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August 15, 2017

君の膵臓をたべたい (9点)

テーマ:邦画

採点:★★★★★★★★★☆
2017年8月11日(映画館)
主演:浜辺 美波、北村 匠海、小栗 旬、北川 景子
監督:月川 翔

 

お盆で空いているかと思いきや、意外に混んでいた映画館。特にこれを観たい!と思って行ったわけではなく、やっている中から適当に・・・と思って、いざ映画館に到着すると「トランスフォーマー 最後の騎士王」、「スパイダーマン:ホームカミング」、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」といったハリウッドの大作シリーズものやトム・クルーズ主演の「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」、ジブリから独立した監督による新作アニメ「メアリと魔女の花」、ヒット漫画原作の「東京喰種」などが並んでいる中、選んだのがこの作品だった。選んだ理由はそのタイトルの奇抜さと主題歌がミスチルというそれだけの理由で、ストーリーについては全く知識のない状態で鑑賞した。

【一口コメント】
 タイトルだけならホラーか何かだと判断してしまいそうな作品だが、実は涙の感動作品です。

【ストーリー】
 母校の高校で教師をしている春樹は机の引き出しに辞表を隠しながら毎日を過ごしていた。そんなある日、廃館が決まった図書館の蔵書を整理する役目を任される。高校時代に図書委員としてラベルを整理した経験を持っており、蔵書を整理する過程で1人の生徒と会話をする中で、春樹自身の高校時代の話になった・・・。
 クラスの中でも地味で目立たない春樹は、ある日病院で、クラスで人気者の桜良の闘病日記「共病文庫」を偶然見つける。その日記がきっかけで彼女が膵臓の病気で余命わずかなことを知り、なんとなく一緒に過ごすようになる。自分の死が近いことを知りながらも悲観的な素振りを一切見せずに明るく振る舞う桜良、そしてそんな彼女の秘密を知りながらも同情をするわけでもない春樹。桜良が死ぬまでにやりたいことに付き合う中で、人付き合いが苦手だった春樹も少しずつ変わっていく―――。

【感想】
 タイトルからホラーだと判断してしまいそうな作品だが、さすがにミスチルが主題歌を歌うだけあって、ホラーではなく、涙の感動作品だった。
 全体的な印象としては、大人になった主人公が学生時代を振り返りながら物語が展開していく感じや、ヒロインが不治の病に侵されている感じなど、「
世界の中心で、愛をさけぶ」と似た印象を受ける。そういえばセカチューは2004年公開なので、あれから13年も経っているんだなぁ・・・と懐かしい気持ちになったりもした。

 さて、この映画のタイトルである「君の膵臓をたべたい」。観終わってみると鑑賞前とは違った意味で改めてすごいタイトルだと感じる作品。
 昔、夏目漱石が「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね。」と訳せば日本人には伝わると言ったとか言わないとかの逸話があるのだが、それに通じる言葉をタイトルにして、さらにエンディングの最後の最後に持ってくるという荒業を成し遂げている。

 主人公の2人は恋人ではなく、あくまでも"仲良しさん"として描写されている。そんな関係性の中で引っ張っていくのは女性の桜良で、そんな彼女に振り回されるのが男性の春樹。頼りなくもあり、いじらしくもあり、微笑ましい関係性。
 そんなライトな関係性だったからこそ、この作品のテーマ=生きることの意味が最後の最後で効果的に効いてくる。これを2人の恋愛感情を中心に描いてしまうと、"生きることの意味"が薄れてしまっていたのだが、そのあたりのバランス感覚がとても上手かった。
 前半は主人公の春樹(=男性)目線、後半はヒロインの桜良(=女性)目線で描かれていて、感情移入のスイッチが2つあるあたりも上手い。前半は桜良の行動に振り回されっぱなしだったが、後半は桜良の生きることに対する強い思いと、1人の人間としての(男性としてではない・・・)春樹に対する熱い想いが前半の会話のシーンを再現しながら描かれていて、見た目の明るさとは違う、内に秘めた感情に良い意味で振り回される。
 このヒロイン像が鼻につくという人も恐らくいるだろうと思われるほど、とことん明るく"いたずらっ娘"なのだが、自分の場合は「東京ラブストーリー」のヒロイン・赤名リカが高校生だったらこんな感じだろう、と思って観ていた。赤名リカを大好きだった自分はすんなりと(いや、むしろ熱狂的に?)桜良のキャラには感情移入できたし、春樹が彼女に振り回されることに対しても何の違和感も感じなかった。
 また自分が高校時代に余命を宣告された場合、悲劇のヒロインを演じるよりは恐らく桜良と同じようにやれることをやり、言いたいことを言い、自由奔放に振る舞っていたであろうことを考えると彼女の行動に不自然さは感じなかった。
 その一方で春樹のように冷静に振る舞う自分がいることも想像できるため、この2人のバランスはとてもしっくり来るのだが、もしかすると自由奔放に振る舞えなかったり、人の行動に振り回されるのが嫌な人にとってはただ鼻につくだけで物語に感情移入するどころではないのかもしれない。

