牌効率初歩の初歩1 | 【三麻十字軍 Sanma-Crusaders】

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麻雀格闘倶楽部の三麻について戦術っぽい事を覚書として書いてみる。
タイトルは昔読んでいた雑誌の連載タイトルを真似てみた。

牌効率初歩の初歩0」の続き。


■「牌効率の基本理念」
以前の記事に書いた事の繰り返しになるが基本的な考え方について。

・「最強水準になるための麻雀講座:面前メンツ構成技術論」の「牌効率の基礎要素」より引用
「「課題」において、その成功確率のうち最も低い確率をより高める」

これが考え方の根っこで、以降これを「牌効率の基本理念」と表記する。
「牌効率の基礎要素」は一読しておくべき。
特定の牌姿での牌効率を勉強するよりも、まずはこの考え方に従った打牌を心がける事。

現シャンテンの受け入れ枚数より将来の受け入れ枚数が増える選択をする。
1シャンテンでの受け入れを増やすために1シャンテンで余剰牌が出ないようにする。
面子化しやすいターツよりも面子化しにくいターツに補助牌を付ける。
これらは全て「牌効率の基本理念」に従った結果である。


麻雀一番街」の「シャンテンの成功率
2シャンテンの受け入れを減らしてでも1シャンテンの受け入れを増やすべきであることが一般化して証明されているので興味のある人は一読されたし。


■面子の整理
孤立牌の整理が終わった後の話。
孤立牌の整理が終わったら、面子オーバーの場合は「5ブロック理論」に従い一番面子化確率が低い面子候補を外す。
「5ブロック理論」についての詳細は下記リンク参照。

『5ブロック理論』(メンツオーバーの対応)

少しだけ補足。
23455のような面子とトイツが連続した形は良形変化のタネになり得るので安易に崩さない事。
また、6枚で2面子を作りにいく比較的面子化確率が高い構成について見落とさないように。
いくつか例を出すので、面子候補を絞る際にこれらの形を安易に崩さないように気をつける事。
112345 トイツ+両面
134556 カンチャン+両面
134568 カンチャン+カンチャン
134566 カンチャン+トイツ
122346 ペンチャン+カンチャン


■面子候補の変化
基本的に内側(厳密には両面への変化が望める方向)に寄せる。

12
↓ 4をツモって1切り
24
↓ 5をツモって2切り
45

これは問題無いと思う。
12に4をツモって1を切り24に受けてもその場では受け入れ枚数は変わらないが、その後の5ツモによる両面変化を見越してペンチャンからカンチャンに受けかえる。

112
↓ 2をツモって1切り
122
↓ 4をツモって1切り
224
↓ 4をツモって2切り
244
↓ 5をツモって2切り
445

ここの112→122、224→244も将来の両面変化を期待して内側に寄せるべき。
112に対して2をツモ切ってしまうとその後の4ツモで泣きをみる。
さすがに112から445まで変化する事はそうそう無いが、224まで変化して5をツモるのは結構ある。
なお、112で2ツモった時に2が2枚切れとかの場合はさすがにツモ切る。

複合形について1例だけ。

456799
↓ 4をツモって9切り
445679
↓ 3をツモって9切り
344567

456799→445679も内側に寄せる事。
シャボ好きは最初の4をツモ切る傾向にあるが、その後の3ツモ時の牌姿に差が出る。
345679
344567

前者は9が余剰牌でしかないので、明らかに後者の方が優れている。


■1シャンテンでの受け入れを増やす
面子オーバーが解消され5ブロックが定まった後の話。
1シャンテンでの受け入れを増やすためのコツは、トイツ+面子候補×4の形を意識し、面子候補×5の形は避ける事。
テンパイに近いシャンテンでは頭をどこにするかについて強く意識する事。
面子候補×5の形は補助牌付き面子候補が面子化していくと1シャンテンで余剰牌が出る。
トイツ+面子候補×4の形はどこが面子化しようとも、1シャンテンで余剰牌が出ない

111m23668s334899p
上記牌姿について、面子候補毎(完成面子も含む)に分解すると面子候補×5の形となっている。
111m 23s 668s 334p 899p

