師走な基礎書法講座について | 書法家 武田双鳳の「そうほう録」

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「書で人生を豊かにする」をテーマに、日々のオモシロさを探求する書法家・武田双鳳の日記

グッと冷え込み、師走らしく慌ただしくなってきました。今日も、12月の基礎書法講座に向けて、本棚をひっくり返していましたが、以下のラインナップで落ち着きそうです。

 

1 懐素「草書千字文」

2 黄庭堅「李白憶旧遊詩巻」

3 趙孟頫「玄妙観重修三門記」又は「前後赤壁賦」

4 文徴明「行書詩巻」又は「行草千字文」

 

今月は、王羲之「十七帖」(三井本)、智永「真草千字文」(小川本)、孫過庭「書譜」で古法(二折法草書)を取り上げ、懐素「自叙帖」で新法(三折法草書=狂草)を学び、「草書の基本」を学んでいきました。

 

次は、草書の応用として多折法草書(黄庭堅「李白憶旧遊詩巻」)に移りたいところですが、いったんベースに戻って、懐素「草書千字文」から始めてみましょうか。

 

「自叙帖のように狂いたい」と稽古熱心な生徒さんがおっしゃっていましたが、狂草の名手たる懐素は、基本(晋唐の書法)に通じていたからこそ「狂えた」と言われています。平淡古雅な素の「草書千字文」を習得することは、奔放自在な書に辿り着くための近道と言えるかもしれませんね。

 

さて、草書シリーズは、「李白憶旧遊詩巻」をもって一旦終了します。12月は、元明代の書に入っていきます。

 

書は、王羲之からの距離感によって、クラシシズム(伝統的)な書とロマンチシズム(革新的)な書に分けることができますが、前者の代表は初唐の三大家であり、後者の代表は中唐の張旭・懐素・顔真卿、北宋の三大家でしょう。

 

では、元明代の書は、どのようなものか。蘇軾や黄庭堅、米芾によって革新の頂点を極めた書史は、その後、どのような流れを辿るのでしょう。

 

征服王朝たる元と、漢民族王朝たる明では、随分と色合いが異なるはずですが、書の世界では「元明態」とひとくくりに、されてしまいます。はたして、それでいいものなのでしょうか。

 

次回は、元の趙孟頫や明の文徴明の書を通じて、元明代における書史について考察をしつつ、各々の技法を錬磨させていきます。

 

※梁巘『評書帖』 … 「晋は韻を尚び、唐は法を尚び、宋は意を尚び、元明は態を尚ぶ」 

 

☆参考文献は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

☆以下の二冊は揃えておきましょう。趙孟頫や文徴明、董其昌の書は「唐様の書」として江戸時代に流行するなど、やはり、中国と日本の書は連動しています。

 

 

☆以下の本で中国史を概観しながら、書を学ぶことは大変効率的です。

 

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