ドレーン管理~はじめに~


ドレーン管理~胸腔ドレナージ・1~


ドレーン管理~胸腔ドレナージ・2~


ドレーン管理~胸腔ドレナージ・3~


ドレーン管理~胸腔ドレナージ・4~



今日は「胸水」について。


胸水は、いろいろ複雑でね。。。。。

ぶっちゃけ自分自身でも、あいまいな部分があったりする。

実にすっきりしない。


だから、おさらいしようと思う。


まず、胸水には大きく分けて、


①漏出性胸水(ろうしゅつせいきょうすい)


②滲出性胸水(しんしゅつせいきょうすい)



がある。



あ~~その前に基本の生理をいっとこ~


胸水て、実は生理的にも少しは溜まる(生理的胸水)


主に、壁側胸膜で産生・吸収される液体で、呼吸運動に伴う臓側胸膜と壁側胸膜の摩擦を少なくすることが役割だ。


生理的に1~20㎜ℓ程度は胸腔に溜まる。


そこでだ。


当然に、産生が吸収を上回ると・・・・・当然貯留量が多くなる。


産生が上回る。


これは病的だ。


異常な胸水の貯留には主に3つの要素がある。


1、静水圧の上昇        →①漏出性胸水

2、膠質浸透圧の低下     →①漏出性胸水       

3、血管透過性の亢進     →②滲出性胸水    


この3つが主に作用している。

この3つをスターリングの法則というんだけど・・・まぁ そんなのはどうでもいい。


この3つをわかりやすく説明するのは、正直きついなぁ。

なので、イメージで書いちゃうから、詳しくは教科書を見よう!


この1~3の状態というのは、肺の毛細血管と間質の間の水分の移動を表している。


1の静水圧の上昇は、主にうっ血性心不全の状態だ。


血管には細胞間隙とう穴が開いていて、通常は小さい穴なので、血液が漏れることはないんだけど、うっ血性心不全になると血液うったいしてしまうため、間隙から漏れ出してしまう。


これが、胸水の原因になり、肺水腫という状態になってしまう。


2の膠質浸透圧の低下

これは、主に肝硬変やネフローゼ症候群などにみられる。


すなわち、血管内が低アルブミン状態になってしまっている

(低アルブミン血症)


なぜ、低アルブミンになると、胸水が貯留してしまうのか・・・

これを、細かく説明すると、わけわからなくなるので、イメージで書きます。


膠質(タンパク質)は分子量が大きくて、細胞間隙を通過できないんだ。

このため、通常、血管内のほうが間質よりも濃度が高くなって、濃度勾配によって間質から血管内に水が入ってくる・・・・


わかりやすくいうと・・・・


アルブミンは力持ちで、水を間質に漏れないように引っ張る力がある。


なので、底アルブミン血症になると、血管から間質に水が漏れだしてしまうのだ。これが胸水になる。


3、血管透過性の亢進

滲出性の胸水なんだけど・・・


疾患では、癌性胸膜炎(肺癌、悪性胸膜中皮腫)

と結核性胸膜炎(肺結核)が多く全体の6~7割を占める


その他には・・・細菌性胸膜炎(肺炎、肺膿瘍)膠原胸膜炎(間質性肺炎)

などがある。


これらに共通することは???


そう。炎症だ。


炎症が起きると、何故に血管透過性が亢進するのか・・・・・

これを、わかりやすく書くのは、今の俺には無理です!!!


絶対にわけわからなくなる。


なので、簡単に・・・・・


胸膜に炎症が起きると・・・・(今回は胸水なので肺ってことで・・・)

白血球が、細菌などを殺しにかかります。


白血球は当然、血管内にいるので、血管からでるために、穴(間隙)を沢山あけて、細菌と戦うために飛び出していきます。


この、血管の穴(間隙)が沢山開いた状態を、血管透過性の亢進という。

(イメージ)


肺の炎症に生じた、滲出液が胸水となる。



多量の胸水の貯留は、肺を圧迫して、呼吸困難を引き起こす。


細菌性胸膜は、進行すると、膿胸という状態になって、胸腔に膿性胸水(うみ)が溜まることもある。


これらの胸水貯留は、多くは、胸腔ドレナージによってとりあえず排液して、肺への圧迫を解除することになるんだけど、結局の所、胸水の原因となる元を治療しないと、永遠に胸水は貯留してしまう。


つまり・・・・蛇口を閉めないと、水は永遠にでてくる。


なので、胸水のドレナージと共に、原因となる疾患の治療が必要になる。



続く・・・・