トイツ+面子候補×4の形にするため、8s/4p/8pのいずれかを切る。
この場合、668s 334p 899p では 899p が一番面子化確率が低い為、それを面子化する事を諦めて8pを切って99pを頭とする。

8p切ってトイツ+面子候補×4の形にした場合の変化例
111m23668s33499p
↓ 7sツモ6s切り
111m23678s33499p
23s 334p 99p の1シャンテンとなる。

3p切って面子候補×5の形にした場合の変化例
111m23668s34899p
↓ 7sツモ6s切り
111m23678s34899p
23p 34p 899p の1シャンテンで8pが余剰牌となっている。

8p切りより3p切りの方が直後の受け入れは多いが1シャンテンで余剰牌が出る手順が存在する。
「牌効率の基本理念」より、1シャンテンで余剰牌が出る手順が存在する3p切りは損である。

別の切り口でもう一例。(都合により四麻の牌姿)
567m23667s334788p

面子候補毎に分解する。
567m 23s 667s 334p 788p

トイツ+面子候補×4の形にするための打牌候補は7s/4p/7pだが、ここでは赤5の受けを残す7p切りについて考える。
面子候補×5の形にするための打牌候補は6s/3p/8pで、ここでは6s切りについて考える。
それぞれを切った時の現在の受け入れ枚数を比較する。

7p切り、14568s2358pの9種30枚。
6s切り、1458s235689pの10種36枚。

現在の受け入れ枚数は面子候補×5の形の方が6枚多く優秀である。
しかし、例として出した牌姿について一人麻雀練習機で確認すると、あにはからんや、トイツ+面子候補×4の形の方がテンパイ率が高い。
(「牌効率の基本理念」からは予想された結果であるのだが)

なお、この手順は面子候補×5の形を推奨している「スリーヘッド最弱理論」と対立する。
「スリーヘッド最弱理論」は「牌効率の基本理念」に立脚しない、現在のシャンテンでの受け入れを最大化する手順のためである。

「スリーヘッド最弱理論」に限らず簡単な言葉で牌姿を一般化してキャッチフレーズにしたセオリーは初心者のうちは眉唾だと思った方が無難。
簡単な言葉で一般化された牌姿に共通で適用出来るようなセオリーなどそうそうあるはずが無いので、適用されない(そして思いの他多い)例外についても覚えなくてはならないであろう事が容易に想像が付く。
そんなものを覚えるよりも「牌効率の基本理念」に従った打牌が出来るようになった方がよほど役にたつ。


■5ブロックからの変化手順
以降、トイツ+面子候補×4が整った後の話で、そこからの変化手順について簡単に。

・補助付き面子候補が面子化した場合はそれを面子として固定させる
111m23668s33499p
↓ 7sツモ6s切り
111m23678s33499p

・トイツがアンコ化した場合は補助付き面子候補の一つをトイツ化する。
111m23668s33499p
↓ 9pツモ8s切り
111m2366s334999p

・補助なしターツが面子化した場合は補助付きターツの一つを補助なしターツとする。
111m23668s33499p
↓ 4sツモ3p切り
111m234668s3499p
ここで3pではなく8s切ったりしない事。

123668s22356p白白
この牌姿に6pツモって8s切ったりしない事。

シャンテンが進んでも「トイツ+補助付き面子候補+補助なしターツ」の形が金太郎飴のように(?)ウネウネと繰り返し出てくる手順を踏んで余剰牌を出さないのがポイント。
(その為に、トイツ+面子候補×4の形を作る)

牌効率の実習については「一人麻雀練習機」をオススメしておく。
(「一人麻雀練習機」は苦手な牌姿の洗い出しについてもオススメ)
今まで書いてきた「牌効率の基本理念」に従った手順である以下の内容について、ちょっと慣れれば機械的に処理出来るようになる。
・「5ブロック理論」による面子オーバー形の処理
・「トイツ+面子候補×4」の形にする手順とそこからの変化手順

特に三麻はこれらが出来ていないと1シャンテンの牌姿がグダグダになるのでしっかり身に付ける事。


次回は鳴きについて。