自宅ゲーム会62 メディナ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成29年3月27日

 

 本日は午前に半日ほど時間がとれたので、ちいと2人でのゲーム会です。ちなみに、ここから月末月初にかけてメンバーと休みが合うわ、芋が帰ってくるわとゲーム三昧(一部子守w)の日々・・・その分ブログを書く時間がなくネタだけ溜まっていく・・・

 

☆メディナ

○概要

作者:ステファンドラ

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:45-60分程度

 

 メディナの町を作りつつ発展させていこうという、木製の立体コマを使った陣取りといったゲームです。ちなみに、管理人の所有しているのは第2版で、初版との差は所有していないので正確には分かりませんが、「井戸」の要素は新しい要素だったと思います。

 

①手番には手元のコマを2種類配置します。

②建物はメインとなるもので、同色の建物は配置するプレイヤーに寄らず隣接して(最初の1個は自由)配置する必要があります。建物のグループ(宮殿)に、各プレイヤーの所有を示す屋根コマが置かれると完成でそれ以上大きくすることは出来ず、次に配置する同色の建物コマは任意の場所に配置できます。なお、宮殿同士は色に関わらず縦横斜めで隣接することが出来ません。各色ごとに最も大きい宮殿を持つプレイヤーは宮殿タイルを取り、ゲーム終了時にボーナスで得点を受け取れます。

②厩舎コマは完成した宮殿を拡張できる唯一のコマです(完成前でも配置は出来ます)。建物コマに隣接して配置しますが、宮殿の配置制限は適用されます。

③商人コマは、ゲーム開始時に任意の場所へ置かれた商人から一筆書きで伸びるように配置しますので、途中で分岐や塊になることは出来ません。宮殿に隣接すると宮殿の得点を上げます。

④壁コマは、4隅の塔から伸ばすように拡張します。それぞれの塔から伸びる壁コマがくっつくことは出来ません(必ず1マスあける)。宮殿が隣接すると宮殿の得点を上げ、また最後に隣接した宮殿が(宮殿の大きさに関わらず)塔タイルを受け取れ、ゲーム終了時にボーナスで得点を受け取れます。

⑤井戸はゲームスタート時に任意の場所に配置されており、井戸から上下左右1マス分空けた位置に宮殿を配置すると得点が受け取れます。なお、井戸の周囲1マスは宮殿の配置は出来ません。

⑥紫色の宮殿を確保したプレイヤーは、お茶タイルが受け取れます。手番のときに使用すると、配置する建物を1件にすることが出来ます。

⑦全プレイヤーが全ての建物コマを配置するか、配置可能なコマがなくなるとゲーム終了です。得点を計算し、最も高いプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の所有するコマです。2人プレイのときは数がかなり多くなるので、衝立を2個使用していますw

 管理人は赤、ちいは青の屋根を使用しますが、それ以外に中立の屋根として黄色を2個づつ所有しており、これは妨害として使用することができます。

 

 中央に井戸とそこから少しはなれて商人(これらの配置は任意の場所です)、4隅の塔コマを配置して早速ゲーム開始です。

 

 最初に宮殿をおさえたのは管理人です。井戸と商人を上手く使えば得点を稼げそうな感じの宮殿です。

 

 中盤にかけて、盤面の左半分で駆け引きが行われます。中央、ちいの紫宮殿は上手くすれば商人でも稼げそうな感じでしたが、何とか商人の列を違う方向へ誘導し回避しています。

 

 中盤が終わるころには、お互い3つの宮殿を確保しています。管理人は残る茶色のみ(1人が同色の宮殿を複数確保できない)なので左上の宮殿を取らざるを得ない状況です。一方、ちいはオレンジを残しており、任意の位置に配置することが出来ます。そんな状況下ながら、左下4点の塔タイルの確保がされていない&管理人はどう頑張っても確保できない、とかなり厳しい感じです。

 

 ここで、管理人が中立の黄色を残していたこともあり、ちいは中央手前辺りにオレンジを配置して、その宮殿を広げて行きます。

 

