細やかながら、自分お祝い祭りです。
ガラケーユーザさまには、ちょっとだけ不親切なお話です。
申し訳ありません。
注!! このお話は単独ではわかりません!!
スタートは、ココ になります。
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蓮が買ってきた弁当を食べながら、今日の予定を立ててゆく。
「島にあがる?」
今日上がる島は小さくて、数時間もあれば観光名所は回れてしまう。
発掘された美術品が並ぶ、美術館が一番の目玉だという。
だた、食事処は期待できなさそうだ。
「ん…。上がって、一通り見たら早めに晩御飯食べませんか?」
幕の内弁当は思いの外美味しくて、どんどん箸が進む。
「早めに食べるの?」
「えぇ。この、丘…」
パンフレットに記されていたのは、日没が見事だと言う丘というよりは岸壁。
そこから日没が見たいと、キョーコが言った。
写真を見ると、エーゲ海に沈む太陽は荘厳で…。
一見の価値がありそうだ。
「じゃ、色々回って…。ココに行こうか?」
「はい!!」
船はゆるゆると進み、港に入る準備をしているようだった。
少しずつ陸が近づいてくる。
初めて見る景色にキョーコは夢中になった。
次第に大きくなる、白い壁。
青い海と空を弾く、真っ白な壁がここ外国なのだとキョーコに強く訴えてくる。
着岸すると、蓮とキョーコはすぐに陸に上がった。
綺麗に舗装された街は、あまり大きくない。
素朴な民芸品が並び、気ままに猫が寝ている。
ギリシアらしい光景。
キョーコは猫を構ったり、道沿いに並ぶ露店を覗きこんだり…。
ゆっくりと進み、小さな博物館へと到着した。
ミロのビーナスのような大作はないが、綺麗なギリシア彫刻達がキョーコと蓮を迎えた。
「うわぁ…」
優雅なドレスを纏い、凛と視線を上げている女神。
雄々しく空を睨む男神。
日用品や芸術品。
それらを眺めていると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
「素敵でしたね…」
ゆっくりと見ていたら、予定していた時間を過ぎてしまった。
焦る旅でもない。
のんびりと船に戻り、早めの夕食を済ませる。
そうしている間に、日は少しずつ傾いて…。
もうすぐそこまで、夜を連れてきていた。
「じゃ、夕日を見に行こうか?」
「はい!!」
持って行くものは何もない。ただお互いが居ればいいだけ…。