埼玉の古い蓋の紋章-秩父市と深谷市 | 東京蓋散歩 ~マンホール巡り~

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マンホールや消火栓などの蓋、特に地味蓋を中心に観察しながら歩きまわります。タイトルとは裏腹に都外出没頻度も高いです。

埼玉県で、水道が一番にひかれた秩父市(大正13年給水開始)と二番目にひかれた深谷市(昭和4年給水開始)の古そうな蓋に付いていた紋章について、それぞれの市役所にいろいろ教えていただきました。

秩父市


確かなことは不明であるが合併以前の旧秩父市のシンボルがイチョウだったので、それを重ねたものかもしれないとのことでした。

ちなみに、このマークが入った蓋には↓↓↓のようなものがあります。

P.T.No. 121.918 特許の番号かと思い特許電子図書館で検索してみたのですが、うまく探せず諦めかけていたところ、実用新案の実用明細書に該当する番号があると教えていただきました。特許・実用新案広報DB に記号をZ 番号を121918と入れると出てきます。 (リンク先サイトが閉鎖されたので修正2015/5/23) 特許情報プラットフォームの特許・実用新案番号照会のページで登録実用新案明細書Zの121918を検索すると出てきます。 
昭和3年に出願広告の出た水道付属具の埋設器用筐蓋 Page1 , Page2 , Page3 」という実用新案だそうです。丈夫で、開けやすく泥が入りにくくて見た目もいいという蝶番部分のアイデアでしょうか? 各地でふつうにみるデザインのようですから、もしかするとこの実用新案がその後の標準になったのかもしれませんね。

同じく秩父市のこのマーク。これも現在の秩父市の市章とは違います。


実は、旧 秩父セメントのマークだそうです。大規模な工場なので自前の水道か下水道が必要なのかもしれません。ネットで調べたら、貨物車両の写真がありました。
http://butsuryu.web.fc2.com/chichibu-cement.html


そして深谷市。この紋章が不明でした。


市役所で調べていただいたところ、昭和12年に深谷商工會から発行された深谷町誌にこの紋章がでているのだそうです。当時の深谷町の町章だったかどうかやいわれは不明らしいのですが、紋章のトレース画像まで送っていただきました。


よく見たら、「フカ谷」という字が浮かび上がってきました。谷の字で桜の花びら、素晴らしい。


この記事に張り付けるまでフカしかわからなかったのですが、たったいま谷が見えました!

また、各地の役場職員の方々のお手を煩わせると思いますが、よろしくお願いします。