畠山記念館で「酒井抱一 琳派の華」(後期)を観た! | とんとん・にっき

畠山記念館で「酒井抱一 琳派の華」(後期)を観た!



畠山記念館で「酒井抱一 琳派の華」(後期)を観てきました。前期に引き続き観に行った、というわけです。出光美術館でも「琳派芸術」と題して、「第1部煌めく金の世界」展、「第2部転生する美の世界」と分けて、展示されていました。同じように「酒井抱一生誕250年」と銘打っています。畠山記念館の展示は、前期、後期合わせても、書画が17点、工芸が17点、その他「雛」が1点、と数は少ない展示ですが、的を絞った展示なので、ピリリと辛い、そういった感じの展覧会でした。


さて、畠山記念館の後期の目玉は、というと、やはり酒井抱一の「十二ヶ月花鳥図」の7月から12月までと、なんと言っても酒井抱一の「風神雷神図」でしょう。意外にも小さく、「双幅」です。以前僕は、畠山記念館でこの「風神雷神図」を観たことがあります。この2作品、ともに同じ題材のものが出光にも出ている、というのが面白いところです。出光では、「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」となっており、また「風神雷神図屏風」となっています。この2つの作品、見比べることができるのも今回の楽しみでした。両作品、僕の観たところでは、畠山記念館の「十二ヶ月花鳥図」が勝ち、また出光美術館の「風神雷神図屏風」の勝ち、といった感じです。


本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵の「小謡本」は途中頁替えがありました。今回新たに出ていたのが本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵の「金銀泥薄下絵古今集和歌巻」、これがじっくり観ると描かれている「薄」がなかなか素晴らしい。金銀泥により薄を描いた料紙に、「古今和歌集」巻第一「春歌上」から九首を妙出して墨書したものです。どれか一つ、と言われれば、酒井抱一の「月波草花図」、中福は月に波、左福は夏の水辺の草花、右幅は秋草図を配す三幅対の作品です。蜻蛉と蟷螂の描写は写実的で、抱一の細かな観察力を汲み取ることができます。これは派手さはないが、見事な作品です。


3月3日は桃の節句、ひな祭りの日です。「次郎左衛門雛」と並んで、抱一の「立雛図」が展示されていました。













「酒井抱一 琳派の華」

江戸時代後期の琳派を代表する画家酒井抱一(1761~1828)。本年は抱一が生まれて250年を迎えます。これを記念して畠山記念館が所蔵する抱一作品を一挙公開します。代表作とされる「十二ヶ月花鳥図」をはじめ「風神雷神図」や「月波草花図」など、江戸の地に開いた琳派の華・抱一の美の世界をご堪能ください。併せて琳派の祖として仰がれる本阿弥光悦や俵屋宗達から、後世の尾形光琳・乾山兄弟、そして抱一の一番弟子鈴木其一の作品をご紹介いたします。 なお、会期の前半と後半で書画作品はすべて入れ替わります。展示期間にご注意ください。


「畠山記念館」ホームページ


とんとん・にっき-hata25 「與衆愛玩 琳派」
発行部:平成19年4月3日

編集・発行:財団法人畠山記念館


とんとん・にっき-shiritai







アート・ビギナーズ・コレクション

「もっと知りたい 酒井抱一 生涯と作品」

2008年9月25日初版第1刷発行

著者:玉蟲敏子

発行所:株式会社東京美術






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