今日は、七十二候の第23候【紅花栄(べにばなさかう)】です。
紅色の染料や、口紅、食用油の材料にもなる紅黄色の花が咲く紅花が、咲き乱れる頃です。
ベニバナは、エジプト原産といわれ、古くから世界各地で栽培されています。
紀元前2500年、エジプトのミイラの着衣に紅花色素が認められます。
日本にはシルクロードを経て、推古天皇の時代(6世紀末から7世紀初め)に朝鮮半島を経て渡来したといわれ、近畿地方を中心に全国に広まって行きました。
安土、桃山時代から江戸時代にかけて、京染めの藍茜、紫根と共に染料植物として用いられました。
江戸時代中期以降、山形県最上地方で盛んに栽培されるようになりました。
日本の特産物の番付を決めた「諸国産物見立相撲番付」によると、東の関脇が「最上紅花」で、西の関脇が「阿波の藍玉」でした。
最上地方は、いまでも紅花の日本最大の産地であり、山形県の県花になっています。
ベニバナの花の色は、上の写真のように、黄色です。
何故、それが 「紅花」 になるかと言うと、その黄色い花を摘んで、水にさらして乾燥させ、それを幾度か繰り返すと紅色になるからです。
ベニバナの花は、水に溶けやすい黄色の色素と、水に溶けにくい紅色の色素が含まれています。
ベニバナは、水にさらすことによって分離します。
おもしろいのは、ベニバナの色素は99% が水溶性の黄色であり、赤の色素は1% しかないことです。
1% しかない色素が、黄色の色素を劇的に変えてしまうのです。
この最上紅花で染めた着物が、また風合いが良く、優しい色で、お気に入りです。
*蚕起食桑-かいこおきてくわをはむ-☆
*竹笋生-たけのこしょうず-☆