 物語が進み、共病日記に書かれた桜良の本当の思いが明かされていくと、より強い思いが胸にこみ上げてくる。家族以外は、例え親友の恭子でさえも秘密を打ち明けない彼女なりの優しさと死に対峙する孤独の両面が見えてくるからだ。
 偶然とはいえ、秘密を知ってしまった春樹に対して「本当は君のようになりたかった」とある種の憧れのような感情も見せる。それは自分にはない"強さ"を持った春樹に対して抱く桜良の想いである。
 片や同じように自分にはない"人との関わりの中で生きる"彼女にひっかかりを覚えた春樹の想い。2人のそれぞれの想いが交錯していくストーリー展開は見事。

 また桜良は"運命"を否定し、「運命とは選択の積み重ねの結果」だと言う。病院で春樹が共病日記を拾ったのは決して偶然でも運命でもなく、あくまでも"拾う"という選択の結果というわけだ。当然"拾わない"という選択肢があり、"拾う"ことを拒否することもできたわけだから。
 そして作中に何度も登場する「真実と挑戦」ゲーム。これこそが端的にこの"選択"の重要性を表現するツールとして描かれていて、ゲームというなんとなく楽しそう、かつライトな切り口から2人の深層心理に迫っていくあたりの描写もとても上手い。
 その流れの中で、この作品の核心ともいうべき"生きることの意味"を、実は春樹がずっと避け続けてきた価値観だという逆説的な答えとして提供している(大人になった春樹を見る限り変わらなかったようだが・・・)。

 そして桜良が病気ではない理由で死んでしまうシーン。人によってはかなり違和感を感じるシーンかもしれない。だがこれこそが、桜良が言っていた"人は必ず死ぬ"ということ、逆を返せば"生きる"ことの難しさをこれ以上ないほどの驚きを持って伝えているシーンなのだ。
 そしてその喪失感は胸の奥に静かに蓄積してきて、春樹が1ヶ月苦しんだ後、桜良の親を訪ねて、「筋違いなのはわかっているんですけど、泣いてもいいですか?」と言ったシーンでは春樹と同じものが頬を伝っていた。

 そしてそんな2人を演じたのが知名度がそこまで高くなく、他の作品での色がついていない若手俳優というキャスティングも上手い。ただし興行的に成功させる必要があるため、大人になった春樹と桜良の親友だった恭子を小栗旬と北川景子で固めるというあたりも絶妙。

 実は共病日記を春樹が読むシーンで何か凄い謎解きがあるのか?と思ったら、意外と拍子抜けの普通の内容しかなくて、うーん?と思っていた。しかし物語前半で図書委員となった桜良がでたらめな番号を振って、正しい番号を付けるように怒る春樹に「頑張って探して見つけた方が嬉しいでしょ、宝探しみたいで!」と言った台詞が、からかっているだけの台詞かと思っていたら、実は重要な伏線となっていて、最後の最後に綺麗に回収された瞬間は爽快感と感動が一緒に訪れた。そういえば桜良の死も実は伏線が張ってあったことにも後から気づいてもう1度爽快感を味わえた。
 ただし、別に手紙に分ける必要もなく、共病文庫に書いてあっても問題はなかったのではないか?とも思う。

 また桜良の親友だった恭子の結婚式当日に手紙を発見し、それを式の前に持っていって渡すのはちょっとやり過ぎだと感じる。春樹の興奮を伝えたかったのかもしれないが、それは後日でも良かったのではないか?というのが正直なところだ。

 とはいえ、上記2点を除けば、ここ数年の邦画の実写作品の中ではトップレベルの仕上がりであり、もし"大人になってから高校時代を振り返る映画"というジャンルが存在するならば、2000年代を代表する「
世界の中心で、愛をさけぶ」と同じように2010年代を代表する作品となること間違いなしの作品です。

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July 09, 2017

ハクソー・リッジ/Hacksaw Ridge (8点)

テーマ:ドラマ

採点:★★★★★★★★☆☆
2017年7月1日(映画館)
主演:アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ヒューゴ・ウィーヴィング、テリーサ・パーマー
監督:メル・ギブソン

 

パッション」で史上最高級にグロい映像を創り出したメル・ギブソン監督の最新作で、戦争描写としてはスピルバーグ監督作品「プライベート・ライアン」と並び称されていたので見に行った作品。 

 

【一口コメント】
 期待以上のグロい映像と期待以上のヒロインに心奮える作品でした。

 