 結局、中央手前に大きく広がったオレンジの宮殿はやむなく管理人が中立でおさえます。この辺で管理人のコマが尽き、残りはずっとちいのターンで悠々と左下の塔付近にオレンジの建物を配置して確保したところでゲーム終了となります。ちなみに、この最後の宮殿は2コマしかありませんが、壁&塔タイルも含めると結構な得点を生んでいます。

 

 得点計算を行うと、宮殿としては周りを商人で囲まれている管理人の紫がかなりの得点をたたき出し優勢かと思われましたが、ちいが井戸で上回りさらに得点タイルのほとんどをおさえていたこともあって、ちいの勝利となりました。 

 

○評価

  街づくりというテーマに対し、コンポーネントは非常に良くできており、まっさらで始まったメディナの町がゲーム終了時には所狭しと建物が並ぶという都市に変貌するというのが、ある意味このゲーム最大の特徴といえます。

 ゲーム自体は、手番には手元にあるコマを2個配置するだけという、非常にルールの分かりやすいアブストラクト系です。コマの種類はそこそこあり配置条件やルールもそれぞれにありますが、ややこしいものはないので、比較的シンプルといえると思います。

 しかしながら、実際に配置するとなるとかなり悩ましくなります。というのも、宮殿は商人や壁、井戸などそれぞれのコマとの相乗効果で価値が上がっていくので、どこにどう配置すると得点効率がいいかというのは非常に頭を悩ますところです。さらに、最も大きい理由が、宮殿は完成するまで誰のものでもなく、完成してしまえば基本的に拡張できないというルールでしょうか。このルールのおかげで、ある程度の大きさを持った宮殿を造りたくなりますが、自分が拡張した後に自分の手番まで他プレイヤーが完成させないという保障はありません。また、自分が拡張したコマを他プレイヤーが上手く活用することも考えるとおちおち配置もしていられないとすごいジレンマがあります。そんな中を、頭を捻りつつ他プレイヤーの思惑を読みながら上手く取り回すのがこのゲームの面白いところだと思います。

 ちなみに、遅いものがちの塔タイル、宮殿の大きさによる(同数は早い者勝ち)宮殿タイルも、宮殿の価値だけではなく完成させるタイミングなどの判断材料(というかジレンマ)になっており、いい要素だと思います。

 一方で、これだけのジレンマが織り交ざっているゲームなので、何をしたらいいか分からないというのは感じやすいゲームだと思います。特に、序盤の展開は自由すぎて何をしたら良いかが分かり難いですね。各色の建物が1個でも配置してあればまだ違うのですが、好きな場所に自由にとなるとどこに配置しようかというので非常に迷います。まあ、出だしが手なりになるのは仕方ないと割り切って配置するのが良いかもしれません。ただ、アブストラクト全般にいえますが長考しやすというのはありますね。

 また、ゲームの内容から許容の範囲では有りますが、後半になると建物と建物の隙間に商人を置いたりということもあり、そういう時には周りをずらさないように気を使っての配置となるので若干しにくさがありましたね。

 全体的に、充実したコンポーネントによる、賑やかな街づくりといった雰囲気のゲームですが、その実宮殿をどのタイミングで完成させるか、ほかプレイヤーとのじりじりとした駆け引きが重めで悩ましく、賑やかという感じはないながらそこがとても面白いです。また、その結果として完成する街並みは、自分たちのプレイの集大成といった感じで、ゲーム後の余韻も楽しめる非常にいいゲームだと思います。

 

 

☆バトルシップカーニバル

○概要

作者:風間祐一

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:30分程度

 

 予算の範囲内で最強の戦艦を作り正式採用されることを目指すゲームで、ドラフトにより集めたパーツで戦艦を組み上げます。さらに、正式採用となると、仮想敵国の戦艦と海戦を行うことで、実戦性能を測るといった感じになります。

 

