母乳権とは
テーマ:母乳育児「母乳権」とは,子どもが母乳を飲む権利のことです。
国立岡山病院名誉院長の山内逸郎先生が,1989年,国連でのこどもの権利条約の採択を受けて,「赤ちゃんを母乳で保育することは,新生児・乳児にとって基本的な権利である」として,新たに「母乳権」という概念を提唱したのです。
山内先生は「母乳についての22の手紙」を書いた小児科医の先生で,母乳育児にとても熱心に力を入れていた,素晴らしい人です。
わたしが尊敬する「おっぱい先生」でもあり,お亡くなりになってしまったのが,本当に残念です。
さて,山内先生の提唱する「母乳権」は,「子どもの権利条約」の第二十四条のニ(e)に「社会のすべての構成員特に父母及び児童が,児童の健康及び栄養,母乳による育児の利点(breastfeeding),衛生(環境衛生を含む。)並びに事故の防止についての基本的な知識に関して,情報を提供され,教育を受ける機会を有し及びその知識の使用について支援されることを確保すること。」と,明文化されていることによるものです。
つまり,赤ちゃんが母乳を保乳することは,赤ちゃんの当然の権利と言えるのです。
今まで赤ちゃんは「守られるもの」「守ってもらうべき存在」という,「保護の客体」であるという考え方が主流でした。
でも「子どもの権利条約」ができてからは,逆転の発想で子どもの立場になって考えるようにしましょうという見方になり,「子どもが権利行使の主体」になったのです。
そして,母乳を飲むことは乳児の「権利」であり,哺乳類として生まれてきたからには,この母乳権を勝手に剥奪したり,侵害されるようなことがあってはならないという考え方になりました。
特に初乳を哺乳することの大切さ,そして母乳育児のスタートになる医療機関がこのことを知っているべきだと考えて,医療者の意識改革に努めたのが,山内先生なのです。
「子どもの権利条約」は1989年に国連で採択され,1990年に国際条約として発効されています。
日本では1994年4月22日に批准し,1994年5月22日に発効しています。
批准とは,「条約を認めて実行します」という国の最終の確認,同意の手続きのこと。
発効とは,条約が効力を持つこと。
つまり,発効の日から条約の内容を守らなければならないので,1994年以降,現在まで,「母乳権」は守らなければならない当然の権利です。
しあわせ乳房研究所(しあわせおっぱい)は,子どもの権利条約にのっとり「おっぱい飲みたいよ~
」というお子さんと,「おっぱいで育てたい
」というご家族の方を応援し続けます![]()
【参考】子どもの権利条約第24条<健康・医療への権利>
1.締約国は,到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療及び健康の回復のための便宜を与えられることについての児童の権利を認める。締約国は,いかなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が奪われないことを確保するために努力する。
2.締約国は,1の権利の完全な実現を追求するものとし,特に,次のことのための適当な措置をとる。
a. 幼児及び児童の死亡率を低下させること。
b. 基礎的な保健の発展に重点を置いて必要な医療及び保健をすべての児童に提供することを確保すること。
c. 環境汚染の危険を考慮に入れて,基礎的な保健の枠組みの範囲内で行われることを含めて,特に容易に利用可能な技術の適用により並びに十分に栄養のある食物及び清潔な飲料水の供給を通じて,疾病及び栄養不良と戦うこと。
d. 母親のための産前産後の適当な保健を確保すること。
e. 社会のすべての構成員特に父母及び児童が,児童の健康及び栄養,母乳による育児の利点(breastfeeding),衛生(環境衛生を含む。)並びに事故の防止についての基本的な知識に関して,情報を提供され,教育を受ける機会を有し及びその知識の使用について支援されることを確保すること。
f. 予防的な保健,父母のための指導並びに家族計画に関する教育及びサービスを発展させること。
3.締約国は,児童の健康を害するような伝統的な慣行を廃止するため,効果的かつ適当なすべての措置をとる。
4.締約国は,この条において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため,国際協力を促進し及び奨励することを約束する。これに関しては,特に,開発途上国の必要を考慮する。
「子どもの権利条約」の全文は,ユニセフのこちらのページ(→☆ )から,読むことができます。
「こどもの権利条約特設サイト」では,もっとやさしい言葉で解説してあります。ページはこちら→☆










「ね~え,ママは次男ちゃんが小学校に行ってもず~っと飲んでてもらいたいと思う? それとも,小学校に行くまでにやめちゃう方がい~い??」
「え~,次男ちゃんはどう思うの?」
「オレは飲めなくなっちゃったからさ~」








