S.W.A.T.(5点) | 日米映画批評 from Hollywood

S.W.A.T.(5点)

採点:★★★★★☆☆☆☆☆
2003年10月3日(映画館)
主演:コリン・ファレル、サミュエル・L・ジャクソン
監督:クラーク・ジョンソン


 映画館で見た予告編史上、心をくすぶられた作品は数多いけれど、この作品ほどくすぶられたのは珍しい。逮捕された麻薬王が逃亡させた奴に1億ドルやる!と宣言。それを聞いた悪人たちと、警察との戦いを描いた作品。


【一口コメント】
 アクション映画としては及第点の作品。


【ストーリー】
 全体は大きく3部構成に分けられる。
 まず第1部はSWATの紹介とチームの編成過程を描いており、紹介部分ではSWATがどのような組織なのか、そして今作の二人の主役(元は同じSWAT隊員)が善と悪に別れていく過程、そして新しいSWATチームのメンバーを見つけていく過程を描いている。
 第2部はメンバーの訓練課程を描いており、メンバーそれぞれのバックグランドが見えてくる。
 そして第3部で、麻薬王を逃亡させようとする連中とSWATの戦いをテンポの良い演出で見せてくれる。

【感想】

 アクション映画としては普通に楽しむことのできる作品だと思った。アメリカでは興収1億ドルを超えるヒットとなり、続編が作られそうな雰囲気がする。内容的にも作られる雰囲気が漂っている。
アクション映画である以上興奮することは大前提で、その点では合格点だった。アクション映画であるにも関わらず、興奮することのない映画はその時点で失格。
 アクション映画というのは見ている最中は面白い(だから概してつまらない作品は少ないと思う)のだが、欠点として映画館を出てしばらくするとストーリーを忘れてしまうことがよくある。これはアクションにばかり目がいってしまい、ストーリーが心に響かないからだと思う。それを解消するにはよほど緻密な脚本があるか、かなり斬新なアイデア(ジャンルは違うが、「
トゥルーマン・ショー 」は斬新だった)がこめられているか、今までに見たことのない新鮮な映像美があるかのいずれかだと思うのだが、その点からいくと、この作品は不合格だ。上記の3点のいずれも満たしておらず(しいて言えば現役SWATvs元SWATの戦いという設定は良かった)、昨日見たにも関わらず、印象が薄い。

 しかし、この映画のすごいところは中学1年生はタダで見れるということだ。(この映画がすごいというよりは配給会社がすごい!)映画館デビューとなりそうなこの年代に映画を映画館で見ることの楽しさを知ってもらおうという戦略(長期的な考えで映画人工を増やすってことだろう)には一映画ファンとして素直に感心してしまう。
 しかし"中学生"に対して、何故この作品だったのか?というのが、引っかかるのだが、それは利益とか権利とかいろいろと"大人"の事情というのがあったのだろう。