①最初に山札から戦艦カードが出てくるまでめくります。出てきた戦艦が仮想敵国の戦艦となります。また、同時に予算の適正範囲が決定されます。

②各プレイヤーに手札とドラフト用の手札を配布します。ドラフト用の手札は1枚とって隣のプレイヤーに回すということを繰り返します。

③ドラフトのカードを受け取った際、「イベントカードをイベントとして使う」「議会工作に使う(捨て札にすることで予算の変動を行います。この時は予算適正範囲内であれば2増減、適正範囲外であれば1増減をすることが出来ます。)」「通常通り手札に加える」の3通りが行えます。

④ドラフトが終わり手札が確定すると、最後に「イベントカードの使用」「議会工作(この時は予算適正に関係なく増減1)」が行えます。

⑤残った手札を用いて「戦艦」「主砲」「機関」及びこの3つにセットする「装備」カードを組み合わせ、戦艦を設計します。設計は「重量(戦艦に設定されている積載重量で、装備カードで増減します。)」と「予算」の範囲内で設計する必要があります。

⑥自戦艦の設計が終わると、再度カードを配り、それらを使って仮想敵国の戦艦を設計します。敵国の戦艦はコストを無視して設計(重量の範囲内)し、最もコストが大きなものが採用されます。

⑦各プレイヤーが設計した戦艦についてコンペが行われ「火力」「防御」「速力」「コスト」「開発状況(最新技術みたいなもの)」でそれぞれ評価を行い、最も票を集めた戦艦が採用となります。

⑧戦艦を建造しますが、この時パーツに「開発状況」を示すものがあれば、ダイスで建造できたかどうかを判定します。

⑨戦艦が出来上がれば、自軍戦艦の設計者と、仮想敵国戦艦の設計者で海戦となります。

⑩速力の小さいプレイヤーから戦術を決め、両者の戦術及び速力によって距離と位置取りが決まります。

⑪自国、敵国の順で砲撃としてダイスを振り、損害分だけ損傷マーカーを引きます。このマーカーに書かれた値がダメージとなり、戦艦の防御力を超えると船は撃沈します。

⑫どちらかの戦艦が沈むか、6ターンが経過すると海戦は終了です。

⑬得点はコンペの採用者に2点、海戦の勝利で1点、敗北で-1点、引き分けは0点で計算します。

⑭3ラウンドのうちに3点を獲得したプレイヤーの勝利です。

 

○プレイ経過

 初戦の敵艦は「ヴィットリオ・ヴェネト」で速度の速さが目立ちます。

 

 一方で、管理人は「ビスマルク」を設計、ちいは「大和」を設計します。このラウンドはお互い大型の戦艦を建造するため、議会工作で予算はかなり上げてありある程度しっかりした武装が施されます。

 

 このコンペはかなりいい勝負となりましたが、耐久力やコストで勝る「大和」が若干抜け出して採用、海戦となります。

 

 しかしながら、コスト無視でパーツをつけ速力、火力で上回る「ヴィットリオ・ヴェネト」の砲撃の前に、会えあえなく大和は沈没となります。

 

 2ラウンド目は管理人の「キングジョージ」が採用となり、「リシューリシュー」との海戦となりますが・・・

 

 ダイス目が振るわず相手は無傷のまま敗北となります。

 

 最終の3ラウンド、偶然にも戦艦は違えど管理人とちいは同じ思想で戦艦を設計します。たまたま敵国戦艦の速力が低めだったこともあり、火力優勢による1撃を狙う設計です。

 

 これは僅か0.5票差でちいの「ライオン」が採用となり、「コロラド」との海戦となります。ちいの勝利になるかと思いましたが・・・

 

 火力に勝るちいでしたが、ダイス目が振るわずにその火力を活かしきることができず、五分五分の砲撃戦を繰り広げます。しかしながら、残り耐久力1というところまで追いつまめながらも、反撃が直撃しちいの戦艦はあえなく撃沈となります。

 

 3ラウンドが終了し、この時点でちい2、管理人1と勝利点3を稼いだプレイヤーがいないため、全員敗北でゲームが終了となります。ただ、他のタイトルをプレイする時間もなかったので最後にもう1ラウンドプレイしています。

 

 その結果、採用された管理人の「ライオン」が「シャルンホスト」を見事に撃沈して、管理人の勝利となりました。

 

