旅行に行こう!! ~プールは誘惑がいっぱい~ | 妄想★village跡地

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アメンバ様700人突破・7万ヒット御礼・ブログ開設2周年を記念しまして…。

細やかながら、自分お祝い祭りです。


ガラケーユーザさまには、ちょっとだけ不親切なお話です。

申し訳ありません。


注!! このお話は単独ではわかりません!!

スタートは、ココ になります。


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「ひろーい!!」


この船のメインデッキに設けられたプールは、本格的だった。

学校のプールくらいの大きさはあるだろう。

すでに乗客たちが華やかな水着姿で、水遊びを楽しんでいた。


「荷物、ここに置いておくよ」


キョーコの水着の様な、トリコロール模様のパラソルの下に置かれたビーチマット。

蓮はその上にタオルを置いて、水際で顔を輝かせているキョーコの隣に並んだ。


「浮き輪、いる?」


「平気です!!」


「じゃ、競争しよっか?」


「負けないんですから!!」


優雅に水遊びをしている人たちがいない、本格的なコースが引かれている一角へ移動すると手近な人に頼み、スタートの合図をお願いした。

陽気な外人は、快く引き受けてくれて…。


「3,2,1、GO!!」


その合図を受けて、二人は魚になった。

元々キョーコには不利な試合だ。

蓮の手足の長さは水泳には有利だし、しっかりとついた筋肉は水を良く蹴った。

女子にしては早い方だと思う。


(でも、まだまだだね…)


とんっと、蓮が対岸の壁に手をついた時、キョーコは蓮の体1.5個分先を泳いでいた。


「ぷはっ!!」


すぐさま追いついて、プールの底に足を付けたキョーコ。

その顔は、とても悔しそうだった。

負けず嫌いの彼女。

悔しがるのは、当然かもしれない。


「残念ながら、水泳は得意なんだ」


「くやしぃ…」


「じゃ、勝者へご褒美貰おうかな?」


「ふぇ!?」


「んっ」


水にぬれて、ふやけた指で己の唇を突く。

すると、キョーコはその意味を正確に理解したようで…。


「こ、ここでですか!?」


と慌てふためいた。


「大丈夫。普通だから」


と、周りを見渡す様にキョーコに言う。

そろそろと視界を左右に振ったキョーコが見たものは、ナチュラルにいちゃつく外国人の姿。ビーチマットの上に、寝そべる恋人の膝に乗るご婦人や、言葉を囁き合い唇を触れ合せる恋人たち。

蓮とキョーコがキスをしても、その中に紛れてしまう。


「…目、つぶってくださいね?」


「了解」


コースロープを持ち上げて、キョーコが蓮の傍にやってきた。

ゆらっと動く、水の気配。

少し腰を落として、祝福を待つ。


「んっ!!」


キョーコの手が蓮の肩に掛かり、ぷよんっと柔らかな胸が押し当てられたと思ったら…。

それ以上に柔らかい唇が、蓮の唇を塞いだ。


「…次は負けないんですから」


「ハンデを上げようか?」


緩く抱き合ったまま、甘い言葉を紡ぐ二人の邪魔をしたのは、先ほどスタートの合図を頼んだ男だった。

フランス語で何かをまくし立てると、プールサイドに腰を落として蓮の腕の中にいるキョーコのおでこに…。


ちゅ…


キスをした。


「ひぇぇぇぇ!?」


壮年の男性にそんな事をされたことの無いキョーコは、ゆで上がり蓮の胸に顔を埋めた。

恋人に無体な事をした男を、蓮が許すはずもなく…。


『何のつもりだ?』


射殺してしまいそうな鋭い視線を、男に向けた。


『呪いだよ。次は勝てるようにってね』


肩をすくめた男に、悪気はなさそうだ。

だけれど、許せない。

それでなくても、心が狭い蓮なのだから…。


『俺の恋人はシャイなんだ。慎み深いんだよ』


『みたいだね。ごめんよ、次は勝てるといいね』


ぐるぐると唸る蓮に、苦笑を返して男は腰を上げた。

ひらひらと手を振って、キョーコに挨拶をすると何事もなかったかのように船の中へと戻って行った。


「大丈夫?」


ぴとっと、蓮の胸に顔を埋めているキョーコ。

驚かせないよう、背中をさすりながら優しく声をかける。


「へ、平気です…。ただ、びっくりしちゃって…」


ようやっとあげた顔は、へにゃりと歪んでいた。


「消毒…」


先ほど男が触れた部分に、蓮は唇を寄せる。

アイツより強く吸い付いて、その感触を上書きしてゆく。


「…ありがとうございます」


「もう一度挑戦する?」


蓮が問えば、ふるふると首を振った。


「のんびりしましょう?」


「了解」


コースを出て、優雅に遊んでいる人々に混ざる。

ビーチサイドに置かれている大きな浮き輪を借り、その中にキョーコを浮かべた。


「きもちい…。クラゲになった気分です…」


ぷかぷかと波間を漂うキョーコ。

蓮はその浮き輪に腕を回し、顎を乗せて同じように漂った。


「そう…?」


先ほどの男の事は、忘れてしまったのだろう。

きらめく日差しを浴びて、気持ちよさそうに顎を上げる。

けれど、蓮は面白くない。

いや、八つ当たりだというのは分かっている。

けれど、くすぶる気持ちは消えないのだ。


(無防備だし、魅力的なのが悪い)


と、心の中で呟いて…。


(ちょっとだけ、お仕置きだな…)


何も悪くないキョーコ。

分かってはいるのだが…。

悪戯な指は止まらない。

浮き輪の陰に隠れているその場所に、そっと指を忍び込ませる。

きつい水着をかいくぐって、不埒に動かすと


「れんさん!?」


驚いたのか、キョーコの手足が暴れ出した。


「しーっ…。落ちちゃうよ?」


見つかってもいいのかと、酷い脅しをかけてキョーコの動きを封じる。

その間に慣れた手順で、キョーコを指先で愛した。

次第に高くなるキョーコの呼吸。


「…おへや…かえりたい…」


キョーコが呟いたのは、程なくしての事だった。

勿論蓮に異論はない。


「了解」


プールサイドに上がり、置いてあったタオルでキョーコを包むと…。

お姫様抱っこで、悠々とビーチサイドを後にしたのだった。


「パーティまで、ゆっくりしようね」


ちょっと、悪戯はするけどね…



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