【ストーリー】
 ヴァージニア州で生まれ、兄とともに野山を駆け回る活発な少年時代を過ごしたデズモンド・ドス。第一次世界大戦で心に傷を負い、酒に溺れ、母に手を挙げる父親を見て育った。ある日、兄を危うく殺しかけてしまう出来事が起き、モーゼの十戒の1つ「汝、殺すことなかれ」という教えを胸に刻む。
 15年後、デズモンドは偶然立ち寄った病院で看護師のドロシーに一目ぼれする。彼女と幸せな日々を送っていたが、第二次世界大戦が激化し、デズモンドの弟も周りの友人達も次々と出征する。そんな中、デズモンドは「衛生兵であれば自分も国に尽くすことができる」と陸軍に志願する。
 少年時代に野山を駆け回って過ごしたこともあり、体力には自信があったデズモンドは軍隊の訓練をなんなくこなしていく。しかし、ライフルの訓練が始まったとき、デズモンドは断固として銃に触れることを拒否する。それがきっかけとなり、軍法会議にかけられてしまう!!
 父親の尽力もあって、無罪となったデズモンドは1945年5月、沖縄「ハクソー・リッジ」へと上陸する―――。

【感想】
 いろいろと見応え満点の作品だった。
 オープニングはいきなり戦場の場面。火炎放射器で生きながら炎に包まれる戦士たち、その足元にはたくさんの死体が映される。その後、主人公の幼少時代にさかのぼる。その中でデズモンドが殴り、兄が命の危機を迎えるシーンがある。
 この冒頭での対比によって、軽く描かれがちな戦争における1人1人の"命の重さ"というものを、改めて伝え直してくれている。恐らくこの作品を見る世界中の多くの人は実際の戦争を経験したことがない人だと思う。そういう人たちが戦場における"死"を感じることは難しいが、兄弟という身近なところで"死"を感じさせることで、観客にも大きな印象を残している。
 このあたりの演出は非常に上手い。

 またグロい映像を撮らせたらこの人の右に出るものはいない!と個人的に思っているメル・ギブソンらしい、グロさ満点の映像もさすがだった。戦争映画を見たことがない人が、心の準備なしにいきなり本作を見てしまったら、トラウマ級のすさまじい映像だと思う・・・。
 具体的には頭が吹き飛んだり、胴体が割れて腸が出ていたり、両脚がちぎれていたり・・・。更にうじ虫がわいている死体や、野ねずみが食べている死体なども登場する。グロさのフルコースと言っても良いかもしれない・・・。
 ただし映像ではなく、音響という意味ではやや物足りなさがあったのも事実。もしかしたら映画館の音響システムの違いかもしれないが、銃弾が前から後ろへ、左から右へと飛んでいく効果はあまり感じられなかった。また「
プライベート・ライアン」とは異なり、音響効果の真価を発揮するアイテムの1つである戦車が登場しないのも1つの要因かもしれない。

 多くの人物が登場するが、個人的にはヒロイン役のテリーサ・パーマーが非常に良かった。
 初登場のシーンから恋に落ちて行くあたりの流れ(告白シーンはいかにもアメリカ的で、日本ではありえないが・・・)が戦争という重いテーマを扱う作品の清涼剤的な役割も兼ねていて、作品の緩急をつけるという意味で非常に良い。特に道路を横断しようとして車にひかれそうになる一連のシーンのやり取りが何とも初々しくて素敵だ。
 そしてこの2人の描写が後の軍法会議において、大きな役割を果たすのも上手い。最愛の妻からの願いであっても、自分の信念を曲げない主人公。これが恋愛描写なく、ただ信念を曲げない描写になっていたとしたら、そこまで深く主人公に感情移入することはなかったかもしれない。観客1人1人があのシーン(信念を曲げないと人生が終わる危険性が極めて高い状況)で自分の妻、もしくは子供、恋人などから自分の信念を曲げてくれと頼まれたら?という想像を頭の中でイメージしたはず。そのイメージの前段として2人が恋に落ちるシーンが非常に重要になっているわけだ。
 そんな重要な役どころを演じたテリーサ・パーマーだが、主人公に負けないくらい信念を曲げない(自分の夫を何があっても信じ抜く)強い女性でありながら、夫にだけしか見せない可愛らしい笑顔を見せるような女性を見事に演じきっていて、彼女の次回作も見てみたいと思った。

 ここからはマイナス面。
 一度たりと弾切れしない銃や、相変わらずの腹切り描写など、いくつか突っ込みどころがある。
 それでも腹切りに関しては、アメリカから見た"敵"である日本軍の描写としては、ありかもしれない・・・。というのもその直前に降伏と見せかけてのだまし討ち作戦を描いていた(=日本軍の姑息さの表現)こともあり、この腹切りは"敵"であっても、人間としての潔さであったり、命の尊厳のようなものを表現する手段として考えれば、ハリウッド映画(=世界中の人が娯楽として楽しむモノ)の描写としては一方的な勧善懲悪ではないという意味において、過去の作品とは一線を画していると言えるかもしれない。