○評価

 戦艦という枠組みなので、一見高火力、高耐久のものが採用されそうな雰囲気でもありますが、評価項目はそれ以外にも「速力」「コスト」「開発状況」があり、極端に一部の要素が突出した戦艦では採用されることが難しくなっています。高火力・高耐久の大和が、高速力・低コストの戦艦にコンペで負けるというのも当然ありえます。仮想敵国の戦艦と比較しつつ、他のプレイヤーがどんな戦艦を作ってくるかを推測しながら、戦艦、主砲、機関、装備といったパーツを選択していく必要がありここが、非常に悩みどころになっていますね。ちなみに、評価要素として面白いのが「開発状況」で、この数値が高いパーツを組み込めば当然評価は上がるのですが、その一方で採用されたとしても実際に建造段階で組み込めなくなる(ダイスロールにより判定)可能性もあり、場合によっては海戦に出航すらできなくなります。この辺、コンペのアピールのために新技術を搭載したけど、実際には実現不可という現代にもありそうな話で微妙にリアルです。

 合わせて、予算を操作できるというのも悩みどころとなっており、予算の上限を超えてしまうと採用は見送られます。となると、予算の範囲内で高性能なものを作るか、予算を上げより高性能なものを作るかというのが選択肢として出てきます。その一方で、手札によってはそれほど高性能な戦艦を作れない場合もあります。その場合、あえて予算を下げることで、他のプレイヤーを同じ土台に引きずり込むことも可能となります。この綱引きに使われるのは手札なので、本来は建造に使う予定だったカードまで予算操作に使わざるを得ない状況もあり、結果、フリーカードしか装備していないしょぼい戦艦ができたりもして、面白いところだと思います。

 また、仮想敵国の戦艦をそれぞれが建造するというのも面白いアイデアで、高コストなものが採用されるとはいえ、自分がコンペに勝てそうなら出来るだけ弱く、他プレイヤーが勝ちそうなら出来るだけ強くというのを上手く狙いたいところです。

 海戦については、建造結果の集大成といった感じですが、一方で戦艦の性能に応じた戦術選択により考えどころもあります。ちなみに海戦は実際に行う2人のプレイヤー以外は見学になってしまうので、「戦術の選択」→「距離、位置取りの決定」→「砲撃」とあまり複雑な処理になっておらず、比較的短時間で終わるのもいいところかな。ダイスや損害マーカーの引きによる運の影響が大きい印象もありますが、処理の簡略化にもなっており、またダイスの一投一投、マーカーの引きごとに一喜一憂があって楽しめると思います。

 気になる点としては、ドラフト中とドラフト後の2回「イベントカード」「予算操作」をするタイミングがありますが、どうしても他プレイヤーの動向を見てから動きを決めたくなるので、今回のプレイではほとんど「ドラフト後」にカードのプレイを行っていました。2回にするとどうしてもリスクの少ないドラフト後にしてしまうので、いっそのことどちらか1回にしてしまっても良かったのかなと思います。

 あとは、自分好みの戦艦を作って派手に海戦をしようというイメージでゲームをプレイするとギャップにがっかりするかもしれないということでしょうか。タイトルや箱絵からもそういう印象は抱きやすそうな感じですよね。ただ、プレイヤーはあくまで顧客のニーズに合わせた戦艦を売り込む一企業という立場なため、自分の好みは関係なくどうコンペに勝つかを考えた戦艦設計が必要となります。ここが、悩ましくも面白いところでは有りますが、せっかく大和があるのに、顧客のニーズで「14インチ砲」を搭載しないといけないとか、史実を考えると「うーん」というということもあるかもしれません。

 得点計算の関係上、1ラウンドであっさりと決着がつくこともあるかもしれませんが、一発逆転のチャンスもあり、予算という限られた枠の中で、顧客に満足してもらえる高性能な戦艦を如何に作成するかが悩ましいゲームで面白いと思います。

 

 

 ここで時間となり終了となりました。本日は2タイトルのみでしたがそれぞれ楽しめたゲーム会でした。

 

 


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