※ネタバレ注意なやつです
ゴーン・ガール
12月12日(木) 18:40~ TOHOシネマズ六本木
好き度: ★★★★☆ 4/5点
「それが結婚というものよ」
フィンチャーの新作ということでノリノリで先行上映に行ってきましたが、すっげぇおもしろかったですよ!(・∀・)
まず、この映画を観てまず強烈に頭に浮かんだ映画は今年観た倦怠期夫婦映画の傑作「ビフォア・ミッドナイト」でした。ビフォア・ミッドナイトのラストシーンって演技で終わるじゃないですか。僕あの理想のカップル演技のラストって、いい仲直りに見えるけど、僕らはもうこんな理想のカップルじゃないんだ、という一抹のあきらめみたいなものを感じたんですよね。(前書いた『ビフォア・ミッドナイト』の感想はこちら) いや~なため息感って書いてましたな。そんなビフォア・ミッドナイトのラストシーン、味付けは違えどまさに「ゴーン・ガール」も同じことを言っているんじゃないでしょうかね。お互いが理想の夫婦を演じることこそが、平穏な結婚生活をおくっていく唯一の手段なのかもしれないという。ある種のプレイですよね。それに乗れるか乗れないかなんですよねたぶん。うまく乗れないと、ブルーバレンタインみたいになるし、そのプレイに乗って結婚生活をまっとうするのはそれはそれで修行のようなものですよねw 僕、学生だしまわりに結婚してる人がいないんでわかりませんが、結婚してる人の感想はすげぇ聞きたいですね。
主演はベン・アフレックとロザムント・パイク夫婦。この2人です。
でも、このゴーンガールが言ってることって、決して夫婦だけに限ったことじゃなくて、人間関係全般に言えるというか、意外に普遍的なんじゃないかと思っております。人間はみんな何かを演じてるわけで、、これは想田監督の観察映画シリーズ『演劇』で平田オリザさんが言ってたことにも通じるなぁと思ったりもしました。例えば僕にとっては家族関係がそうです。よくこのブログにも書いてますが、僕は家庭環境がいろいろあれなこともあってか、「本音で何でも言い合える家族(´∀`)」みたいなのがすっげぇ気持ち悪いと思っております。家族というのは本音を言わないからこそうまくいくんじゃないの?というのが今の僕の家族というものの考えです。本音なんて言ったら、家族なんて崩壊するでしょうよ。少なくともうちはそうなので、この映画の夫婦というものの考え方はとっても腑に落ちるというか、イビツだけど個人的にはとても納得だったりしました。というか、あれこれうちの実家だ、って思いましたよ。こわいこわい。
キャスティングが120%ハマってますな
とにかく、怪演という言葉がふさわしい、ロザムント・パイクでしたよね。「アウトロー」のヒロインとか「ワールズエンド」のヒロインとか最近やってましたが、そんなに印象に残ってませんでしたよ。まさかこんなにすげぇ女だったとは…。そして何と言ってもベン・アフレックはここまでのハマり役がこれまでにあっただろうか…というくらいのはまり役でしたよね。この映画、原作も書いてるギリアン・フリン自身が脚本書いてて、今僕も原作読んでますけど、ほんとすげぇ良くできた原作だしそれだけでもめっちゃくちゃおもしろいんですよね。原作者自らが脚本書いてるわけで、この原作をどう映像化するかっていうのに注力された映画なわけじゃないですか。そう考えるとキャスティングがやっぱ一番大事なんだと思うんですよね。この映画、ギリアン・フリン自身が脚本を書いて、それをデヴィット・フィンチャーが監督をし、そしてなによりこの2人をキャスティングできたというこの座組みを組めたことが一番の勝因ですよね。ベン・アフレックに関しては、原作の時点でベン・アフレックのために書かれたんじゃないかと思うレベルでしたよw
