ポップ×ファンク 北海道からの新鋭、カラスは真っ白"HIMITSU" | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。


頭痛が痛い

誘惑を誘う

触覚に触れる



あるようで、ホントに使っていたら"頭の弱い子"認定されそうな言葉。

「頭痛」や「誘惑」は、その単語だけで動詞や形容詞も含んでますしね。

頭が痛い=頭痛

誘い惑わす=誘惑

「触覚に触れる」は、合っているようでどこか違和感がある。

これが"触覚"ではなく、"触角"だったら正解でしょう。

触覚=触れる感覚

触角=虫等の頭部から出てる器官

同じ漢字を使っていても、触角は物理的に目に見える物体ですしね。


そういった言葉遊び的なものや、漢字(単語・言葉)の並びを考えるのが

昔から割と好きなんです。

どうも、トトです。



今回紹介するのは、そんな面白い言葉の並びをした歌詞を持ち

tacicaサカナクション怒髪天等、希有なバンドを生み出した北海道

それまでありそうでなかった、ポップでファンクなバンド


カラスは真っ白
3rd mini album"HIMITSU"

1.HIMITSUスパーク
2.正義とアクチュエータ
3.シャイ・ルック・ホームズ
4.9番目の「?」
5.革命前夜



現在の音楽シーンにも徐々に名を知られてきているカラスは真っ白

個人的にも、有名になりきる前に

早いとこ一度、ライブをを拝見したいところではある。


まぁ、今さら1月リリースのアルバムを取り上げるのもどうかと思うが

入手したのが最近なので目を瞑っていただきたい。


と、最新作の話に入る前に

実は昨年から気になり出してはいて、

昨年末に書いた「2014 Best CDs - TOP 5 」の記事にも

top5に名は連ねなかったものの、次点に入ってるんです。


次点に入った作品が、前作である「おんそくメリーゴーランド

この中のリード曲"fake!fake!"のMVを仕事で見たのがキッカケでした。

自分もそうだったように、この曲から知った人は多いんじゃないかと。

2年前にアップされたそれまでバンド内最高再生回数であろう

"ハイスピード無鉄砲"を一気に抜き去り

11ヶ月前にアップされた"fake!fake!"がハイスピード~の約2倍の再生回数ですしね。

仕事で見たときは

新譜コーナーの紹介でだったので、見たのはMVのほんの一部分だったけど

MVのアニメーションの雰囲気と、

何よりvo.ヤギヌマカナの声

国内バンドシーンに興味を持った人なら知らない人も少なくないでしょう。

そう、

相対性理論vo.やくしまるえつこの声と似ているのです。

元からそこまで頻繁なバンド活動をしてるワケではなかった理論だが

その知名度はなかなかに高く、

メディアに一切出ないにも関わらず

いつだかZeppでライブしてたような記憶もある。

CMや番組でのナレーション等もあり、

近年では、理論よりやくしまるえつことしてのソロ活動の方が目立ってるような気もする。

理論としては知らなくとも、やくしまるえつこの声を聞いたことがある人はいるハズ。


で、このように理論ややくしまる単体での"音楽活動"が頻繁でない為、

理論ファンもやきもきしてるとかしてないとかあると思うが←

そんな人にピッタリなのが、このカラスは真っ白という新鋭なのです。


ここでようやく新譜の話になるのですが。


アルバムの1曲目であり、今作のリード曲
"HIMITSUスパーク"は
『文化庁メディア芸術祭』新人賞に輝いたアニメーション作家、植草航氏と
fake!~に続き、再びタッグを組みMVを作成。
全体の映像構成や、登場キャラ?も前回と変わりなく
秀逸なMVとなってます。
自分も元来、音楽ではなく
ゲーム、アニメ、漫画で育ち、青春時代を送ってきた人間なので
こういった映像はけっこう好きだったりします。
ちなみに再生回数も4ヶ月目にして、
早くもハイスピード~を射程圏内に捉える爆速っぷり。
曲も曲で、"feke!fake!"同様アップテンポで
vo.ヤギヌマは、さらなる高音キーを披露。
歌い方や、そういったキーもあるかもしれないけど
ここまで来ると、さすがに"ポストやくしまるえつこ"ではなく
完全に"カラスは真っ白のVo.ヤギヌマカナ"ここにありである。

2曲目の"正義とアクチュエータ"
これは曲調とか、歌詞の繰り返し似た言葉のフレーズとか見ても
理論に近いものがある。
カラスに対する何の知識もない人に聴かせたら
『何これ?理論の新曲?』
と言われること間違いなし。

3曲目"シャイ・ルック・ホームズ"
シャーロック・ホームズをもじったであろうタイトルが○
ちょっとダークな雰囲気を連想させる曲調。
しかし、このリズム感が心地よい。
言葉で上手く伝えられないのが至極残念。
買って聴いてください←

