BCとBMTH、共に音楽性に変化をもたらすも結果は… | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。

 
 


最近の元ネタ提供はもっぱらAPです。

さすが本家APからのねたを引っ張ってきてくれるだけあるぜ。
 
どうも、トトです。


そんなAPからまた新たにネタを2つほど仕入れてきました。
 
2つのネタではあるけど
 
近しい見解ができるんじゃないかと思い、
 
ここで一気に載せてしまおうじゃないかと。
 
まずは、あろうことが自分の誕生日に出たネタから。
 
 


エレクトロコアバンドBreathe Carolinaがファンに向けたオープンレターを公開「もしみんなのうちの誰かがガッカリしているとしたら残念だよ」

もしみんなのうちの誰かがガッカリしているとしたら残念だよ。でも僕たちは自分たちの情熱を、夢を追い続けなければいけないんだ。
みんなにはそれぞれ愛するたくさんのアーティストとバンドがいる。僕たちには、僕たち自身の全人生をかけて、僕たちがやりたいことをやらなければいけない、ただひとつのプロジェクト、ただひとつのことがあるんだ。
みんなの多くは僕たちと一緒に成長していて、それを見るのは最高だよ。オーディエンスの前でsavagesを歌って、stars & moonを歌うのは素晴らしいことなんだ。みんなの多くは今までの人生の中で最高の夜だったと僕たちに話してくれる。でも1人か2人は悲しんでる。僕たちも悲しいし、残念に思うけど、僕たちが何を成し遂げようとしているか理解して欲しい。
僕たちはみんな一人ひとりを愛してる。だけど、僕たちはみんなを幸せにする義務があって、自分たち自身に、自分たちの気持ちに従うさらに大きな義務があるんだ。僕たちは解散しないし、辞めない、これまでより良くて大きいことをやろうと思ってるし、僕たちのやり方でそれをやるのは最高なんだ。

 
 
と、いうバンドの声明でした。
 
これを一読した時にどう捉えるかは人によるだろうけど…
 
「僕たちはみんなを幸せにする義務がある」
 
この部分がちと引っかかってしまった。
 
音楽性を変えたことで、既存のファンが離れたのに
 
ファンやリスナーへの義務感で音楽やってるのかな?と。
 
と、いうように
 
見出しでは"エレクトロコアバンド"とカテゴライズされている

Breathe Carolina ではあるが
 
今は"コア"な部分なんて何ひとつないし、
 
もはや、言ってしまえば"バンド"ですらないやんね。
 
今やただの"エレクトロポップユニット"だろBCって。
 
エレクトロ"コア"バンドだったら、ULTRAにゃ出ねぇよ。
 
エレクトロ"コア"バンドのままだったら
 
昨年のSOFだって、あんなに批判もされないって。
 
 
「みんなの多くは僕たちと一緒に成長していて」
 
ってのは、以前記事にした
 
Beartoothvo.Caleb みたいな人が言うから
 
説得力があるんだと思うがなぁ。
 
 
「僕たちが何を成し遂げようとしているか理解して欲しい」

 
目指すところはDaft Punk か?Skrillex か?
 
Chemical Brothers か?

エレクトロ"コア"で惹きつけられたファンやリスナーには
 
割と理解に遠いところにあると思うんだけどな。
 
 
ちょっとねー……
 
オープンレターの内容が示す通り
 
「黙ってオレらについてこい!」
 
って言うには、足りない部分と失ったものが多いと思うなぁ。
 
 
 
 
 
で、このニュースの2日後に出されたネタはこちら。
 
 
 
 
 

Bring Me The Horizonが音楽性の変化について「セルアウトしたとは全くかんじていない」と語る
 
意図して有名なRadioバンドになったわけじゃないんだ、それがただ僕たちの好きな音楽だったんだよ。僕たちはポップミュージックが好きだし、キャッチーな曲が好きなんだけど、ヘヴィーミュージックも好きなんだ。全く不自然だとは感じてないし、セルアウトしたとも全く感じていないよ。
それは本当だし、いいことなんだ。間違いなくいいことだし、だからシーンの人がまだ僕たちをリスペクトしてくれて、新しい人も入ってきてくれているんだと思う。
それは他のどんな理由のためでもなく、僕たちが大好きなことをやっているからだと思うよ。

 

対して、このBMTH
 
バンドは思ってなくても、結果だけ見れば
 
立派に商業的な成功を収めたであろう「That's The Spirit
 
他国と比べて圧倒的低位置だったガラパゴス国

わが国、日本のランキングなどは無視して
 
各国のランキングでは軒並み良い数字を叩き出している。
 
そもそもビルボードで2位を収めた作品が
 
数字的に成功してないなんてワケがない。
 
もちろん、過去のBMTHが好きな"コア"勢からは批判もあったし
 
離れていった人も決して少なくはないだろう。
 
しかし、それ以上に世間での評価が高く、
 
それまで以上のファンやリスナーを獲得したということだろう。
 
"Linkin Park っぽい"と各メディア、音楽リスナーからも言われたように
 
あの化け物バンドに肉薄したものを作ったということなら
 
売れたとしても違和感はないように思う。
 
それでもバンド自身は"まだセルアウトしたとは思ってない"
 
上昇志向の塊かよ。
 
満足してない、って言ったら嘘になるだろうけど
 
まだまだいけると思っているからこそ出た言葉なんだろうな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と、こうして共に音楽性を変えたもの同士なのに
 
結果は雲泥の差となってしまった。
 
果たして違いは何なんだろうかね?
 
