アメンバ様700人突破・7万ヒット御礼・ブログ開設2周年を記念しまして…。
細やかながら、自分お祝い祭りです。
ガラケーユーザさまには、ちょっとだけ不親切なお話です。
申し訳ありません。
注!! このお話は単独ではわかりません!!
スタートは、ココ になります。
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物凄く迷った。
物凄く悩みぬいて、キョーコが選び取ったのは…。
「温泉で、のんびりしましょう?」
自分が選んできた、温泉旅行にした。
初めての旅行が贅沢ではいけないと思ったのだ。
蓮にしてみれば何てことないのかもしれないが、キョーコのしてみれば物凄く背伸びをしている高級旅館。
そこに泊まることにした。
「紅葉が綺麗だといいね」
蓮は何も言わず、地味な色合いでまとまっているパンフレットを一緒に覗き込んでくれた。
「食べ物もおいしい時期ですし、きっと楽しいですよ!!」
訪れる頃には、秋が最も深まっている時期でのんびりと過ごすにはもってこいだ。
「予約は俺がしておくね」
「お願いします…」
今はそんな事ないのかもしれないが、女性の予約を嫌がるところもある。
蓮が一緒に行くのだから、蓮に予約してもらった方がトラブルがないだろう。
「部屋、どっちがいい?」
額を触れ合せて選んだ旅館は、九州の奥にある温泉地に立っていた。
近くには有名な渓谷があり、車を走らせれば様々な観光地に行ける。
「…こういう部屋にするんですか?」
蓮が指差しているのは、ホテルの最上階に一部屋だけある特別室とモダンな和風に設えられている離れ。そのどちらかを選べと、言っているのだ。
「その方が気兼ねしないだろう?」
何かと目立つ二人。
人目につかない部屋の方が、ゆっくり過ごせるのは明白だ。
「そうですけど…」
う~んっと、さんざん悩みぬいた末にキョーコが選んだのは、和室の離れだ。
大正風の設えが、可愛らしくてキョーコの心を擽ったのだ。
パンフレットをキョーコが指差すと、蓮は大きく頷いてくれた。
「俺もそっちがいいと思ってた。行く準備、一緒にする?」
「準備って…?」
特にすることなどない気がする。
車はレンタルするだろうし、衣類も特に買いそろえる様なものはない。
強いて言えば、トラベル用の洗顔類を揃えたいくらいだろうか?
こてんっと小首を傾げたキョーコに、蓮は不穏に深い笑みを浮かべキョーコの耳たぶを引っ張った。
「…新しいキョーコを見たいなって…」
「あたらしい…?」
含みのある物言いに、益々訳が分からない。
「だから、一緒に買い物行こうって言ってるんだよ」
「はぁ…」
「それとも、俺が揃えてもいい?」
本当によく分からなかったが、キョーコはとりあえず言った。