「お笑い!バリアフリー・セックス」 | 月灯りの舞

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自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「お笑い!バリアフリー・セックス」
  ホーキング青山:著
  筑摩書房(ちくま文庫)/2005.9.10/714円

笑いバリアフリ

史上初、車イスで暴走する、身障者芸人・ホーキング青山。
ついに、自分自身の下半身をお笑いネタにしてしまった。
コンプレックス、性欲、差別といった、人間の心の
奥のほうにあるやっかいなモノを探り出しては、
爆笑の弾丸をぶち込む!養護学校での思春期、
車イスでの初体験、健常者とのセックス…。
でも、けっきょく、こればかりは皆おなじ!?
究極の人生論。      <裏表紙より>


三年前こ刊行された「UNIVERSAL SEX」の文庫化。
特別視されてしまう「障害者の性」を
健常者同士が笑い話として、酒の肴として
話す様に語られるようにするというのが著者が
連載時に思ったことだという。

障害者の性については「セックスボランティア」で
読んだが、これはとてもデリケートにデリケートに
書かれていた。
しかし、ホーキング青山の語る「障害者の性」は
なんて、あけすけなんだろう。
ここまで言うか! って、あんぐり。
ブラックジョーク満載で、暴言も多い。
でも、ひねてないので痛くなく、読める。

「身障者芸人、お笑い性生活!
すべての人々に愛と希望を贈る人」
と帯にあるけど、
何より、ホーキングいろいろヤっちゃって
いい思いしてるから、なんか、明るい性生活って
感じで希望がもてる。

でも、子どもの頃に父親に「オマエなんかどうせ、
そんな身体なんだから、一生女なんて知れねえんだよ!
んだったら、オレの女房でも抱かせてやろうか?」と
言われて、自信喪失したというエピソードには
驚いた。

養護学校で、保健体育の授業で刺激された男の子を
男の先生がトイレでおちんちんをシゴいてあげ、
フェラまでしてあげていたのを目撃したという
エピソードも衝撃的だった。


自慰行為をしたくなって介護員にたのんでも
してくれないという事実も多いらしいが、
やはりこの問題はちょっと考えてしまう。
でも、ホーキングは、人に頼んだに「もう自慰
行為じゃないだろ」と突っ込む。

実際、ホーキングみたいに恵まれた方ばかり
じゃないし、大変なことも多いと思う。
だけど、へんにダークなものとして扱うのも
どうかとも思う。難しい問題だけどね。



車イスに こんにゃくをおいて、いつでもどこでも
自慰ができるようにしているっていうエピソードは
笑ってしまったし、乙武君をはライバル視してる
話もおもしろい。
巻末の解説はオーケンで、これもまたおもしろい。




★「セックスボランティア」の感想はこちら
http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10001142037.html