 
まずはシフトした"方向"が違うんじゃないかと。
 
BC=エレクトロコア
 
BMTH=デスコア、メタルコア
 
どちらも"コア"と呼ばれる一般的には
 
なかなか受け入れ難いところから出てきたのは同じ。
 
しかし、一般層に寄り沿いやすいのはきっと
 
"エレクトロ"要素のあったBCだとは思う。
 
しかし、結果は逆になった。
 
 
BCはエレクトロ"ユニット"になり
 
BMTHはオルタナティブロック/メタル/ニューメタル"バンド"になった。
 
同じエレクトロというカテゴリにい続けたが、 
"バンド"を捨て、"コア"要素を捨て、
ライブもバンド時代とはまるで変わってしまったBC

 
対して

"コア"要素は捨てたものの
ライブではまだまだ"コア"な曲もやり、
あくまで"バンド"として大衆受けの良い音楽性に変化したBMTH

 
こうやって文字に起こしてみるだけでも
 
どうして差がついたのか、よくわかってもらえるのではないだろうか?
 
 
 
そして、自分たちの"スタンス"の違い。
 
お互いの声明文も見てもそれは明らかだが
 
BCは
 
"音楽性は変わったけど、まだまだみんなと楽しいことするよ!ついてきて!"
 
と、ファンを大切にする様を見せつけてはいる。
 
対してBMTHは
 
"自分たちがやりたいことをやっただけ。あとは世間が評価してくれた"
 
あくまで自分たちのやりたい音楽を貫き通し、
 
今ほどの状況になったのはすべて結果論だ、と言ってのける。
 
BCも自分たちのやりたいことをやっているというのはわかるが
 
BMTHのように結果がついてきていないし、

離れたファン以上のファンを回収できていないようにも思う。
 
何より、最初に言ったようにファンに寄り添いすぎていると感じる。
 
日本のバンドみたいに、ファンに迎合してるとまでは言わんが
 
「僕たちはみんなを幸せにする"義務"がある」
 
義務って… それはそれで自分で首絞めてないか?
 
この違いは大きいと思う。
 
 
 
 
 
正直、今の世の中で
 
音楽で食っていくって選択をした人はシンドイと思う。
 
売れるだの売れないだの、
 
音楽性を変えるだの変えないだの、

賞賛される、批判される、
 
新規ファンがつく、古参ファンがいる ……etc
 
色んなこと考えないといけない。
 
でも、そんな中でもBMTHや他の先達バンドたちが
 
既にひとつの答えを出していると思う。
 
 
自分たちがやりたいことをやる
 
 
ファンだの、売上だの、世間の評価だの、
 
せっかく自分の好きな"音楽"で食っていくて選択をしたんだ。
 
好きな音楽やればいいじゃない。
 
結果なんて後からついてくるもんでしょ。

周りを気にせず、自分の意思がしっかりしてるって人は

魅力的に映るというのも、音楽だけに留まらない話。
 
自分のやりたい音楽が世間からズレてんだったら結果は出ないかもしれない。
 
でも、そこに食いつく人だっていると思うんだ。
 
自分たちから"ファンやリスナーを増やそう"って音楽を作るんじゃなくて
 
"自分たちが好きな音楽、やりたい音楽を好きになってくれる人"を探して
 
見つけたら、そういう人たちを大切にしていけばいいんじゃないか。
 
ってのが物凄く難しいことなんだろうけどもね。
 
もちろん自分は"聴く側"だし
 
"発信する側"の苦労を知りもしない人の中のひとりだから
 
あんまりデカイ口は叩けないけども。

加えて、個人的に好きなのは初志貫徹タイプだからなぁ。
 
 
 
それより何より、
 
今は音楽自体が低迷してる時代であり、
 
音楽を聴く人自体が減少している時代でもある。
 
昔は気軽に聴いていたものなのに、今は

意識して聴かないと、良いものが残っていかない時代なのかもしれない。

だとしても、世界から音楽はなくならないという気もする。
 
 
自分たちの好きな音楽、やりたい音楽をやるバンドが増えて、
 
それが全うに世間に、シーンに受け入れられる時代が来ると良いなぁ。
 
海外ならまだしも、
 
日本じゃ夢物語みたいな、ありえないほどの理想論かもしれんけどね
 
 
 
 
 
 
 
 
 
参考記事
2015 LIVE REPO 24th. SCREAM OUT FEST 2015
音楽性の変化による成功と失敗
バンドの思いと、リスナーの思いと…
バンドとファンの理想の形
"音楽離れ"って若者だけじゃないけど…
Beartoothのvo.Calebが売れ線バンドを一刀両断