泉屋博古館分館(東京)で「住友コレクションの茶道具」展を観た! | とんとん・にっき

泉屋博古館分館(東京)で「住友コレクションの茶道具」展を観た!

泉屋博古館分館(東京)で「住友コレクションの茶道具」展を観てきました。「泉屋博古館創立50周年記念」と銘打たれています。京都の泉屋博古館は、春翠が別荘として求めた鹿ヶ谷の地にあり、東山の穏やかな山容を望む風光明媚な環境の中にあるそうです。一度は訪れてみたいと思っています。言うまでもなく僕は、茶道具についてはまったくの素人、右も左もわかりません。が、しかし、観る機会は以前よりもはるかに増えていることは確かです。いつまでも分からないでは始まらないので、少しでも勉強したいと思っています。まあ、出光美術館、根津美術館、五島美術館、畠山記念館、静嘉堂文庫、あるいは東京国立博物館、等々で、数多く観ることが大事なことでしょうが。


そんなこんなで、泉屋博古館分館で「茶道具」展を観てきたわけですが、静嘉堂文庫で「曜変天目(稲葉天目)」を観たときに手始めに購入した本、「すぐわかる名品茶碗の見かた」を、初心者向けの入門書ですが、付焼刃的に、折にふれながめています。単純ですが、第1章のトップに「曜変天目(稲葉天目)」が載っていたので、この本を購入しました。もちろん、今回の展示品は、住友家15代住友吉左衞門友純(号・春翠)が、明治中頃から大正期にかけて、彼独特の美意識に従って蒐集した茶道具が主になっています。


もちろん茶碗だけではなく、茶入、花入、水指、香合、向付、釜、など茶道具に関する様々なものが展示されていました。茶道具というと、どうしても「唐物」が主になってきますが、仁清作の「白鶴香合」が唐物に負けず劣らず、ひとり気を吐いていました。そうそう、先日行ったソウルへの「激安ツアー」でも、利川の窯元を訪れる機会がありました。










平成22年、泉屋博古館は創立50周年を迎えます。住友家が蒐集した美術品を保存、展示する美術館として、昭和35年に発足、平成14年には東京六本木に分館を開設し、現在では京都、東京の二施設において活動を行っております。住友家の美術品で最も有名なものは、住友家十五代住友吉左衞門友純(号・春翠)が明治中頃から大正期にかけて蒐集した中国古銅器と鏡鑑ですが、他に中国・日本の書画、洋画、近代陶磁器、茶道具、文房具、能面・能装束など美術品に対する関心は、大変広い範囲に及ぶものでした。その多岐にわたる所蔵品の中から、本展では、茶道具の名品を展示いたします。明治・大正期には政財界の間で、同好の士と茶の湯の世界を楽しむ人々が輩出され、春翠もその一人でした。高橋箒庵、野村得庵、嘉納鶴翁、三井泰山など財界人や、鈴木馬左也・小倉正恒など住友の役職員、さらに日本画家の上田耕甫・能役者の大西亮太郎など芸術家たちを招き、茶の湯を楽しみました。これらの茶道具は春翠によるものが多くを占め、その蒐集においては、青銅器の蒐集と同じように、中国美術への造詣の深さが感じられ、特に唐物に名品が多くみられます。稀代の数寄者住友春翠の美意識を泉屋博古館分館の茶道具を通じて感じ取っていただければと思います。


「泉屋博古館分館」ホームページ


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とんとん・にっき-bun7 「すぐわかる名品茶碗の見かた」

2004年6月1日初版第1刷発行

著者:矢部良明

発行所:株式会社東京美術

定価:本体2000円+税