もう10年くらい前、
いつ潰れてもおかしくないマイナーなプロレス団体を取材したことがある。
所属レスラーは全員、副業をこっそり持っていて、
収入で言えばレスラー業の方がバイトという感じだった。
みんな小柄で、エース兼社長のレスラーも取材記者のボクよりひと回り小さかったが、
「いつか両国国技館みたいなでっかい会場でオレたちも興業を打ちたいんです!」
と夢だけは大きかった。
「無理でしょ」と申し訳ないが、ボクは思った。
だって、プロのレスラーとして説得力のある肉体を誰も持っていなかったから…。
だが、
彼らは発想の逆転で、後に大成功する。
プロレスラーは「別に強くなくていい」という前提を自分達で勝手に作り、
小劇団の役者さんと組み、リング上で普通に愉快なお芝居を見せることで
大勢のファンを取り込むことに成功したのだ。
そして、
今夏の両国国技館大会も無事、盛況のうちに終えたという。
彼らの人気がブレイクした当初、
ボクは正直
「そう来たか!」っていう驚きより、
「そんなのもアリなの?」っていう疑問の方が大きかった。
堅い脳みそをシェイクしてもらったような、
ボックスの外に強引に連れ出されたような気分すらした。
考え方ひとつでそんなコトができるんだ、って。
八百長うんぬんの話は別の機会に譲るが、
プロレスラーは確かにハンパではない強靭な肉体を持っているし、
持つべきだと思われていた、少なくとも彼らの登場までは…。
彼らには‘その強さ‘という才能はなかったかもしれないが、
プロレスラーとして成功したいという夢だけは確かにあった。
そして、‘従来のプロレスラー的強さ‘
ではない部分(←お芝居を組みたてる演出などなど)
に彼らはフォーカスし、そこでの才能を開花させることで、
多くのファンに認められるようにもなった。
で、
何が言いたいか?
諦めるのはまだ早いっ!ってコトっすよ。
※「才能」関連の参考記事はコチラです!押忍!→
「私は変われる?」
「メタファーって何のため?」
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