたのと、波津彬子さんの表紙絵に惹かれたので、この本を借りてきました。

波津さんに関して言えば、表紙絵だけではなく、ところどころに挿絵も入っていて、うーん、満足。やっぱり、波津さんの絵は美しいなぁ。

さて、筋書きはといえば。

長い休みには従兄弟の隆の家で過ごすのが、直樹と典子の兄妹の決まりごとだった。この三月も、いつものように従兄弟の家へとやって来たのであるが・・・。

彼ら兄妹を里山で迎えたのは、いつもの春と変わらぬ咲き乱れる野の花々だったけれど、従兄弟の隆の様子だけが違っていた。この春はいつもと違う・・・。母一人、子一人で暮らす心優しい隆が、伯母に向ける視線は暗かった。愛猫の三代も、なぜか隆に近寄ろうとはしない。

直樹の母も、隆の母も、「十七」という言葉に過敏に反応する。直樹、隆の二人が十七を迎えるこの春。彼らに一体何が起こるのか??

ホワイトハートだから、ってわけではないのだろうけれど、お話としてはちょっと食い足りないかな。キャラはみんなそれなりに良いし、典子に妹萌えはするかもしれないけど。一応ホラーに分類されているみたいだけれど、それなりに整合性があるので、あまり怖い話ではありません。どちらかといえば、哀しいお話(ま、でも、綺麗に纏まってるので、どこかで読んだ話とも言えなくもない)。

「あとがき」によると、この作品、過去、呪われた十七歳』というタイトルで、朝日ソノラマから出版されていたそうです。なんか、ホワイトハートとソノラマの違いを見るようで、ちょっと面白かったです。ソノラマの方は、ちょっと怪しげだよねえ。