 またこの作品最大の欠点はデズモンドが崖の上から1人ずつ負傷兵を降ろしているのに、崖の下にいる米兵は誰も上に行かないという描写。最初は誰かもわからない謎の人間が謎の何かを降ろしているということで不思議がるのはわかるが、その数が10人、20人となって同じ仲間だと分かれば、崖の上に行くのが普通ではないだろうか?
 主人公の偉業を際立たせたかったのかもしれないが、この描写だけは腑に落ちなかった。
 それと個人的には最後のエンディングは国に帰還し、妻とのハッピーエンドまで描いてほしかった・・・。

 この作品は史実に基づいた作品なのだが、第2次世界大戦当時にアメリカでは法律で良心的徴兵拒否が認められていたことを知り、更に戦場においても銃所持を拒否することができるという事実に驚かされた。
 それと共にアメリカの先進性というか、寛容さのようなものに少しながら感心させられた。もちろん映画でも描かれているようないじめなどがあり、簡単なことではなかったのかもしれないが、とにかくその発想そのものが信じられなかった。

 というわけで、戦場で銃を持たなくても英雄になれるというシンプルなストーリーながら、戦争のもたらす悲惨さを十分に描き切り、その一方で家族(主人公の親、そして愛する妻)との喜怒哀楽の共有もしっかりと描かれていて、心奮えた作品でした。

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May 31, 2017

メッセージ / Arrival (8点)

テーマ:SF

採点:★★★★★★★★☆☆
2017年5月27日(映画館)
主演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

 

 以前に映画館で見た予告編が面白く、調べてみたらアカデミー賞8部門ノミネート、1部門受賞作品であったため鑑賞した作品。 
 

【一口コメント】
 キューブリックの「
2001年宇宙の旅」+スピルバーグの「未知との遭遇」を2で割らないレベルの傑作です。


【ストーリー】
 何の前触れもなく、地球の12か所に突然現れた楕円形の宇宙船。その中の1つであるモンタナの米軍キャンプに言語学者のルイーズと物理学者のイアンは米軍のウェバー大佐に連れられてやってくる。彼らの任務は2体の地球外生命体とコンタクトし、地球来訪の目的を聞き出すことだった。
 いろんな手段を試した結果、口頭での音によるコミュニケーションではなく、文字によるコミュニケーションに活路を見出したルイーズ。そしてとあるメッセージが判明する―――。
 その一方で中国をはじめとする数か国が武力に訴えようと行動を開始する!!

【感想】
 見終わった直後にいろいろと考えさせられる作品だった。
 「時は流れるものではない」という壮大なモノローグで始まった今作だが、正直、見ている途中は何だこの駄作は!?と思いながら見ているシーンもあったのだが、途中途中で提示されたミスリードと伏線を回収する仕掛けが最後の最後に待っていた!!
 「
シックス・センス」程、すべてのピースが一瞬でつながる気持ちよさはないが、それ以上に長い時間考えさせられる仕組みであり、考えることが好きな人にはたまらない仕上がりと言っても良い。
 SF映画で宇宙人と聞いて、地球人vs宇宙人的な映画を期待しているとかなり裏切られるし、そういう視点でこの作品を見てしまうと最後に待っている仕掛けの本当の意味にも気づかないまま、「駄作だった」という感想を持ってしまう。実際自分もそうだった。しかし映画館からの帰り道、いろいろと考えを巡らせていたら「実はものすごい傑作なのではないか?」という考えが宇宙船さながらに突然頭の中に現れたのだ!!伏線の張り方、そして最後に明かされたある仕組みを最大限に活かした編集。その意味が分かると恐らく多くの人が2度目を見てみたい!と思う見事な作品と言わざるを得ない。

 

 ただし映画という意味では映像表現にもう少し工夫をしてほしかった。ルイーズを演じたエイミー・アダムスとその娘の物語がフラッシュバック的に何度か挿入されるのだが、娘は着実に歳を重ねているのだが、エイミーの顔はまったく歳を重ねない。あの仕組みを考えればフラッシュバックでありながら歳を重ねないのは逆の意味で不自然であり、ハリウッドのメイク技術をもってすればできないことでもないはず。
 また宇宙人のデザインについても、もう少し何とかならなかったのか?と思わずにはいられない。今まで何度となくハリウッド映画の中で宇宙人は描かれてきているのだが、今作の宇宙人はオリジナリティがほぼない。一言で行ってしまえば7本足のタコ。彼らが地球に来た目的を考えれば前後左右という概念がないような外見としてあのデザインになったのかもしれないが、どうせなら前後左右だけでなく、そこに上下も加えて球状にしたり、複数の球を組み合わせた形態にするなり、別の表現方法があったのではないだろうか?