4曲目"9番目の「?」"
ベースごり押しのイントロがすげぇかっこいい。
早口言葉のように歌詞が詰まった1曲。
ハイテンポだったペースも途中で一旦成りを潜めるも
ベースと、ギターのジャカジャカ感がホント心地良い。

ラスト5曲目の"革命前夜"は
きゃりーぱみゅぱみゅ×相対性理論、的な。
昨今の深夜アニメで、日常系やファンタジー系のアニメのエンディングに
使われててもおかしくないような雰囲気。
この曲を聴いて、真っ先にそのイメージが浮かんだ。
つか、この曲に限らず
フツーにアニメタイアップとかもできそうなんだよな。
このアルバムで言うなら、OPは間違いなく"HIMITSUスパーク"で
エンディングを"革命前夜"にでもすれば完璧。



先日、地下室TIMESにこんな記事が上げられた

今の邦楽ロックのスタンダードを”KANA-BOONスタイル”と名付けたい

最近の若手にホントに多いこの現象。

カラスは真っ白を聴くキッカケとなった同じ番組、同じコーナーで

まさにこのKANA-BOONスタイルのバンドを見つけた。

個人的にはウンザリである。

思考を止めたらオシマイだとわかっちゃいるんだが

このテのバンドにそこまで興味を持てなかったことも影響してか

全部同じに聴こえるんだもの!!!!!


その点、カラスは真っ白は

女性ボーカルを起用している次点で

若者が好み、憧れるような

男のハイトーンもやしボーカル四つ打ちツーステバンドとは別枠だと思うんだ。

加えて、ファンク要素を遺憾なく発揮している点。

ロックやパンクに、ポップやメタルの要素を入れるバンドは星の数ほどあれど

ファンク要素を入れるというのは珍しいのではなかろうか。

HPやwikiにも記載があるが

バンドのコンセプトはポップかつファンキー
「ただのポップだけではおもしろくない、もっと細部にこだわって他と違ったことがしたい」

"細部にこだわって他と違ったことをしたい"

ここが全てを物語っている気がする。


個性が大事と謳っておきながら、こうなってはオシマイである。

個性を狙った末の無個性

この茶髪の女子大生たちを、KANA-BOONスタイルのバンドたちと

置き換えても違和感ないのではなかろうか。


そして"映像"の魅力

今やMusic Videoも立派な商業戦略の要ですよ。

先日書いたBIGMAMAのように

女性の好むイケメン、サブカル系が好む雰囲気イケメンなメンバーを前面に押し出し

釣りやすいが逃げるのも早い女性をターゲットにするもよし。

ストイックにかっこいい音楽、かっこいいライブ映像を使用し、

男人気を獲得するもよし。

確かな実力を裏付けながらも、SlipknotFACTMAN WITH A MISSIONのように

顔を隠して、含みを見せるのもよし。

クソ○ーみたく、

所属バンドのMVをブロックして見せなくする
なんてむしろ逆効果なんだよ。

アニソンみたく、short verしか公開しないようじゃ

違法ダウンロードを警戒してるようじゃ

音楽市場なんて廃れてく一方やぞ。

こんな小さな極東の島国のバンドやミュージシャンは眼中にないほどの

人気や知名度を誇る世界の名立たるバンドやミュージシャン、レコード会社やレーベルが

MVに規制かけたり、short verしか上げないなんてことしてないだろってな。


そして、今や日本が世界に誇るサブカルチャーの代表格

"アニメ"や"かわいい"を使っていくのも大いにアリなんだと。

それがカラスは真っ白のMVに込められてるものだと思う。

何でも、2作続けて監督を務めた植草航氏とは相思相愛だったようで。

もの作りはかくあるべし!
カラスは真っ白×植草航(アニメーション作家)の相思相愛MV制作秘話


↑でも言ったが、このテイストの映像好きなので

この先も是非とも続けて欲しいです。


で、個人的に注目したいのが

MVやHPでの表記

何げに英文を使用してるってこと。

カラスは真っ白A crow is white

とかね。

YouTubeのコメント欄、外国人めちゃくちゃ多いしな。

HPのバイオグラフィーとか、日本語の説明のすぐ下に

全英語の説明書いてあるとか。

さすがにトップページからJAPANESE/ENGLISHの切替ボタンはないものの

こいつら、なにげに世界に向けて発信してるぜ…

cool japan だわ←


出てくるバンド、ミュージシャンが粒揃いの北海道から

ポップさと、ファンクさを基に、

ツーステよりも身体自体を揺らしたいリズミカルな音を生み出し、

映像でもポップ×かわいいアニメを武器にする

カラスは真っ白

海外でライブをするのも、そう遠くない未来になる予感。



3月末のJAWEYE、4月はじめのSeptaluckで汗流し

続くtacicaHEAD OVER HEELSACIDMANでは大人見

そして"ガチ"な感じでいく、明日はcoldrain

対バンがアレな為、どこまでガチれるかわかりませんが

アザのひとつやふたつ作ってこれればいいかな、と。