あとあれですね、事件が起きてからのベンアフの不用意なカンジというかどうしていいのかわからず、思わずニコッとしちゃって変に誤解されて、ドツボにはまっていく感じはほんとね、すげぇ俺こうなりそうだなぁと思いましたよ(´Д`)こういう不用意ないらんこと、俺絶対やっちゃうわ~とベンアフは滑稽でしたが他人事じゃない感がすげぇ出てて最高でした。あとやっぱメディアのこの総たたきっぷりの鬼畜さというか、メディアがどんどん暴走する感じはすっげぇ怖かったですね。あれよあれよ感がすごくうまかったし、ちゃんとベンアフがわざわざ種まいていく感じがまたおもしろくってw同時に見てらんない感じでしたな(´Д`)こわいこわい。挙句の果てに近親相姦疑惑まで行くのとかすげぇえげつなかったです…。
メディアこわいこわい
フィンチャーに関してはもう言うことはないというくらいスキがないですよね。この作品に関してはフィルモグラフィー的にも間に「ハウス・オブ・カード」をやったことが大きいような気がします。あの作品の人間関係の描き方、あの恐ろしい夫婦も含めて通じるものがある気がします。
この作品、一番怖かったのはラストのシャワーシーンですよ。「シャンプー」の一言があれほど重く怖い言葉に聞こえたのは初めてですよ。ラストあたりはすげぇブラックコメディでおもしろかったし、ブルッときました。何よりあのイビツさはこの映画のすごい魅力だと思いました。
僕個人の好みとしてはちょっとバランスとして寓話チックすぎるというか、、って思ったけどまぁそれも僕が結婚してないのが大きいのかしら。今までいろいろと倦怠期夫婦映画を観てきましたが、この映画が一番結婚してる人の話が聞きたくなる映画でした!
ただ、僕個人としては今年の初めに観た「ビフォア・ミッドナイト」の立ち位置がこの映画を観たことで逆にグイグイあがってたりします。僕的には同じテーマの映画だと思うんですよね。それをオリジナル脚本でしかも109分で仕上げたっていうのもあり(まあでも全二作の存在は大きいか)。あとビフォアミッドナイトのほうがより、抱えてる問題もリアルで重かったなぁとおもうんですよね。やっぱ好みだとは思うんですが、ゴーンガールは寓話寓話しすぎてたかなぁっていうのがちょっと。。ま、ほんとこれは好みのお話。
というわけで、ゴーンガール、これはある程度誰が見てもぜったい面白いと思うし、絶対に一見の価値はある作品であることは間違いないですよ!というか今一番観ないといけない作品でしょう!
フィンチャーがどんどん洗練されていってて、今後どうなっちゃうのフィンチャー、どこまでいっちゃうの!?僕は少なくともフィンチャー作品は死ぬまでたぶん観れるんで、もうこれほどうれしいことはないですよね。
すっげぇおもしろかったです!!!
おわり
クリスマスにおすすめ、カップルで観たいステキな恋愛映画です(・´з`・)ぜひご覧ください。
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- スタッフ
- 監督
- デビッド・フィンチャー
- 製作
- アーノン・ミルチャン
- ジョシュア・ドーネン
- リース・ウィザースプーン
- シーン・チャフィン
- 製作総指揮
- レスリー・ディクソン
- ブルーナ・パパンドレア
- 原作
- ギリアン・フリン
- 撮影
- ジェフ・クローネンウェス
- 美術
- ドナルド・グレアム・バート
- 衣装
- トリッシュ・サマービル
- 編集
- カーク・バクスター
- 音楽
- トレント・レズナー
- アティカス・ロス
- キャスト
- ベン・アフレック ニック・ダン
- ロザムンド・パイク エイミー・ダン
- ニール・パトリック・ハリス デジー・コリンズ
- タイラー・ペリー ターナー・ボルト
- キム・ディケンズ ボニー刑事
- パトリック・フュジット
- キャリー・クーン マーゴット・ダン
- デビッド・クレノン
- 作品データ
- 原題 Gone Girl
- 製作年 2014年
- 製作国 アメリカ
- 配給 20世紀フォックス映画
- 上映時間 148分
- 映倫区分 R15+