 そして今作の最大の欠点はルイーズが中国の暴走を止めた1本の電話。この部分こそがこの作品のタイトルであり、一番重要な"メッセージ"のはずなのだが、中国語で話していて、日本語字幕だけでなく、英語字幕すらないという演出。
 観客の想像にお任せします!的な演出というのも、なくはないのだが、それならそれで中国語で話しているシーンもカットすべきではないか?中国の観客だけはそのメッセージを理解できるわけで、中国語のわからない観客に中国語の意味を調べさせるという手間をかけさせる仕上がりになっている。もしかしたら中国資本が入っていて、故意にそうしている可能性もなくはないが、全世界で公開されることを前提としたハリウッド大作なのであれば、そこは全世界の観客が想像するなら想像するように編集すべきではなかったのだろうか?
 もう1つ言えば中国の将軍がルイーズの言葉を信じるに足る理由が「奥さんの最後の言葉だったから」というのはやや強引過ぎるきらいもあった。

 ダメ出しばかりしてきたが、作品の評価は8点。

 ということでここからは良かった点。まずは宇宙人とのコミュニケーション。同じ地球人同士でも困難なコミュニケーションの難しさを宇宙人とのそれに置き換えることで現代の地球の置かれている状況に対する"メッセージ"を込めると同時に、コミュニケーションに使用した文字=墨で書いたような円形の文字もとても良い。宇宙人のデザインはイマイチだったが、この文字は彼らがもたらす全く新しい概念であり、映画を見終わって最後の仕組みの意味を理解するとその概念を表現するのにこの円形の文字以外には考えられないほど最適な文字だということがわかる。
 劇中で説明された「サピア・ウォーフ仮説」=人間の考え方はその人が使用する言語によって影響されるという理論が、この円形文字を理解することでルイーズがとある能力を手にすることも理論的に正しいということを説明しているし、このあたりの脚本の構成は本当に素晴らしい!!

 そして娘の名前、Hannah。これほどこの作品の内容を端的に表現し、かつ能力を手にしたルイーズの娘の名前としてこれ以上に最適な名前も他にない。

 あらすじを簡単にまとめると、「突然やってきた宇宙人とのコミュニケーションを通してとある能力を手に入れた1人の地球人が地球を救う」というシンプルなお話なのだが、2つの科学的理論を入れたことでかなり深いSFヒューマン・ドラマ的な傑作に仕上がった。
 1つ目は上述の「サピア・ウォーフ仮説」。そしてもう1つが「非ゼロ和ゲーム」理論。ゼロ和ゲームが誰かが勝者になると誰かが敗者になるという理論であるのに対し、簡単に言えばWin-Winの関係が「非ゼロ和ゲーム」。宇宙人が「非ゼロ和ゲーム」をするために地球に来ているのに対し、地球人は「ゼロ和ゲーム」の考え方をしてしまう。その例として麻雀の話が出てきたりするあたりの脚本も非常に上手いのだ!!

 なるべくネタバレしないように書いたつもりだが、冒頭のモノローグの本当の意味に気づくかどうか?それがこの作品を傑作と判断するかどうかの分かれ目だ。
 そこに気づきさえすれば、この作品がキューブリックの「
2001年宇宙の旅」以上にいろいろな解釈をもたらし、スピルバーグの「未知との遭遇」以上にコミュニケーションの大切さを訴える作品であり、SF映画史に名を残す傑作だということがわかるのではないだろうか?

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March 11, 2017

ラ・ラ・ランド/LA LA LAND (9点)

テーマ:その他

採点:★★★★★★★★★☆
2017年3月5日(映画館)
主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
監督:デミアン・チャゼル

 

 本年度アカデミー賞13部門14ノミネート、内6部門で受賞!!ということで、第89回アカデミー賞の主役となった作品。また作品賞が間違われるという歴史に残る珍事に絡んだこともあり、日本でも一気に知名度が高まった作品でもある。

【一口コメント】
 ロサンゼルスに住んだことがあり、かつハリウッドの映画業界に携わったことがある人間ならば、誰もが共感を覚える作品であり、アカデミー会員が絶賛するのも納得の作品です。(そうじゃない人にとってはどうでしょう?)

 

【ストーリー】
 女優の卵のミアは、違法駐車で車をレッカーされたパーティーの帰り道、偶然聞こえてきた音に誘われ、ジャズバーに入る。そこでピアニストのセブと出会う。しかし、不遜な態度をとったセブにミアは怒りを覚える・・・。
 後日、別のパーティーに参加したミアはプールサイドで演奏をするセバスチャンと再会する。そのパーティーの帰り道、マジックアワーに抱かれたハリウッドの街を見下ろす高台で互いの夢を語り合う2人。恋の始まりがすぐそこまで来ていた・・・。

【感想】
 結論から言うと、ロサンゼルスに住んだことがあり、かつハリウッドの映画業界に携わったことがある人間ならば、誰もが共感を覚える作品であり、その両方の要素を持つ自分には直球ど真ん中の作品だった。アカデミー賞最多ノミネートも納得の内容である。
 しかしロサンゼルスに住んだこともなければ、ハリウッドの映画業界に携わったことがない人が見た場合にはもしかすると古臭い演出や良くある普通の恋愛ストーリーに映るかもしれない。

