先日のITmediaのMAGASTOREの記事では、Appleがタイトル型アプリを嫌がっていると断定的に書かれていました。
iPad登場で「MAGASTORE」に異変――電通が考える電子書籍のジレンマ - ITmedia プロフェッショナル モバイル
Appleに翻弄されないために
グラビア系のアプリが大量削除された前例 からも分かるように、App Storeの市場環境はAppleの方針ひとつで変化する。文分氏が現在気をもんでいるのは、「タイトル型の電子書籍アプリをAppleがいやがっている」ことだ。
そして、本日ついにこの不安の一つに直面しました。先月までは問題なくリリースしていた月刊アプリが、今月はシリーズ物は一つにまとめてアプリ内課金でやれというのです。
アップル社からの審査結果
以下、アップル社からの審査結果です。
Thank you for submitting your TOKYO FASHION Calendar 2010年6月号 application to the App Store. We have determined that the content and functionality provided by your application are closely related to your existing TOKYO FASHION Calendar 2010 applications. It would be appropriate to combine related applications into a single application, using the In App Purchase API when applicable.
For example:
TOKYO FASHION Calendar 創刊号/2010年3・4月合併号
TOKYO FASHION Calendar 2010年5月号
TOKYO FASHION Calendar 2010年6月号
2010年5月号まではリリースされています。6月号の申請において、いきなりこれらのアプリは一つにまとめて続きはアプリ内課金でやれと言われました。
もう一つ、弊社事例です。
Thank you for submitting your ナニワ銭道 applications to the App Store. We have determined that the content and functionality provided by your applications are closely related. It would be appropriate to combine related applications into a single application, using the In App Purchase API when applicable.
For example:
ナニワ銭道1
ナニワ銭道2
ナニワ銭道はナニワ金融道の外伝にあたるマンガで、iPhoneアプリ化を弊社で受託しました。こちらも、同じようにシリーズでアプリを出すのではなく一つのアプリにまとめてアプリ内課金でやれと。
今後の動向
確かに、App Storeランキング上で同じタイトルのアプリが何十個もひしめき合うのは決して健全な状況であるとは言えず、この対処もユーザー目線に立てば致し方ない所だとは思います。上記ITmedia記事にあったようなタイトル型のアプリ禁止とまでは言われていないので、対応さえすればビジネスが止まるわけではないのですが、もう少し前もって開発者が対応できるようにレギュレーションの変更を事前公表してくれというのが本音です。
問題は、一冊読み切り系の書籍です。現状でもすでに、書籍タイトル＝アプリタイトルの書籍アプリがランキングの上位に来ることが多々あり、今後これが乱発されて例えばApp StoreランキングとiBookstoreランキングの両方に同じタイトルが並ぶような状況になれば、書籍アプリ自体が禁止されるようになることも容易に想像できます。開発者は依然としてアップルの動向をある程度「読みながら」対応していく必要があり予断を許しません。
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