フォーン・ブース(6点) | 日米映画批評 from Hollywood

フォーン・ブース(6点)

採点:★★★★★★☆☆☆☆
2003年11月28日(映画館)
主演:コリン・ファレル
監督:ジョエル・シューマーカー
脚本家:ラリー・コーエン


 全編電話ボックスの中だけで進むという前代未聞のシチュエーション設定に強烈な魅力を感じた作品。


【一口コメント】
 全編電話ボックスだけで進む今までにない新しいサスペンスです!


【ストーリー】

 パブリシストであるスチュは妻の他に恋人を持ち、嘘で上辺を塗り固めた人間。そんな彼がフォーン・ブースに入り、その恋人に電話をかけた。しばらく話をした後でスチュが受話器を置いて外に出た途端、ベルが鳴り、思わず受話器を手に取ったスチュ。
 電話の発信者は周囲の高層ビルのどこかからライフルで彼を狙い、言うことを聞かなければ殺すと脅迫する。一方、公衆電話を使いたい娼婦達がスチュにフォーン・ブースを出ろと脅しをかける。その瞬間、娼婦達の客引きである男が射殺される。やがて警察やテレビ局がやってくる。
 スチュに電話を切るよう説得するレイミー警部。妻と恋人に真実を告白して謝罪しろと強要する電話の主。やがて妻と恋人も現場にやってくる―――。

【感想】

 見終わった直後の感想としては、面白かった!けど何かいまいち腑に落ちなかった。見ている最中はスピルバーグ監督の「激突 」を思い出しながら、見ていた。「激突 」の舞台は乗用車とトラックの走る道路だけ、そして犯人は最後までわからないという設定で、今作の舞台は電話ボックスだけ、そして同じく犯人は最後までわからないという設定であり、なんとなく同じ匂いを感じていた。
 腑に落ちなかったのは冒頭で携帯電話の普及と公衆電話の状況を述べているにも関わらず、携帯を持っている主人公が公衆電話を使ってしまう点だろう。劇中でその理由を述べてはいるが、なるほど!とは思えず、むしろもう1つ携帯を持てばいいじゃないか?と思ってしまったから。
 それ以外の点においては、電話ボックスに入るまでに現在の電話の状況とスチュの人間性を描き、観客は事前にボックスに入ってからの犯人とのやりとりの中で必要な情報を知ることができる。そしてボックス内では犯人とスチュと警察の三つ巴の駆け引き、スチュと妻の愛を描き、見ていて飽きることない作品だった。
 ところで主演のコリン・ファレルは「
マイノリティ・レポート 」、「S.W.A.T 」と大作への出演が続き、今後が楽しみな俳優になりました。