 この作品の一番の肝はハリウッドという世界中の映画人が憧れる"映画の都"で、来る日も来る日も壁にぶつかってはその壁に打ち返され、一度は夢を諦め、故郷へと帰る主人公ミアと、不本意ながらも自分の夢を実現するために一見遠回りながらも着実に自分の夢をかなえるもう1人の主人公セブ、この2人の境遇と絶妙なバランス。
 互いに互いの夢を応援しながらも、片方が成功すると片方が上手く行かない、それがきっかけで喧嘩したかと思えば、それでもやはり相手の夢を支えようとする姿に心を揺さぶられる。例えばミアの故郷であるネバダ州ボウルダーシティでの2人のやり取り。せっかく大作のオーディションに呼ばれたにも関わらず、オーディションに何度も落ち、自分よりも美しい女性がいっぱいいる状況に苦しみ続け、夢をあきらめたミアに対し、強引に説得するシーン。その直前に1人舞台をし、声が漏れ聞こえる楽屋で客のダメ出しを聞くミアのシーンを入れることでミアの境遇がより一層際立つ演出になっている。
 このあたり、ロサンゼルスで映画業界に携わったことがある人間にはとても深く刺さる。その種の人間が必ず一度は経験する道だからだ。たとえ自分が役者を目指していなくても、周囲の親しい人間の中に同じ境遇の人間が数多くいるし、役者以外のポジション、監督であれ、メイクであれ、衣装であれ・・・、世界中から夢あふれる数多の才能が集まってくる"ハリウッド"という狭き門は、圧倒的に夢破れる人間の方が多い。世界中の才能がエンタメという一般社会とは異なる特殊環境でぶつかり合う場所は世界中探してもハリウッド以外にはないかもしれない。
 そもそも芸能事務所という概念が日本とは大きく異なるハリウッド(簡単に言うと宣伝も管理も事務所ではなく、タレント本人が行うのがハリウッドであり、例えばPRのプロを事務所が用意するのではなく、自分で雇う必要がある)において、夢を追うのにはとてつもないパワーが必要だし、ライバルは世界中からやってきた才能ばかり。そのプレッシャーたるや壮絶なもので、そのあたりの共感を誘う演出が絶妙なので、多くのアカデミー会員の賛同を得たのだと思われる。更に「
カサブランカ」や「理由なき反抗」などのクラシック作品の引用が効果的に使用されているあたりもアカデミー会員に響く要因としては大きいかもしれない。

 またどことなく懐かしさを感じさせるレトロな演出が多いのだが、技術的にはドローンを使った長回しなども多用されている。
 その最たるものがオープニングだろう。実際にはいくつかのカットを組み合わせているらしいが、一見ワンカットの長回しのように見える。しかもそれがロサンゼルスの高速道路のインターを封鎖した状態での撮影で、ここまで壮大なミュージカルシーンは今まで見たことがない!映画のオープニングとしても歴代トップレベルの演出でグッとストーリーに引き込まれた。

 

 ロサンゼルス在住経験があると良いという意味では、ミアが乗っているプリウスも"あるある!"となる。2人が偶然出会ったパーティーの帰りに車のキーを取ろうとするとプリウスのキーばかり・・・というシーンなど"そうそう!"と共感できる(ロサンゼルスで信号待ちをしているとプリウスが5台連なっている場面などよく出くわす為、微笑ましくさえ思える)。
 またオープニングの高速道路やグリフィス天文台を始め、ロサンゼルス各地がスクリーンに映し出されるのも在住経験者には楽しい。中でもサミット・エンターテインメント制作の映画であるにも関わらずワーナー・ブラザーズのスタジオが登場するのには驚いた。そしてそのスタジオ内のカフェで女優志望のミアがアルバイトをしているという描写もロサンゼルス在住の映画関係者あるあるであり、共感を生みやすい。またそのバイト先に有名女優が訪ねてくるというシーンが2度描かれていて、2度目の演出がとても上手い!

 そしてラストシーン。一言で言うとアンハッピー・エンドということになるのだろうが、アンハッピーなのだが、どこか幸せな感じも残るという絶妙なバランスがまた良い!ミアの回想改め妄想シーンを現実描写で挟むことにより、これ以上ないくらい甘美的な、切なさと愛しさが同居するラストシーンとなっている(「切なさと愛しさと・・・」と昔のヒット曲のタイトルのようだが・・・)。
 オープニングの高速道路でのミュージカルシーンが陽のクライマックスとすれば、このラストにおける妄想の最後で暗転し、一瞬の静寂の後で暗闇の中で鍵盤を叩いているセブが浮かび上がるシーンは陰のクライマックスとなっている。作品の最初と最後に陰・陽それぞれ別の2つのクライマックスを持ってくるという極上の演出にしてやられた!!


