酔いどれ詩人になるまえに(2005米/ノルウェー) | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。


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世界中でカルト的人気を誇る作家チャールズ・ブコウスキーメモ。彼の「作家修行時代」を基にした自伝的小説の映画化だそうです。学のない私には、誰それ??って感じですが・・・。そういえば邦題もオシャレです。

ヘンリー・チナスキー(マット・ディロン)、自称“詩人”。売れない詩や小説を出版社に送りつづけながら、その場しのぎの仕事を渡り歩いている。何をやっても続かない、その日暮らしの酔っ払い。バーで出会った女・ジャン(リリ・テイラー)と暮らし始めるが、酒とセックスばかりのみじめで冴えない毎日。でも、チナスキーには言葉がある。それは、心を照らす、たったひとつの優しいひかり。(チラシより)

彼の詩は映画の中にナレーションで挿入されています。ぶっきらぼうで、斜に構えたような、それでいて芯のある言葉。それはマット・ディロンが体現している雰囲気そのままです。このチナスキーって男は、まともに働かないし、酒カクテルグラスとタバコタバコばかりだし、恋人女の子を作っては「愛は不要」とか言ってるし。世の中をせせら笑っているくせに、自分では何もしない。そんな、私の周りには絶対いて欲しくないタイプです。でも彼は新しい仲間や女性に受け入れられるし、ちょっとした優しさや生き方のカッコよさみたいなものがあるんでしょうな。大きな旅をしている訳でないのに、ロードムービー車のようでした。雰囲気のある音楽を随所にはさみ、素敵な作品。

マット・ディロンはけだるい話し方が、それっぽくて、バリバリのアウトローとは違う魅力を醸し出していました。ラスト近く、黒人のオジサンと一緒に飲んだくれて朝を迎える、そのシーンが妙に美しく見えて・・・。

言葉ばっかり並べる人間というのは私は好きでないのですが、彼のモットーは「簡単、ありのまま、正直に」だという。ちょっと興味持ちました。

8月、銀座テアトルシネマ、シネセゾン渋谷にて公開予定
満足度:★★★★★★☆☆☆☆