相続税改正(平成23年度)はいつから適用か?(補足追加) | 相模原市の税理士事務所 高木会計事務所(相続税申告/確定申告/決算)

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記事を読んだ方からケース1についてご指摘を頂きましたので、一部補足を入れさせて頂きました。


今回の大震災で被災された方々には心よりのお見舞い申し上げますとともに、いち早くの復興をお祈り申し上げます。


さて、前回3月下旬に「相続税改正は棚上げ」 という記事を書いたのですが、こちらの記事へのアクセスがここのところ非常に上がってきております右上矢印アップ


おそらく今後相続が発生しそうな人や、既に発生している方、そして仕事関係で相続についての説明が必要な方々(FPや銀行関係者)が、相続税改正が現状どうなっているのか分からない(不明)なためいろいろと調べられているのではと思います。


現状の検索では「相続税改正 いつから」と入力して検索をかけますと、多くの以前の古い記事では「平成23年4月1日以降に亡くなった方から適用」となっております。


もし、大震災が無く無事に法案が3月末までに通っていれば当然上記の期日H23.4.1に死亡した方から適用となったはずなのですが、法案が通っていない現状では結論から言いますと、どうなるか不明です。


ただ、今後相続税の改正法案がどうなるかは大きく分けて次の4ケース考えられると思いますので、相続税改正の今後ということで下記に列挙させて頂きます。ご参考になれば幸いですニコニコ


(相続税改正は今後どうなるか)

ケース1.現状通りの法案のまま通る適用時期は平成23年4月1日以降に亡くなった方から。つまり4月1日にさかのぼって適用されてしまいます。(ちなみに申告書の提出時期は関係ありません)

ただ、下記の補足の通り、不利益な法律は遡及適用されない大原則があるため、このケース1は可能性が低いと思われます。



(補足)

税金に関しては基本原則として「何人(なんぴと)も法律の根拠がなければ、租税を賦課されたり、徴収されたりすることがないとする考え方=租税法律主義 」という考え方があるそうです。


つまり、今回の相続税改正による増税法案は国民に不利な規定になるため、憲法上遡及適用することは許されないとういことになります。


ただ、過去「2004年4月に行われた税制改正で、それ以前まで認められていた不動産の譲渡損失の損益通算(給与所得、事業所得などとの相殺)を2004年1月1日以降認めないとする税制改正については、税制改正法施行前の1月1日までさかのぼって適用され損益通算を認めないこととなった経緯があり、これは不利益な法案が遡及適用されたケースになっています。


この遡及については裁判でも争われたようですが、東京地裁(大門匡裁判長)は「納税者に一定の不利益はあるが、遡及(そきゅう)適用に合理的な必要性がある」として原告の請求を棄却したそうです。


以上のことからも分かる通り、租税法規については、憲法84条の「租税法律主義」に不遡及原則が含まれており、国民に不利な規定を遡及適用することは許されないとされているが、様々な事情からこのような遡及立法がなされることがあり、この場合、予測可能性の見地から、法的安定性を害さない範囲で、その遡及立法は許容されるというのが、多数説であるようです。租税法規における不遡及原則は、重大な不利益である刑罰におけるそれと違い、絶対的なものではないということのようです。



ケース2.現状通りの法案のまま通る(ただし、適用時期が変更適用時期は法案成立時以降



ケース3.法案が廃案となる

この場合は今まで通り、基礎控除は5000万円+相続人×1000万円のままで、最高税率も50%のままとなります。


ケース4.法案に修正が加えられて成立

この場合は、現在提出されている法案より更に増税というのは考えにくいので、増税の度合いがやや緩和されるのでは?(ただ、被災地の復興財源が必要なため減税や増税緩和は法案が通りにくいかもしれません)


(注)いずれの場合も、法案成立がいつになるかは不明です。


上記のどれになるかは現状では全くわかりませんが、多くの色めき立っている他の税理士先生方の記事では、被災地の復興財源の確保のためそのまま通るのではとの見方が多いようです。


ただ、今回の大震災による被災の影響で亡くなられた方々の相続も多数発生すると予想されますので、そちらとの兼ね合いも出てくるという難しい問題もあります(つまり、増税色のかなり強い現在の法案のままでは通りにくい一面もあるということ)。災免法や特別措置法による減税だけですべて手当できるとも思えませんので・・・


被災者の方々にも配慮しつつ、かつ、日本の財政を破綻させること無く日本という大船を曳航していくバランス感覚が必要です。こういう時こそ政治に頑張ってほしいところですグー


その後の状況は以下の記事をご参照ください左下矢印

相続税改正(平成23年度)はいつから適用か? → 平成23年9月の状況


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