 今作を見終えて自分の中に芽生えたのが「ミュージカルって面白い!」という、子供が初めてテーマパークを訪れた時のような素直な感情。
 もちろん今までミュージカル映画を見たことがないわけではなく、「
オペラ座の怪人」や同じくアカデミー賞6部門受賞の「シカゴ」を始め、過去に何本も見てはいる。しかし今までは正直、ストーリーの流れの中で突然歌いだす登場人物たちによってせっかく入り込んでいた世界観から一気に引き戻される感じがあったのだが、本作はオープニングの印象がとても良かったこともあり、その引き戻され感がなかった。
 また通常の映画であればキャラクターの内面描写というのはモノローグを使うか、あるいは言葉は発さずに絵で見せ、観客の想像に任せる手法を取るのが常だが、ミュージカルの場合はそれを歌に乗せることができる。今作で言えばやはりオープニング。渋滞で待っている車の運転手の心情を歌に乗せて表現するという手法。普通であれば高速道路の上で車から降りて歌いだすなんてことはあり得ないのだが、そこを敢えて歌にすることで映画とミュージカルの境界線をうまく超えていく。もちろんどの作品にでもOKという手法ではなく、それが合う合わないはある。
 またこの作品は他の多くのミュージカル作品と大きく異なっている点がある。他の作品の多くが舞台で上演されているミュージカルを映画化しているのだが、この作品は原作ともいうべきミュージカルはなく、オリジナル脚本によるミュージカル映画である。そのため、見る側はもちろん作る側も先入観なしに映画の世界に入ることができ、ミュージカルっぽくない演出も多い。特に中盤ではほとんど歌唱シーンがないまま、物語が進展するという、舞台の映画化作品ではめったに見られない"映画らしい"ミュージカル映画に仕上がっている。

 劇中でジャズを死に行くものとして描いているあたりも心をくすぶられる。そのジャズのパートを1人で担うセブ役のライアン・ゴズリングがとても良い。自分の夢を最終的に実現させるのだが、そこに至るまでの過程がとても切ない。自分の夢への最短ルートではない・・・どちらかというと遠回りな道を歩むセブに対して、自分の境遇を踏まえた上で夢に挫折しそうなミアがまっすぐに切り込むシーンは心が痛くなる。
 そして何といっても彼の演奏シーン。ミュージカルだからこそのスポットライト的演出も加わり、魂が揺り動かされるシーンとはまさにこれだ!というラストシーンはとても感動的だった。
 一方のミア役のエマ・ストーンも良い。
 冒頭は売れない女優としての演技を見せつつ、夢が叶った後の大女優としての演技も見せる。一作品の中での振り幅の広さはもちろんだが、そのバランスというか、さじ加減がとても上手い。

 

 もしかすると「シカゴ」や「オペラ座の怪人」と比べると、ミュージカルそのもののレベルは高いわけではないかもしれない。しかし、この作品に関してはそこは重要ではない。
とにかく 主役二人の演技が良いのだ!(これはあくまでも映画であって、ミュージカルではない)
 高速での第一印象最悪のすれ違いシーンから、付き合う前のそっけないシーン、付き合い始めの頃の楽しい恋愛シーン、そして互いの事を思った上でのケンカシーンなど、どれも真に迫る演技で観客に喜怒哀楽を感じさせてくれる。

 そして監督。既に演出に関してはいろんなことを書いてきたが、ミュージカルシーンなどはセットをあえて作り物っぽくする一方で、ドラマのシーンは徹底的にシリアス路線で行く・・・そうしたメリハリが良い意味ではっきりしている。上述しているが物語中盤に関しては歌唱シーンがほとんど出てこないのもそうしたメリハリの一環と言える。そうすることでミュージカル映画にありがちな「えっ、ここでいきなり歌い出すの!?」感が薄れ、観客としても見やすい作品になっている。
 ただし脚本に関しては結構粗が目立つ。2人の恋愛感情の高まりに関する描写には説得力がないし、ミアが独り舞台をするに至った経緯やセバスチャンの売れたことによる苦悩の心理描写などもやや薄い。6部門を受賞しながらも脚本賞を逃したのは順当と言っても良いかもしれない・・・。


 最後に・・・正直、映画業界に関わったことがない人間が見た場合にそこまで感動するのかどうか?は疑問・・・。

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March 06, 2017

名探偵コナン 純黒の悪夢 (8点)

テーマ:邦画

採点:★★★★★★★★☆☆
2017年2月26日(DVD)
原作:青山 剛昌
監督:静野 孔文

 

 映画シリーズ公開20周年記念作品であり、かつ3年連続となる劇場版コナン・シリーズの歴代興行収入塗り替えを達成した作品。

【一口コメント】
 20周年記念作品に相応しい素晴らしい作品です!

