明るい瞳(2005仏)--監督トーク付 | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。


明るい瞳2 明るい瞳

登場人物は主に4人(後半は2人)。私はこういう主人公の内面をじーっくり描く映画が好きです。暗いガーン??

風変わりな言動で周囲を驚かせる、どこか不思議な空気をまとったファニー。彼女は兄夫婦との暮らしに居心地の悪さを感じていたが、ある日、兄嫁の許しがたい秘密を目撃したことで家を出る。自分の殻を打ち破るべく、冒険の旅の一歩を踏み出したファニー。国境を越え、森を抜け、彼女は木こりの青年・オスカーと出逢い、生まれて初めて優しい愛を知る――。(cinemacafeより)

ファニーは幻聴やら不安定な部分があって、統合失調症らしいです。精神科病院にも通っているんだけど・・・なんだか少し分かるんですよね。他人と心が通わない、それが淋しい気もするんだけど、自分から遠ざけてしまったり・・・。特に最近、仕事で落ち込むことがあった私には・・・こういう映画を観るとなんとなく落ち着くのです(病んでる?)。それにファニーの言動は目が離せないんです。意固地に正直で、可愛くて、何が魅力なんだかよく分からないんですが・・・。

シリアスに内面を描いている一方、どこかコミカルな部分もあり。監督さんは幼児性を描く時に、自分の子供時代に良く見たチャップリンのようなPhysical Comedy(フランス語でなんとかと説明していた)を使ったらしいです。言葉は嘘をつくための手段であり、真実は体によって伝わる・・・というのが監督さんのメッセージ。いい言葉だと思います。

後半、ファニーが心をオープンにして人を愛する過程は、とても自然。光が緑に反射して、水のせせらぎが聞こえ、シューマンのピアノの音色。言葉がなくても伝わる思い。見ているこちらも心洗われる思いでしたキラキラ

* 女優さんのナタリー・ブトフは諏訪監督「不完全な二人」にも出演してます。ブス可愛いのか、単なるスッピンブスなのか不明・・・。

* 上映前に監督デビュー作となる短編「フィデル」の上映もありました。ポイントを掴んでないのかもしれませんが、私は結構シュールさ、ラストのオチが好きでした。

* 監督さんは外人にしては若そうに見えました。映画中で椅子を運ぶ役をやっています。見た目若いですが、質疑応答ではすごくしっかりした考えや話し方をしていて、とてもためになるトークショーでしたわ。

初夏、イメージフォーラムにて公開予定
満足度:★★★★★★★☆☆☆