オフサイド・ガールズ(2006イラン) | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

オフサイド・ガールズ

2006東京フィルメックスの鑑賞記録ですが、まもなく公開なのでこちらにアップします。


(11月24日@朝日ホール)
「映画祭で○○賞」という言葉に弱い私なので、これは半休取ってでも見に行きたかったんです。


イランでサッカーは国民的スポーツと言えるほど人気だが、女性のスタジアム観戦は禁止されている。イランのワールドカップ出場がかかった予選を見ようとする少女たちの奮闘を描いた傑作。今年のベルリン映画祭で銀熊賞を受賞。(フィルメックスHPより)


イランも私には未知の国。この映画の前提になっている「女はスタジアムに入れない」というルールも納得いきません(イランだけでなくイスラム社会はみんなそうだそうです)。「日本人女性はこのスタジアムで観戦していたわ」と怒る女性ファン。そこまで熱狂する気持ちが理解できないけれど、確かに不公平ですわ。日本と同じ予選グループにいたイランの裏側には、こんな世界が広がっていたんだなぁと思うと不思議です。イランの国は女性を大切に保護する一方で、虐げてもいるんです。軍人も軍人で、厳しい縛りの中で意味も分からず動かされているんです。なんだか悲しい社会。多分もう少し起伏のあるストーリーにするとケン・ローチみたいなテイストになるんでしょう。


ストーリー性はあまりなく、だらだらと押し問答が続きます(それはそれで面白いのだけど)。ちょっと飽き飽きだった空気を打ち破るのが、イランのW杯出場決定のニュース(ラスト3分)。ここでみんな弾けて酔狂に入るのが観ていて気持ちいいのです。他国のことですが、なぜだか私まで嬉しくなってくる。イラン映画という私のイメージからは新鮮であること、間違いないです。


でも…最後の理由説明は蛇足でした。それって興奮して出口に殺到した観客が転倒死した事件だと思うのですが、そのオチは取ってつけたようで…。気分が盛り下がっちゃいました。


夏、シャンテシネにて公開予定

満足度:★★★★★☆☆☆☆☆