 

【ストーリー】
 ある夜、警察に侵入したスパイが世界中の闇組織の機密データを盗み出そうとするが、公安の安室とFBIの赤井の追跡によって、スパイの車は道路から転落してしまう!
 翌日、東都水族館に遊びにきていたコナンは、ケガをした女スパイに遭遇する。しかし彼女は記憶を失っていた―――。
 さらに公安の安室、FBIの赤井の壮絶な戦いも始まる!!

【感想】
 20周年記念の名に恥じない素晴らしい作品だった。
 "名探偵"ということで推理物を期待している人にとってはイマイチどころか、推理ないじゃん!ってなるかもしれないが、2年前の「
異次元の狙撃手」に通じる要素も多数あり、個人的にはかなり満足の作品だった。

 劇場版ではおなじみとなった冒頭の事件発生シーン。このカーチェイスに関してはコナンシリーズ史上最高の内容だった。まずチェイスといっても2者ではなく、3者が絡んでいること。その3者が黒の組織、公安、そしてFBIという現在のコナンを支える3大組織であること。
 またそこにコナンが絡んでいないのも良い。以前スケボーで犯人を追いつめるシーンの中で巻き添え事故を多発させたコナンを描く作品があったが、子供向けアニメの主人公がそれをやるのはご法度ということを反省したのか(・・・どうかはわからないが・・・)、今作はコナンを抜いた状態でのカーチェイスということ、そしてFBIを入れたことでそこを上手く回避している。
 また途中から高速道路を逆走するシーンが出てくることもあり、ハリウッド映画と同じ興奮を味わうこともできる。

 そしてこの作品の一番の見せ場はコナン、安室、赤井の3人の絡みだろう。
 観覧車の爆破を止め、黒の組織の計画を阻止するラストシーンはもちろんだが、黒の組織が世界中で裏切り者を抹殺する一連の流れの中で、安室がキールと共に捉えられたシーンも実はコナンと赤井による3人の連携があったという種明かしを最後に持ってきたあたりの演出の順番構成も素晴らしかった。
 コナンが知略、安室が爆弾解除、赤井が狙撃と役割分担したり、観覧車を射撃している黒の組織が乗るヘリを3人の連携で撃墜したり、最後の最後で再び3人が連携し観覧車を止めるシーンなど手に汗握る演出は見事だった。

 そして今作では少年探偵団の活躍も見事だった。
 特に光彦の機転の利かせ方は小学生とは思えないほど見事。女スパイが観覧車の中で突然苦しみだした際に彼女の言葉にならない言葉をメモるとか、すごかった。
 またイルカのキーホルダーや毎回おなじみの博士のダジャレクイズが今作はストーリーの本筋にも絡んでいたり、推理らしい推理はないものの(複数の色のカードが唯一の推理?)、伏線の張り方が見事だった。安室や水無を救う手段、観覧車を襲う組織の行動の予測など、推理ではないものの、見るべきものはいくつもあった。

 今作は20周年記念作品ということで、黒の組織のかなり深い部分まで踏み込んでいたこともこの作品に深みを与えた要因だろう。特に組織のNo.2であるラムの正体について、結果何の進展もないのだが、見せ方としては最後まで興味を引っ張る内容になっていた。
 しかし黒の組織はここまで有望な人材を殺戮しまくって良いのだろうか?ジンとベルモット以外で優秀な人材は登場するたびに殺されているような気がするのだが、気のせいだろうか(ベルモットも今作では大女優のはずが、素顔のままファミレスに現れたりしている・・・)?生き残っているウォッカ、キャンティらはどう見ても優秀とは言い難い気がするのだが・・・。
 今回のラストシーンで、観覧車をあんなに派手に攻撃するのも黒の組織が動くやり方ではなく、ただのテロリストのやり方だ(テロリストがあんなオスプレイ的なヘリを所持することが可能か?どうかはさておき・・・)。目立つだけで無意味なゴンドラごと奪うという奪還作戦は、違う意味で驚愕ではある・・・。
 灰原が言うには「黒の組織は犯罪の痕跡を残すようなヘマはしない」らしいが今作では痕跡残しまくり・・・。そのあたりを含めて、黒の組織の描き方については残念だった。

 残念と言えばラストで「誰かが狙われている・・・動くなら今だ!」というコナンの発言にも少し驚いた。上述した巻き込み事故の描写を回避したのが、この一言で台無しになってしまった。今までのコナンであれば、集中砲火されている誰かをいかにして助けるか?を考えたはずなのに・・・。

 とはいえ、事件らしい事件は1つも起きないし、事件がないので犯人もいない、そんな状況であるにもかかわらず、最初から最後まで一瞬もだれることないサスペンス・アクション映画に仕上がっている。
 ストーリー展開、サスペンス要素、登場人物のキャラ立ちなど、黒の組織絡みのネガティブ要素と上述のコナンの発言がなければ歴代でもトップレベルの仕上がりと言える作品。


 そういえば、キュラソーの声優が天海だと後から知って驚いた・・・。
 また声優という意味では、ガンダム世代にはたまらない共演があったのもファンにはたまらない演出だった。

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